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マイクラだから楽しく頑張れる!まぶちのプログラミング教室「プロラボ」で協働的に学ぶ子どもたち

オリジナルのマインクラフト教材を使って学ぶ、まぶちのプログラミング教室「プロラボ」

小学校でプログラミング教育が必修化され、2025年の大学入学共通テストから「情報」が新たに入試科目として追加された。こうした教育の変化を受けて、「うちの子も、プログラミングをやらせた方がいいかも?」とか、「将来、役に立つから身につけさせたい」と考える保護者は増えた。実際、子どもが習い事として通えるプログラミング教室も全国に広がっている。

そんな子ども向けのプログラミング教室の中で、特に人気があるのは、子どもたちに親しまれているゲーム「マインクラフト」を教材にしている教室だ。関西に拠点を置く馬渕教育グループもそのひとつで、同社は運営するプログラミング教室「プロラボ」にて、教育版マインクラフトを用いたオリジナル教材で学べるプログラミング講座を2023年9月より開講した。どのような授業を行っているのか、その様子をお届けしよう。

マイクラで学べるプログラミング教室ってどんな感じ?

プロラボが開講されている「馬渕教室」南千里校

「プロラボ」は、関西圏を中心とした学習塾「馬渕教室」を運営する馬渕教育グループが、小学生を対象に開講したプログラミング教室である。2024年1月末時点で、16校舎でプロラボが展開されており、現在もその規模は拡大中。今回は、大阪府吹田市にある南千里校の様子を見せてもらった。

教室に入ると、小学生の子どもたち8名がコンピューターに向かって熱心にプログラミングに取り組んでいた。ここでは、小学校低学年を対象とした「基礎コース」と、中学年から高学年を対象とした「初級コース」が行われ、各コースに1人の講師がつき4人の子どもをサポートしている。さらに全体を見る講師もいて、計3名の講師でコースの分け隔てなく子どもたちをサポートする体制となっている。

プロラボの教室。基礎コースと初級コースの小学生が講師と楽しそうに学んでいる

「プロラボ」で使用するマインクラフトの教材は、専門家の監修のもと、毎月季節のイベントをモチーフにしたオリジナルワールドで学ぶのが特長だ。1月のテーマは、基礎コースが「書き初め」、初級コースは「福笑い」となっており、子どもたちはオリジナルワールドに入って、その中でプログラムを組み立てる。教育版マインクラフトでは、「エージェント」と呼ばれるロボットがいて、エージェントがワールドの中を移動したり、ブロックを並べたりできるようにプログラミングをしていく。

マインクラフトのプログラミング画面。マインクラフトのワールドに入って、プログラミングツール「Microsoft MakeCode for Minecraft」を使用してプログラムを組み立てる。プロラボでは、授業で使うコンピューターは貸出してくれる

各回の授業は、講師が子どもたちの前に立ってプログラミングを説明して教えるのではなく、それぞれに配られた教材を見ながら課題を進めていくカタチ。思い通りにエージェントを動かすためには、どのように命令ブロックを並べたらよいか、数値はどうすればいいか、子どもたちは自分のペースでプログラムを考える。

プロラボで使用している教材。子どもたちはこの教材を見ながら自分のペースで進めていく

もちろん、分からないこともたくさん出てくるので、その時は講師に質問してアドバイスをもらう。自分から質問するのが苦手な子も手が止まっていると講師が声をかけてくれるので、どの子もコミュニケーションを取りながら進めていける。プログラミング教室に行ったことがない保護者からすれば、「うちの子、ついていけるか心配」と思われるかもしれないが、とてもカジュアルな雰囲気で取り組めるので、安心してどの子も参加できそうだ。

わからないことは講師に質問したり、手が止まっている子には講師から声をかけたりと和やかな雰囲気で学習できる

マイクラだから、意欲も出るし、会話も弾む!

「プロラボ」では、マインクラフトを使って学べるプログラミングコースとして「基礎」「初級」「中級」「上級」を用意、基礎から応用まで子どもたちが大好きなマインクラフトで学べる内容となっている。

プロラボで学べるプログラミングコース

この日の基礎コースの課題は、「エージェントと書き初めにちょう戦しよう」というもの。子どもたちはここまで、練習として「正月」や「元旦」という文字を書くプログラムを学んでおり、今回の授業では、これまで学んだことを生かして、自分の好きな文字を書くのが課題だ。エージェントに「黒いカーペット」ブロックを持たせて、半紙に見立てた床に配置し、好きな文字を書いていく。

基礎コースは、PCの基本的な操作方法から始まり、座標の考え方やプログラムの「複製」「修正」による論理的思考力の育成、「繰り返し」を通じた数学的思考力を養う内容となっている

講師が「何を書く? 最近習った漢字でもいいよ」と声かけすると、「庭」と答えた小学3年生。画数が多く苦戦している様子だが粘り強く取り組んでいた。また、「『グロウストーン(マイクラのブロックのひとつ)』で文字を書きたい!」という子もいて、他の子が「海底神殿にあるよね~」と話しかけて盛り上がる場面も。子ども同士、マイクラを通してコミュニケーションをしているのが微笑ましい。

マイクラが大好きだから、話も弾む子どもたち

一方、初級コースの課題は、「『フェイスメーカー』で大きな『顔』を作ろう」。ここでは「変数」というプログラミングの概念を学びながら、目と口のパーツに好きなブロックを配置して、3種類の顔に変化するフェイスメーカーを作る。講師が「おもしろい顔をいっぱい作ってね」と呼びかけると、ひとりの子が「目はお金のマークにしよう、これが作りたかったんだよ」と言って、「$」マークを配置し始めた。さらに講師は、「めっちゃええやん!先生これ好き!」と話しかけ、「どんな口が合うかな?」と創作意欲を引き出した。

