【連載】EducAItion Times
もう検索で疲れ果てない!生成AI「Gemini」で家族旅行の計画をもっと楽しく簡単に
2025年1月10日 09:30
「家族で旅行するなら、最高の思い出を作りたい」
それは誰もが願うことではないでしょうか。しかし、日々の忙しさの中で、十分な時間を割いて情報を集め、理想的な旅行プランを立てることは、現実にはなかなか難しいものです。結果として、十分な下調べもないまま旅行に出発し、後から後悔することも少なくありません。
今回は、そんな忙しい保護者のために生成AI「Gemini」を活用し旅行計画を立てる方法をご紹介します。
生成AIを検索や計画に活用することで、検索時間を大幅に短縮できるだけでなく、思いもよらない体験や通常の検索では見つけにくい魅力的なアクティビティに出会える可能性も広がります。さらに、会話形式でのやり取りを通じて希望を反映できるため、子供の興味や関心を引き出しながら、旅行計画をより魅力的なものにすることが可能です。
Googleの生成AIモデル「Gemini」とは
Gemini(ジェミニまたはジェミナイ)は、Googleが開発した生成AIモデルです。このモデルは、テキスト、画像、音声、動画など複数のデータ形式を同時に処理できるマルチモーダル機能を備えています。本稿執筆時点の2025年1月6日現在「Gemini 1.5 Flash」という高速モデルを無料で利用することが可能です。利用可能年齢は13歳以上です。
今回の旅行計画にGeminiを使用する理由は、その拡張性にあります。GeminiはGoogleの各種ツールと連携し、Google Workspace、Googleフライト、Googleホテル、Googleマップ、YouTube、YouTube Musicなどの旅行計画に必要な機能を利用できます。
また、PCサイトだけでなく、アプリでも提供されているため手軽にスマートフォンやタブレットからアクセス可能です。 「Gemini Live」は、アプリで使用可能な、リアルタイムで自然な会話ができる機能です。この機能を活用することで、従来のGoogle検索とは異なる、新しい検索体験を得ることができます。
生成AIでの旅行計画の立て方
今回は5歳のりんちゃんと6歳のれいちゃんと一緒に宮城県への旅行の計画を立てていきます。まずは、3人の希望を出し合います。
Geminiを使って計画を立てていきます。Geminiの公式サイトは こちら
最初に、状況を入力します。
非常に長い回答が生成されました。タイピングで返答するのが負担になります。そこで、便利なのは音声入力です。チャットウィンドウの右側のマイクアイコンをクリックして音声入力を行いましょう。
音声入力では多少の言い間違えがあっても気にせず続けましょう。生成された結果に満足できない場合は、修正して再度生成を行えば問題ないです。自由で曖昧な表現から、色んな提案をしてもらいましょう。
さまざまなアクティビティの提案がされました。子供たちはキツネ村や釣りに興味津々です。「何ができるの?」「どうやってやるの?」「それ何?」と疑問や質問がどんどん出てきます。質問に対しても不明点については生成AIを使って調べて説明してあげます。生成AIが検索している間も子供たちとの会話の時間を楽しめます。
提案されたアクティビティの中にチーズ作りの体験があったので調べてみました。「蔵王チーズワールド」という施設は存在せず、チーズ作りの体験ができるのは他の施設でした。このように、ハルシネーションと呼ばれる事実とは異なる内容が生成されてしまうこともあるので、情報元の確認は必要です。
旅行の持ち物リストを作成しました。生成されたデータはGoogleスプレッドシートにエクスポート可能です。これで持ち物チェックリストも作成できます。
行き先が決まったら目的地までの経路を確認します。Googleマップと連携しており、マップ上に目的地を表示することが可能です。これで行き先の位置関係を把握できます。また、「Googleマップを開く」をクリックすることで、経路の詳細を確認することが可能です。
生成AIを使用して、旅行の計画を作成しました。旅行の行程表については「これまでの計画を表にまとめて」と入力すれば表形式で回答されます。実際には、普段使っているアプリやサイトを調べて、正確な情報をもとに計画を埋めていきます。これまで保護者が中心となって決めていた旅行計画に、子供の意見を瞬時に反映させて、大まかな計画を作成できる点は生成AIを使用するメリットです。
生成AIで検索するメリットとデメリット
生成AIで検索を行う際のメリットとデメリットを、以下にまとめます。
- 自然な対話形式での検索: 対話形式で質問できるため、複雑なキーワードを考える必要がありません。
- 抽象的な表現からの検索: 明確なキーワードが思いつかない場合でも、漠然とした表現から適切な情報を得られます。
- 創造的な提案: 新しいアイデアや独自の視点を提供してくれるため、発想の幅が広がります。
- 時間の節約: 複数の情報源を調べる手間を省き、一度の検索で必要な情報をまとめて取得できます。
- 包括的な情報提供: 多角的な観点から総合的な情報をまとめて提供してくれます。
【デメリット】 - 情報の正確性の問題: 誤った情報や不正確な内容を生成する可能性があり、常に信頼できるとは限りません。
- 最新情報の不足: 学習データが最新でない場合、最新の情報が反映されないことがあります。
- 選択肢の減少:必要以上に情報を要約することで、考えうる選択肢が削減される可能性があります。
- バイアスの問題: 学習データに含まれる偏見が回答に影響を及ぼし、公平性を欠く場合があります。
- プライバシーの問題: 個人情報を入力する際、その情報が学習に使用される場合があります。
【メリット】
Perplexity、Genspark、ChatGPT、Copilotをはじめとして、昨今Web検索機能を搭載した生成AIサービスが多く提供されています。Web検索機能を搭載していない生成AIを検索に使用することは、情報の正確性の面で推奨されません。Web検索機能を搭載していても、必ずしも正確な情報であるとは限りませんので、情報ソースの確認をお勧めします。ファクトチェック機能を採用している生成AIもありますので、正確な情報収集に役立てて下さい。