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みんなのコード、次期学習指導要領の「情報活用能力向上」に提言を発表
2025年9月25日 12:03
特定非営利活動法人みんなのコードは、次期学習指導要領の改訂や方向性を検討する中央教育審議会 教育課程企画特別部会の情報・技術ワーキンググループに向けた提言を2025年9月24日に発表した。
今回の提言は、2024年12月に文部科学大臣が中央教育審議会に対して行った諮問と、2025年9月の特別部会による論点整理案を踏まえたものである。論点整理案では、小学校における「情報の領域(仮称)」や、中学校における「情報・技術科(仮称)」の新設などが示されており、今後、情報・技術ワーキンググループで詳細を検討する予定だ。
提言では、従来の「大人がつくらせたいものづくり」から「子供が本当につくりたいものづくり」へと転換する必要性を指摘。情報技術を自らの道具として活用する信念を育むために欠かせない視点として、子供の好奇心に基づいた体験の重要性を強調している。
生成AIなどの新技術に関しては、リスクのみに着目するのではなく、活用の可能性を視野に入れたAIリテラシーの明確な定義と、段階的な学習内容の整理が必要であるとしている。さらに、「学習指導要領そのものも、技術の進展に柔軟に対応できるよう、タイムリーに改訂すべき」とした。
多様性の観点では、すべての子供が創造性を発揮できる環境を整えるため、教材や活動例に多様な児童生徒像を反映させる工夫のほか、教科書作成に多様な専門性を持つ人材の関与を提案。例えば、ジェンダーバランスを女性委員だけが検討する、もしくは研修参加者が男性に偏るなど、一部の参加者に多様性の課題を託さないことを想定している。
みんなのコードは、「子供がつくりたいものをつくっている姿」や「多様性包摂・DE&Iに関する調査例」「卒業時に身に付けたい資質・能力を育む例」についてAppendixで明示。情報活用能力の向上に向けた良い指導要領の議論がなされることを期待し、議論に協力する方針だ。