6種類の目パーツと3種類の口パーツを作り、それらを表示する際にランダムな数を使うと、さまざまな表情に変化する

顔を作り終えた子は「変数」と「ランダムな数」を組み合わせたプログラミングに挑戦。「変数は難しいけど、頑張ろうな!」という講師の呼びかけに、「マイクラだから頑張る」と子どもたちは返した。中にはさまざまなパターンの表情を変化させるプログラムを組んだ子もいて、それを見た他の子が「えー、どうやってやるの?」「僕もおもしろい顔作りたい!」と盛り上がっていた。

マイクラの中でやってみたいとがんばったり、共通の話題で異学年の子どもたちが話したりと、マイクラを通して子どもたちの意欲やつながりが見られるのは、保護者目線でもグッとくるものがあった。

他の子の作品を見て、自分もやってみたいと刺激を受ける場面も

作品を発表し合ってフィードバック!もっとやりたいを引き出す

プロラボは、月ごとに季節のテーマが決められ、1週目から3週目までは与えられた課題をお手本通りに作り、4週目は学んだ知識をもとにオリジナルの作品を作って発表するというカリキュラムで進められている。4週目の発表は保護者も参観が可能で、子どもの頑張りを見届ける良い機会になっている。

ちょうどこの日も発表の時間があり、子どもたちは事前に自分が発表したい「工夫点」や「大変だったこと」をシートに書き込んでいた。「次に挑戦したいことは、もっと面白い顔を作ること」「友だちのワールドがすごかったから、次はもっと頑張ります」という感想が見られ、お互いの作品が良い刺激になっている様子が伝わってきた。

プログラミングの学習だからパソコンばかり見続けるのかと思いきや、意見を書いてまとめたり、友達の作品を見て刺激を受けたりと、アナログな部分もあるのがうれしい。また紙のテキストブックがあることも、子どもが何を学び、どんなことを感じたのか、家庭でも振り返ることができるのでありがたい。

基礎コースの生徒が書いた発表シート。友だちの作品の良かった点についてコメントしている

発表は基礎と初級のテーブルごとに行われた。「プログラムがいっぱい出来ちゃった」と苦戦した様子を発表した子に、他の子たちが集まり、「うわ~、複雑だね!」と互いにフィードバックしている姿が微笑ましい。なかには発表に慣れていない子もいたが、講師が「プログラムのスタートボタンを、自分で押してみてくれる?」と優しく声かけサポートもしてくれるので大丈夫。

発表者のパソコンを囲む子どもたち。プログラミング通りエージェントが書き初めを行うと、「わ~!」と歓声が起こった

参観していた保護者に話を伺うと「大好きなマイクラを使った教材だから、受講しやすかった。家ではNintendo Switchでマイクラをしていて、パソコンを使ってプログラミングに触れる環境は用意しにくいが、教室で講師に教わりながら作品を作り上げるのが良いと思います。本人も自宅に帰ってから『楽しい』と言っています」と語ってくれた。

このように、自分のアイデアを形にして発表し、仲間のフィードバックをもらいながら改善したり、創作意欲を高めるためには子ども同士の会話やつながりが重要だ。その点、マイクラであれば、子どものたちの共通言語が増えて協働的に学ぶ楽しさを自然に生み出せる。保護者から見ても、子どもが楽しく学べることは継続していくうえで大切な要素である。

失敗から学ぶのがプログラミングの醍醐味

「プロラボ」南千里校 講師八木聡美さん

この日、講師を務めていた八木聡美さんは、低学年のうちから「マイクラ」でプログラミングを学ぶメリットについて、「早い段階からパソコンの操作に親しんでもらえることが良い」と語った。今の子どもたちは、Nintendo Switchなどゲーム専用機やスマートフォン、タブレット端末には早くから親しんでいるが、パソコンとなると触る機会も限られている家庭が多い。プログラミングでは、キーボード入力やパソコンの操作が必要になってくるが、マイクラであれば自然に親しむことができるというのだ。

マイクラを通して、パソコンの操作も身につける

また八木さんは、「異なるレベルの子どもたちが同じ空間で学ぶことで意見交換が生まれ、雰囲気が段々柔らかくなっていきます。子どもたちは自然体でマイクラを楽しみ、その中でプログラミングを学んでいることがとても良い環境だと思います」と語ってくれた。

「プロラボ」南千里校 大町幸輝講師

同じく、講師の大町幸輝さんは「プログラミングは失敗から学ぶもの。マイクラを使って教室で学ぶ楽しさを味わいながら、どんどん失敗して作品を良いものに近づけるような学習をしてほしいと思います」と話す。子どもたちの発表時も、一人ひとりの作品に対して質問を変えながら、全員で共有することを大切しているそうで、「みんなでプログラミングを学び、次の月につながるような意欲を持てるよう意識しています」と答えてくれた。

授業終了後、子どもたちはわいわいと帰り支度をしながら、「ゲームをしながらプログラミングができるのは楽しい!もっとできるようになったら、みんなで大きな建築に挑戦してみたい」と話してくれた。楽しそうな子どもたちの姿に、マイクラで学ぶプログラミング学習の良さを大いに感じた。

我が子のプログラミング教育をどのように始めたらよいかと考え始めた保護者の方は、ぜひ、マインクラフトxプログラミングの世界を味わってほしい。

★まぶちのプログラミング教室プロラボ『春のプロラボ体験会』
まぶちのプログラミング教室「プロラボ」では、現在16校舎で「春のプロラボ体験会」を無料開催しています。体験会では、マウスの持ち方やキーボードなどパソコンの基本的な操作方法から始まり、教育版マインクラフトを体験できる内容となっています。ご興味のある方は、ぜひこの機会に体験会に参加してみてください。
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