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PISA2025、日本は科学・読解・数学でOECD1位に
2026年9月10日 12:03
OECD(経済協力開発機構)は2026年9月8日、「PISA2025(OECD生徒の学習到達度調査)」の結果を公表した。あわせて、国内で調査の実施を担当する国立教育政策研究所と文部科学省が、日本の結果をまとめた資料「PISA2025のポイント」を公表した。
日本は、科学コンピテンシー、読解力、数学的リテラシーの3分野すべてでOECD加盟国中1位となった。3分野同時の1位は、調査開始以降初めて。今回初めて実施された「ラーニング・イン・デジタルワールド(LDW)」でも、今回公表分の「コンピュテーショナルな問題解決能力」がOECD加盟国中1位という結果だった。
PISAは、義務教育修了段階の15歳の生徒が、身に付けた知識や技能を実生活のさまざまな場面でどの程度活用できるかを測る国際調査。2025年調査には91カ国・地域から約76万人が参加し、日本からは全国の高等学校などの1年生を対象に、183校、約6,500人が参加した。調査は、2015年よりオンラインによるコンピュータ使用型調査(CBT)で実施されている。
①3分野の得点・順位
日本の平均得点は、科学コンピテンシーが538点、読解力が503点、数学的リテラシーが525点で、いずれもOECD加盟国中1位(全参加国・地域では科学5位、読解4位、数学5位)だった。2015年以降OECD平均は各分野で得点が低下する傾向にあるが、日本の得点はおおむね横ばいで推移している。
読解力は前回2022年の516点から503点となり、統計的に有意な低下となった。ただし設問別に見ると、比較的長い課題文(英単語400語以上に相当する日本語の文章)の設問や複数の課題文がある設問、「情報を探し出す」「理解する」に関する設問の正答率は前回と同程度で、いずれも有意に低下したOECD平均とは対照的だった。「評価し、熟考する」に関する設問の正答率にいたっては、有意に上昇している(OECD平均は有意に低下)。
一方、短い文を速く正確に読む「読みの流ちょう性」の正答率は、日本・OECD平均ともに有意に低下した。資料では、この正答率低下が日本の読解力の平均得点低下に影響している可能性を指摘している。
また、科学・読解・数学の3分野すべてで、習熟度レベル1以下(基礎的な水準に達していない生徒)の割合が前回調査より有意に増加した。一方、上位層(レベル5以上)の割合には有意な変化は見られなかった。
②初実施の「ラーニング・イン・デジタルワールド」
PISA2025では、新たな革新分野として「ラーニング・イン・デジタルワールド(LDW)」が実施された。革新分野とは、主要3分野に加えて実施される教科横断的な調査領域で、調査年ごとに内容が異なる。LDWは、ICTを活用した自律的な学習(自己調整学習)のプロセスを通して問題を解決し、その中で新しい知識を獲得する能力を測るもの。「コンピュテーショナルな問題解決能力」と「自己調整学習」の2つから構成される。
今回公表されたのはこのうち「コンピュテーショナルな問題解決能力」の結果で、プログラミングツールなどを活用して課題を分析し、解決に必要な手順や方法を考え、コンピュータで実行可能な形で構築する能力を指す。日本の平均得点は557点となり、OECD加盟国中1位(全参加国・地域では4位)だった。習熟度レベル1以下の生徒の割合は9.0%(OECD平均22.7%)と低く、レベル5以上は48.0%(OECD平均26.1%)と高い結果となった。なお、「自己調整学習」を含むLDW全体の結果は2027年に公表される予定となっている。
③学校でのICT・AI活用状況
ICT活用調査では、日本の「学校内でのデジタル・リソースの利用頻度」指標は、回答したOECD加盟国24カ国中5位、「学校外での利用頻度」は2位と、いずれもOECD平均を上回った。一方、国語・数学・理科など各教科の授業でデジタル・リソースを利用していると答えた生徒の割合は、OECD平均を下回る結果だった。なお、「生徒は、デジタル・リソースを使っているため気が散っている」という設問に「まったく、又はほとんどない」と回答した割合は、日本が74.1%で、OECD平均の39.2%を大きく上回った。
一方、学校の勉強におけるAI利用頻度については、回答したOECD加盟国38カ国中38位。調査では、ChatGPTのようなAIチャットボットを、学習を助けてもらう、文章を作成する課題の下書きをする、読まなくてはいけない文章を要約する、新しいテーマについての予備的な研究を行う、という4つの場面でどの程度利用するかを尋ねている。
また、学校の授業でAIが生成した情報の質を評価することを学ぶ機会があり、AIを学習の支援として適度に利用している生徒は、そうでない生徒と比べて科学コンピテンシーの平均得点が高い傾向が見られた。
④社会経済的な公正性
PISAでは、保護者の学歴や家庭の所有物などから算出する「社会経済文化的背景(ESCS)」指標と学力との関係も分析。日本の科学コンピテンシーの平均得点は、国内のESCS水準が「最下位25%」の生徒群で504点、「最上位25%」の生徒群で575点。両群の差は71点で、OECD平均の85点よりも有意に小さい。また、生徒の得点のばらつきをESCSが説明する度合いも7.6%(OECD平均11.6%)にとどまっており、社会経済的な背景による得点のばらつきが比較的小さい国の1つとなっている。この傾向は前回2022年調査からも一貫している。
文部科学省は今回の結果を踏まえ、端末の更新や学校のネットワーク環境の改善、生成AIの適切な利活用に向けたガイドラインの改定などを進める方針を示している。次期学習指導要領に向けた中央教育審議会の検討では、情報活用能力の抜本的向上に向け、小学校・総合的な探究の時間での「情報の領域」の付加、中学校での「情報・技術科」の新設、高校「情報科」の充実などが挙げられている。
ただし、これらはいずれも現時点での方針や検討課題として示されているものであり、実施の詳細や時期は今後の議論を踏まえて決まっていくものとみられる。



























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