【連載】EducAItion Times

図解作成の救世主!無料のNapkin.AIで「伝わる&魅せる」図が完成

EducAItion Timesは、「大人のきぼう こどもの未来」をテーマに、生成AIの活用情報をお届けします。本連載は、生成AIコミュニティ「IKIGAI lab.」のメンバー8名が運営するもので、子供たちの好奇心を刺激する、新たな学びの提供をめざしています。

レポートやドキュメントを作るとき、テキストだけでなく、図やグラフなどを使って視覚的に表現する方が理解が深まります。でも、図解を作るのは時間もかかりますし、大変ですよね。

そこで今回は、テキストから自動的に図解やグラフを生成する「Napkin.AI」を使って、情報を効果的に伝える図解の作成術を紹介します。

無料で使える図解作成ツール「Napkin AI」とは

「Napkin AI(ナプキン エーアイ)」は、アメリカのスタートアップ企業が開発している図解作成用AIです。主な特徴は、テキストを入力するだけでAIが内容に即した図解やフローチャートを生成してくれること。日本語にも対応しており、PNGやSVG、PDFなどのファイル形式でエクスポートが可能です。また、商用利用が可能で、無料プランが用意されています。

「Napkin AI(ナプキン エーアイ)」

ログインして試してみよう

まずは、Napkin AIの公式サイト右上にある[Get Napkin Free]をクリックしましょう。次に[Welcome]画面でアカウントを登録します。

Napkin AIの公式サイト右上にある[Get Napkin Free]をクリック。ここでは[Sign in with Google]を選択

Googleアカウントでログインしたら、確認画面で仕事用(For work)か個人利用(for personal use)、学校での利用(For school)などを選びます。[For work]を選んだ場合は、従業員数や職種、利用用途などを続けて設定しましょう。

利用目的や利用用途などを続けて設定

[Welcome to Napkin!]の画面が表示されたら、[Create my first Napkin]をクリックします。Napkin AIでは、用意したテキストを貼り付けて図解を生成する方法と、AIがテキストを生成して図解を作成する方法、2つのパターンがあります。

[Create my first Napkin]をクリック
用意したテキストをペーストするのか、AIでテキストを生成するのかを選んでスタート

資料や会話した内容を図解してみよう

ここからは、用意したテキストを貼り付けて図解を作成する方法を紹介しましょう。まずは「+ New Napkin」→「Blank Napkin」を選びます。

図解新規作成の流れ。「+ New Napkin」→「Blank Napkin」を選択

画面が遷移したら「Untitled」と薄く記載された下にコピーしたテキストを貼り付けします。

用意しておいたテキストを貼り付ける

テキストを全文選択して青い雷マークが出ていれば成功です。もし出ていない場合は一旦、メモ帳に貼り付けして改行を適宜削除してからNapkin.AIに貼り付けすることでうまくいきます。青い雷マークをクリックすれば図解が自動で生成されます。

青い雷マークをクリックすれば自動的に図解を生成

図解は代表的なパターンのスタイルが表示され、1つのスタイルを決めてから色の濃度やトーンを選ぶことが可能です。また、テキストは独立したテキストボックスなので、内容の変更やフォント、フォントサイズなども編集できるようになっています。独自の図解を効率よく作成してみてください。

図解が完成したら、図の右上にある[Export]をクリックし、ファイル形式を選んで[Download]をクリックしましょう。保存画面ではライトモードとダークモードの切り替えのほか、背景透過のオン・オフ、解像度の変更も可能で、至れり尽くせりです。利用用途に応じて、[Resolution]で[2x]か[3x]に設定しましょう。想定ピクセルサイズが画面右下に表示されるのも気が利いています。

図解が完成したら、解像度・背景透過などを選択してダウンロード

Napkin AIによる活用例を見てみよう

このようにNapikin AIは、テキストだけでは伝わりにくい部分をさまざまな図解で相手に伝えることができます。いくつか活用例を挙げてみましょう。

例えば、「ChatGPTを学校の文化祭に活用する」という図解も簡単に作成可能です。Napkin.AIによって項目を図解することで、より相手にわかりやすく伝えることができるようになるでしょう。ポイントとして、図解の要素となる項目をあらかじめ小見出しで整理したり、小見出しの文字数をそろえておくとより見やすい図解が生成されやすくなります。

リストや階層的な図解も作成可能

また、それぞれが独立しているのではなく、つながりや循環を示す図解も作成できます。以下は、生成AI教育について、家庭での取り組みと学校との連携、専門家の知見の活用といった循環図の例です。

循環図の作例

より専門的な図解生成も可能です。自己分析や企業経営、新規事業開発、既存業務の販路拡大の戦略策定などでは、SWOT(スウォット)分析というフレームワークを利用するケースがあります。SWOT分析は、強み・弱み・機会・脅威の4つを分析し、それぞれを掛け合わせることで客観的に現状を振り返ることを可能とするもので、スタイルを変えることで以下のような図解も作成できます。

SWOT分析の作例

さらに、これまでは専門的なアプリを利用しないと作成できなかった、「会話形式」の図解も作成が可能です。以下は「生成AIのメリット」「生成AIのほかの利点」「生成AIが生成したもののクオリティー」に関する疑問を会話形式でまとめたものです。同じ内容でも、伝わる情報の印象が大きく変わることを実感できたのではないかと思います。

会話形式の図解作例

最後に、図解化するメリットについても、このように表現してみました。

図解することのメリット

文章だけでは理解が難しい情報も、図解によって視覚的に整理することで、誰でも容易に全体像を把握し、関係性を直感的に理解できるようになります。また、図解は記憶の定着を助け、コミュニケーションの質を向上させるほか、問題解決やアイデア創出を促進するなど、さまざまなメリットをもたらします。

情報共有やプレゼンテーション、ブレインストーミング、学習支援など、図解はあらゆる場面で力を発揮します。Napkin.AIは、図解作成を簡単かつ効率的にしてくれる、まさに「図解の救世主」といえるでしょう。

IKIGAI lab./伊藤 雅康

「studio veco」代表。クリエイティブ分野と教育分野を軸に生成AIの研修を学校や企業に展開している。名古屋を中心に親子で体験する生成AIイベントを多数開催。NewsPicks TOPICS 「IKIGAI Lab.」執筆。IKIGAI Lab.:140名のメンバーが所属する生成AIコミュニティ。監修:髙橋和馬・田中悠介。編集:新谷信敬。