【連載】EducAItion Times

この写真がアート作品に!? ChatGPTで楽しむ、親子で画像チェンジ!

EducAItion Timesは、「大人のきぼう こどもの未来」をテーマに、生成AIの活用情報をお届けします。本連載は、生成AIコミュニティ「IKIGAI lab.」のメンバー8名が運営するもので、子供たちの好奇心を刺激する、新たな学びの提供をめざしています。

油彩画、水彩画、デジタルアート、写実主義、印象派、キュビズム...
世の中には様々な表現方法や美術様式が存在します。

私の娘たちも、毎日思い思いに好きな色鉛筆を使い、自由に絵を描いています。
そんな子供たちがアートやイラストにもっと興味を持つきっかけとして、私たちが普段撮影している写真を簡単にイラスト風に変えてみるのはいかがでしょうか。
もちろん、撮影した写真それ自体も素敵な思い出ですが、写真がイラストに変身するとまた違った楽しさがあります。

今回は、今年3月にリニューアルされた「ChatGPT」の画像生成を使って、思い出の写真を手軽にアート作品へと変換する方法をご紹介します。

ChatGPTで簡単に写真をイラストに変える方法

Step 1: ChatGPTにアクセスする
まずは、 OpenAIの公式サイト へアクセスし、ChatGPTを起動します。モデルは「GPT-4o」に設定します。

Step 2:写真をアップロード
チャット画面の下にある「+」ボタンをクリックし、イラスト風に変換したい写真をアップロードします。対応する画像形式はPNG (.png)、JPEG (.jpeg および .jpg)、非アニメーションGIF (.gif)などです。画像あたりの最大サイズは20MB以下となります。無料プランでも画像の変換機能は使用可能ですが、生成回数には制限があります。

ChatGPTにアクセス、モデルを設定、画像をアップロードする

Step 3:プロンプトで希望スタイルを指定
入力欄に、変換したいスタイルを指定します。例えば、「水彩画風に変換してください」や「アニメ風の画像に変換してください」など具体的に伝えましょう。

プロンプトを入力し実行すると、ChatGPTが自動で画像を処理し、指定したスタイルに変更した画像を生成します。通常1〜3分程度で画像が完成します。

添付画像に対して、スタイル変更のプロンプトを入力し実行

Step 4:画像への追加指示
生成された画像に対して、指示を出すことでさらに画像を修正することが可能です。ここでは、水彩画風に生成された子供の画像にさらに「原始時代の生活を反映させて」と指示を加えてみました。

生成された画像に対して、さらに変更指示が可能

Step 5:画像の一部分を変更する方法
生成された画像の特定の箇所だけを変更することも可能です。以下の2つの手順を紹介します。

A)プロンプトで部分的な変更内容を指定する方法
「この部分の色を赤に変更してください」のように、変更したい箇所と内容を具体的に記述します。

プロンプトで部分的な変更内容を指定する方法

B)選択ツールを使って変更箇所を指定する方法
選択ツールで修正したい領域を選択し、その後で新たにプロンプトを入力して変更を反映します。

選択ツールを使って変更箇所を指定する方法

Step 6: 生成に失敗した画像を修正する方法
生成された画像が想像していたものと異なる場合は、以下の2つの手順で全体または一部を修正できます。

A)生成画像への追加プロンプト入力
「人物の表情を笑顔にしてください」や「背景を夕焼けに変更してください」のように、具体的な修正内容を追記します。

B)元のプロンプトを追加/変更して再生成
「メッセージを編集する」から元のプロンプトを修正し、再度生成を行います。

生成に失敗した場合の修正方法
写真からイラストに変更が完成

水彩画、アニメ、ペイント、いろいろなスタイルの画像生成が可能!

写真をイラストに変更する場合、表現技法や美術様式、画材の指定を行うことで、多彩なビジュアルに仕上げられます。以下では、同じ写真を素材にした複数の異なるスタイル例をご紹介します。

・フラットデザイン
シンプルな形状と配色を用い、立体的な装飾や余計なディテールを排除した二次元的ビジュアル

・水彩画風
水彩絵の具のにじみやグラデーションを再現した柔らかなタッチ

・ピクセルアート
ドット(マス目)で構成されるレトロな表現方法

・クレヨンタッチ
粗めのクレヨン質感を再現した手描き風スタイル

同じ写真に対して様々なスタイルで表現

以上は一例ですが、多くの表現方法があります。もし表現方法に迷ったときはChatGPTに質問してみてください。きっとよい提案をしてくれます。

気をつけたい、画像変換時の注意点

このように簡単に変更できてしまう画像生成ですが、以下の2点には注意が必要です。

著作権に注意
特定のスタイルを指定するときには、著作権を侵害しないよう注意が必要です。

プライバシーの保護
個人が特定される可能性がある写真を使う場合は、プライバシーに配慮しましょう。

参考:https://help.openai.com/en/articles/7039943-data-usage-for-consumer-services-faq

子供と話し合いたい画像生成について

いかがだったでしょうか。

ChatGPTの新しい画像生成モデル「GPT-4o Image Generation」を使用することで、写真を統一感のあるイラストに変更することができたと思います。お子さんと一緒に写真を選び、「どんな画風にしようか?」と話し合う中で、自然とアートへの興味や創造力を育むことができます。また、完成した画像を印刷して飾ったり、自作の絵本やカードを作って遊んだりするのも素敵な楽しみ方です。

一方で、「○○風の画像を作成して」(○○にはアニメや漫画のタイトルが該当)と、プロンプトを打ち込み実行すると多くの画像生成AIでアニメや漫画のキャラクターに非常によく似た画像が生成できてしまいます。 一般的にスタイルには著作権は該当しないとされていますが、それが特定のスタイルを模倣した画像を生成して良い理由にはならないと考えます

なぜ真似をしてはいけないのか、著作権とは何のために存在するのか、親子で意見を出し合い、検索し、理解し、ポリシーを持つことで生成AIのリテラシーが育ちます。我が家でも7歳の娘と話し合った際に、彼女が自分なりの意見を持ち考えを述べている姿を見て子供の成長を感じると共に、小さい子供でも良し悪しを判断できると再確認しました。ぜひ親子で「著作権って何だろう?」から語り合ってみてください。

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IKIGAI lab./新谷 信敬

5人姉妹の父。薬剤師。大手ドラッグストアで在宅医療に従事する傍ら、コミュニティ活動を通して生成AIを活用した取り組みに挑戦している。IKIGAI Lab.:140名のメンバーが所属する生成AIコミュニティ。監修:髙橋和馬・田中悠介。編集:新谷信敬。