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【教育版マイクラ】Show must Go On、プログラミングでショーを成功させよう!
――教育版マインクラフト ワールド紹介その⑫
2025年1月31日 12:03
2024年にMinecraft EducationとHour of Codeを運営するcode.orgのパートナーシップが10周年を迎えた。これを記念してリリースされたのが、新作の「Hour of Code 2024:ザ・ショー(The Show must Go On)」だ。
これまでにも教育版マインクラフトで提供されている膨大なワールドを紹介してきたが、今回は「The Show must Go On」を取り上げる。その名の通り、テーマは劇場を舞台にしたショーの公演。プログラミングの力で「気が進まないエージェント」を助けてショーを成功させるという、子供たちがわくわくするに違いない構成となっている。
誰でも無料で試せる!
教育版マイクラを開くと、[コーディングの時間]という項目が目に付く。いつもなら[新着・注目作品]となっているのだが、新作のHour of Codeシリーズがリリースされると、しばらくは表示が変わるのだ。[コーディングの時間]をクリックしてから[Hour of Code 2024:ザ・ショー]を選ぼう。
[Hour of Code 2024:ザ・ショー]の詳細画面が表示されたら、[ワールドの作成]をクリックして先に進もう。
Hour of Codeは、その名の通り、およそ1時間程度で終了するようにつくられている。インストールは無料で、デモレッスンとしてすぐにプレイできるのだ。ただし、デモレッスンで進める場合は途中で保存ができないことに注意しよう。
にぎやかな劇場が今回の舞台
[Hour of Code 2024:ザ・ショー]のワールドに入ると、案内係が席を案内してくれる。利用するデバイスの種類を選択して待っていると、何やら事件が発生。
ステージマネージャーが「お客さまの中にコーディングができる人、プログラマーはいらっしゃいませんか?」と助けを求めている。ドラマなどで「お医者さまはいらっしゃいませんか?」はよく聞くセリフだが、まさかプログラマーを探しているとは……。一体どういうことなのだろうか。
[ゲーム]の画面では、プログラムのコーディング方法を選択する。[ブロック]を選んでMakeCodeの画面が表示されたら、[挙手]ブロックを[最初だけ]ブロックにドラッグしてはめ込み、緑の再生ボタンをクリックしよう。
プログラムが動くと、ステージマネージャーは何やら安心した様子。案内係の後について進み、劇場のバックヤードまで移動しよう。マイクラが初めてでも、画面に表示される案内に従って操作すれば大丈夫だ。
マネージャーによれば、何と主役のAgent(エージェント)が逃げ出してしまい、ショーができなくなってしまったらしい。ここからは、エージェントを探しながら4つのアクティビティをクリアしていく流れになる。バックヤードでは、マイクラのいろいろなモブたちが働いているので、話しかけてみよう。
音楽をプログラムしてドアを開けよう
最初のアクティビティの場所は、音楽監督のガスト氏の部屋だ。ガスト氏に話しかけてみよう。どうやら、エージェントは隣の部屋に立てこもってしまったらしい。
隣の部屋に行くには、ドアのロックを解除する必要がある。ガスト氏の指示にしたがって音楽のプログラムをつくるミッションにチャレンジしよう。画面に表示されている「ra、re、so、do」に合わせて[楽器 を追加]ブロックと「ラ、レ、ソ、ド」の音符ブロックを順番に入れていく。
ガスト氏から、「この曲には何かが足りない」という注文が入るので、楽器のブロックを続けて追加する。なお、打楽器を追加するときにテンポを「ミディアムで」とこだわりの注文が入るが、設定は[普通]でOKだ。
ガスト氏の指導のもと、正しい楽器と音の組み合わせで曲を奏でると……。
エージェントのために音楽をプログラムしよう
隣の部屋でぽつんと立っているエージェントを発見! 緊張のあまり逃げ出したらしいエージェント、その原因の1つは音楽らしい。プログラムの力でエージェントのための曲をつくることにする。
画面右上のヒントを参考にしながら、作曲にチャレンジ!
