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中高生の「自分軸」はいつ育つ? 対話ログ分析で見えた変化

一般社団法人アクシス発見スクールが、中高生8名の対話記録を分析した共同研究を国際学会で発表(出典:一般社団法人アクシス発見スクール、以下同じく)

一般社団法人アクシス発見スクールは、11月9日(月)から13日(金)に広島で開催される国際学会で、中学生と高校生8名の対話記録を分析した共同研究を発表すると明らかにした。

アクシス発見スクールは、中学生と高校生が全国の同年代や社会人コーチとの対話を通じて、自分の価値観や考え方を理解する「アクシス発見プログラム」を提供している。今回の研究では、同プログラムに参加した生徒の対話記録を分析し、自己理解が深まる過程を調べた。

共同研究には、早稲田大学の正司 豪氏と東京大学の鈴木啓太氏が参加した。研究成果は、量的エスノグラフィーと学習データ分析を扱う「第8回 量的エスノグラフィー国際会議(ICQE26)」の査読を経て、ポスター発表として採択されている。

研究の背景には、探究学習やキャリア教育において、生徒の成長をどのように評価するかという課題がある。学校では、最終発表やレポート、学習後のアンケートなどから成果を確認することが多い。しかし、生徒が自分の経験を振り返り、価値観や考え方を整理していく途中の過程は、最終的な成果物だけでは把握しにくい。

そこで研究チームは、対話の中で生徒がどのような内容を話し、それらがどのように結びついているかを調べた。

分析には「認識ネットワーク分析(ENA)」と呼ばれる手法を使用した。これは、会話や文章に含まれる複数の考え方のつながりを、図などで見えるようにする分析方法だ。

研究では、生徒の発言を「過去の具体的な経験」「自己の能力や特性の評価」「感情状態の言語化」「価値観や判断基準」「他者との関係や影響」「将来についての考え」「具体的な行動の選択」「自分の考えや行動を振り返ること」の8要素に分類している。

そのうえで、プログラムの進行に伴い、各要素のつながりがどのように変化するかを、数値による分析と発言内容の分析の両面から検証した。

分析の結果、自己評価・価値観・自分の考えを振り返ることの3要素が強く結びつく変化は、最終発表の段階ではなく、プログラムの中間段階で確認された。

このことから、自分の価値観や判断基準を言葉にするうえでは、発表内容をまとめる時間だけでなく、途中で自分の経験や考えを掘り下げる対話が重要な役割を果たしている可能性が示唆されたという。

また、最終段階で語られる将来の計画や目標は、中間段階で形成された自己評価や価値観などのつながりを土台として表現される傾向が確認されている。これにより、成長は単に「過去から未来へ一直線に進む」のではなく、内面で軸が構築された上で未来へ展開していくプロセスであることが示された。

研究チームは、こうした結果が探究学習やキャリア教育の評価方法を考える手がかりになるとしている。例えば、授業の最後に振り返りの時間を設けるだけでなく、活動の途中にも対話の機会を設け、生徒が自分の経験や価値観を整理できるようにすることが考えられる。

また、最終的な発表内容だけでなく、対話や記述の記録から考え方の変化を確認することや、生徒の考えが一時的に揺れ動く過程も学びの一部として捉える視点を提示している。

アクシス発見スクールにおける「アクシス(自分の軸)」の考え方

ただし、今回の研究は中高生8名の対話記録を対象とした探索的な分析であり、結果をすべての生徒に当てはめられる段階ではない。今後は分析対象を増やし、より大規模なデータによる検証を進める方針だ。

研究成果は、11月12日(木)の16時30分から18時まで実施するポスター発表で報告が行われる。