ニュース

日本語指導を「先生の経験頼み」にしない、荒川第九中が授業モデルを構築

荒川区立第九中学校 夜間学級での日本語授業の様子(出典:株式会社すららネット、以下同じく)

株式会社すららネットは、同社が提供する日本語学習ICT教材「すらら にほんご」を活用し、一斉授業、テキスト演習・対話活動、ICT教材による個別学習を組み合わせた授業モデルを体系化した荒川区立第九中学校 夜間学級の事例を2026年9月8日に公表した。

荒川区立第九中学校 夜間学級では、日本語指導を担当する教員ごとの経験や知識に頼りすぎない授業づくりを進めている。日本語テキストと「すらら にほんご」の学習内容を対応させた授業計画を作り、授業で扱う内容や学ぶ順番を教員間で共有する仕組みを整えている。

夜間中学では、生徒によって日本語力や母語、これまでの学習経験、日本に来た時期などが異なる。荒川区立第九中学校夜間学級は、こうした違いに対応しながら、担当する教員が変わっても授業を組み立てやすくするため、基本となる授業の流れを体系化した。

45分の授業は3つのブロックで構成。最初の20分は一斉授業で、「すらら にほんご」のレクチャー機能を使いながら日本語テキストの基礎内容を全員で学ぶ。続く15分はテキストによる演習と対話活動に取り組み、学んだ日本語を実際に使う。教員が生徒同士の対話を促し、必要に応じてサポートするコーチ・モデレーターとして関わるのが特徴だ。

最後の10分は「すらら にほんご」のドリルやテストで個別学習を行い、理解度に応じて内容の定着を図る。

45分の授業を「一斉授業」「テキスト演習&対話活動」「ドリル&テスト」で構成

ICT教材による個別学習では、生徒がそれぞれの理解度やペースで学べるほか、教員は学習結果を確認して次の指導につなげる。採点や学習履歴の確認をICT教材が担うことで、生徒への声かけや補足説明、教材の工夫などに時間を使いやすくする狙いもある。

授業計画を共有する一方、すべての教員が同じ授業を行う形にはしていない。生徒の理解度や状況に合わせた説明や声かけ、教材の使い方などは、それぞれの教員が工夫する。授業づくりの土台を共有しつつ、一人ひとりに応じた指導の両立を目指す形だ。

荒川区立第九中学校 夜間学級 教諭 歳納隼人氏

荒川区立第九中学校 夜間学級 教諭の歳納隼人氏は、「ICT教材を導入するだけで授業が良くなるわけではない。大切なのは、授業の中で何をインプットし、どのように実際の対話につなげ、どう定着させるかである。授業の基本となる流れが共有されていれば、教員は毎回一から授業を組み立てるのではなく、生徒の様子を見ながら声をかけたり、理解度に応じて説明したり、教材を工夫したりすることに時間を使える」とコメントしている。

「すらら にほんご」は、日本語を学ぶ外国人向けのICT教材で、日本語能力試験のN5、N4、N3レベルに対応する。2026年7月には対応言語を14言語に拡大した。学校の児童生徒のほか、日本語学校や海外の教育機関などでも利用されており、2025年から全国の夜間中学を中心に活用が広がっている。

日本語学習ICT教材「すらら にほんご」