無事曲が完成して、エージェントも納得した様子。そのまま舞台に戻ってくれるのかと思いきや、別の理由があるのか、またもや逃げ出してしまった……。ステージマネージャーには「仕事が終わっていない」などとぼやかれてしまう。やれやれである。
この後のストーリーは、残る3つのアクティビティを進めることになる。クリアする順番は自由なので、バックヤードを探検しながら攻略していこう。それぞれおなじみのモブたちが3つの部門の責任者になっているので、話しかけてみよう。
エージェントの衣装を考えよう
衣装部門の責任者は、スワンピー・ウィチェズ氏。話しかけると驚いて、いろいろな衣装を放り出してしまう。しまいには「衣装を集めてくれないと話を聞かない」とへそを曲げる次第。話をしながら、進めていこう。
エージェントの所に行くには、3つの数字に一致する衣装を選んでロックを解除する必要が。
ロックを解除して先に進むと、エージェントのために素敵な衣装の組み合わせをプログラムすることに。ショーの途中で着替える衣装選びのスタートだ。
エージェントのダンスを振り付けしよう
ダンスの責任者は、アン・ダーマン氏。いつも目が合うと逃げ出すエンダーマンと話をするのは少し不思議な感覚である。まずは、ダンスの振り付けを人形のポーズで指定するプログラム。どの命令がどのポーズに対応しているか、最初は全くわからない。どう試行錯誤をしたらいいだろう。
エージェントのダンスプログラムもたくさんの種類を組み合わせてつくる。なかには「キノコのマーチ」といったかわいいダンスも。
舞台セットを考えよう
舞台セットの監督は、ゾンビ(らしい)ゾム・B・ウォーカー氏。ロックを解除するには、台本3つに書かれている舞台セットをプログラムする必要が。バイオームと時間帯、天気の組み合わせを間違えると、ゾム氏が嘆き悲しみ、思わず「すまない」とつぶやくことに。
エージェントに会ったら、セット用のプログラムを組んであげよう。
4つのアクティビティをクリアして、いよいよショーがスタート!
4つのアクティビティを全てクリアすると、ショーが始まる。今までやってきた内容がどう反映されているかよく見てみよう。
一度ショーが行われると、BGMや衣装、ダンス、舞台セットをそれぞれを選んでプログラミングのやり直しが可能となる。ショーの様子を見て、直したいところがあれば、いろいろ組み替えてやってみるといいだろう。
ギャグをそろえてショーをパワーアップ
バックヤードを探索していると、モブたちがさまざまなことをしている場面に出くわすことがある。4つのアクティビティ以外に、12個も「ギャグ」が仕込まれているのだ。ギャグを発見すると、劇場の壁にポスターが1つずつ表示され、集めた数によってショーの様子が変わっていく。ギャグの元ネタが何かを想像しながらそろえてみるのも楽しい。
一通り終わったら、終了時に証明書をもらっておこう。
10周年ならではのワールドを楽しもう
教育版マイクラでプレイできるHour of Codeは、現在5種類。1つ1つをやっていくだけで、通年での活動につながるほどの内容だ。ブロックコーディングだけでなく、Pythonでも体験できるのが魅力の1つ。いろいろなところで活用してほしい。
昨年12月に開催されたプログラミングイベント「CS教育週間」に合わせて、教育者向けオンラインセミナーも開催され、リソースキットからポスターやステッカーをダウンロードできる。学校やクラブなどでの活用を期待している。
なお、マイクラ教育関係者のFacebookグループ「Minecraft Teacher's Lounge」では、世界中のユーザーが作成したショーの動画や画面キャプチャー画像が共有されている。子供たちの自慢の作品をぜひ先生方が投稿してほしい。グループ参加には簡単な質問に答える必要があるが、筆者もモデレーターをしているので日本語でも問題ない。多くの日本の先生方に、この機会に参加してほしいと考えている。
原題の「The Show must Go On」は、「ショーは続けなければならない!」といった意味になる。困難にぶつかっても、それを解決して前へ進む大切さがテーマに込められていると筆者は考える。教育版マイクラのコンテンツや活動が広がっているが、「継続して伝え続けることが大切」とあらためて思う次第だ。