【連載】EducAItion Times

クイズも図鑑も10分で完成、日本語で頼むだけ 親子で始めるChatGPT「Codex」入門

EducAItion Timesは、「大人のきぼう こどもの未来」をテーマに、生成AIの活用情報をお届けします。本連載は、生成AIコミュニティ「IKIGAI lab.」のメンバー8名が運営するもので、子供たちの好奇心を刺激する、新たな学びの提供をめざしています。

ChatGPTに「〇〇について教えて」と聞くと、答えが文章で返ってきます。では、ChatGPTに「動くもの」をつくってもらえることはご存知ですか?

それを実現してくれるのが、ChatGPTで使える「 Codex(コーデックス) 」です。簡単にいえば、 パソコン上でものづくりを手伝ってくれるAI です。

たとえば、「子供と遊べる三択クイズを作って」「家族で使えるお手伝いポイント表を作って」「旅行の持ち物をチェックできるツールが欲しい」など、「こんなものが欲しい」と文章で伝えると、その内容に合わせてプログラムを書いたり、必要なファイルを作ったりしてくれます。

今回は、我が家で実際に試して「これは家族で楽しめる!」と感じた使い方を3つ紹介します。プログラミングの知識は必要ありません。

こんなゲームも、プログラミングなしで作れる

「こんなものが欲しい」を形にしてくれるCodex

「パソコン上でものづくりを手伝ってくれるAI」と聞くと、プログラミングの知識が必要な、エンジニア向けの難しいツールを想像するかもしれません。

たしかにCodexは、もともとプログラミングを支援するAIです。しかし現在は、自分でコードを書けなくても、「こんなものを作りたい」「こう動くようにしたい」と文章で伝えながら、ものづくりを進めることができます。

たとえば、「こういうツールが欲しい」と日本語で伝えると、Codexがその内容を理解して、裏側で必要なコードを書き、ファイルを作ってくれます。

作ったものは、パソコン上で実際に動かすこともできます。ボタンを押すと表示が変わる、入力した内容を記録する、クイズに答えると正誤が表示される。そんな「動き」のあるツールも、会話しながら作っていけるのです。

Codexは「コードを書く人のための道具」から、「やりたいことを文章で伝えると形にしてくれる道具」へと変わってきています。

Codexを使ってみよう

早速、Codexを使ってみましょう。この記事は、パソコンに ChatGPTのデスクトップアプリ をインストール済みの前提で進めます。まだの方は、chatgpt.comからMac版またはWindows版を入れておいてください。なお、スマホアプリだけでは完結しないため、パソコンが必要です。

1. 「Codex」に切り替える
アプリの画面左上のメニューをクリックすると、「ChatGPT」「Codex」の2つが並んでいます。ここで「Codex」を選びます。

ここに「Codex」が見当たらない場合、アプリが古い可能性があります。2026年7月9日のアップデートで、従来のアプリは「ChatGPT Classic」という名前に変わりました。心当たりがあれば、新しいデスクトップアプリを入れ直してください。

左上メニューから「Codex」を選択

2. 作業フォルダを作って選ぶ
Codexは「どのフォルダで作業するか」を最初に聞いてきます。ここでいきなり書類フォルダやデスクトップ全体を選びたくなるのですが、ぐっとこらえてください。 専用のフォルダを新しく作るのが鉄則 です。

デスクトップ上で右クリック→「新規フォルダ」を選び、「かぞくツール」など分かりやすい名前を付けます。そのうえでCodexの画面で「フォルダを開く」を押し、いま作ったフォルダを選択します。

このフォルダが「 Codexが触ってよい範囲 」になります。関係ないファイルが入っていない空のフォルダにしておけば、大事な書類を勝手に書き換えられる心配がありません。ひと手間ですが、この安心感は大きいです。

作業フォルダの選択画面。「新しいプロジェクト」を選んだら、Codexが読み込み・編集できるフォルダを追加しよう

3. 入力欄に日本語で伝える
画面下部の入力欄に、作りたいものを日本語で書いてEnterを押します。ここから先が本番です。

ちなみに、アプリのボタン名や画面配置はアップデートでよく変わります。この記事の表記と違っていても慌てないでください。「モードの切り替え」「フォルダの選択」「入力欄」の3つさえ探せば、だいたいたどり着けます。

●なぜ、最初に専用フォルダをつくるの?安全のために「承認」の仕組みを理解しよう

Codexは、指定したフォルダの中にファイルを作ったり、書き換えたりしながら作業します。デスクトップ全体や書類フォルダなどを作業場所にすると、仕事の書類や家族の写真など、関係のないファイルまでCodexが触れる範囲に入ってしまいます

そこで、「かぞくツール」のような専用フォルダを作り、Codexが作業する範囲を限定しておくのがポイントです。

もうひとつ覚えておきたいのが「承認」です。Codexが作業フォルダの外にあるファイルへのアクセスや、インターネットへの接続などをしようとすると、「実行してよいですか?」と確認を求めてくることがあります。

家族でツールを作る用途なら、基本は「承認を求める」で十分です。承認画面が出たら、以下の3点を確認しましょう。
・見覚えのない場所を触ろうとしていないか
・何かをインストールしようとしていないか
・インターネットに接続しようとしていないか
判断に迷ったら承認せず、「なぜそれが必要なの?」とCodexに聞いてみましょう。「今後は確認しない」「すべて許可」といった選択肢は避け、承認の判断は必ず大人が行います。
Codexの承認方法は3種類
「承認を求める」は外部ファイルの編集やインターネット利用などで確認を求める設定
「代理で承認」は安全でない可能性がある操作のみ確認
「フルアクセス」はインターネットやPC上のすべてのファイルへのアクセスを許可する

作例① 「今日なにする?」ルーレットをつくる

休日の朝、「今日どうする?」と話しているうちに、なかなか予定が決まらない。我が家ではおなじみの光景です。そこで、家族でやりたいことを登録し、ボタンひとつで今日の予定を決めるルーレットを作りました。

▼Codexへの依頼文(そのままコピーして使えます)
「公園に行く」「お菓子をつくる」「ボードゲームをする」から、ランダムに1つ選ぶルーレットをつくって。 明るく楽しいデザインにして。 index.html という名前の1つのファイルにまとめて、ダブルクリックすればブラウザで動くようにして。

最後の1文がポイントです。「1つのファイルにまとめて」と指定しておくと、完成したものを保存・管理したり、家族や友人に渡したりするのが簡単になります。さらに、「ダブルクリックすればブラウザで動くようにして」と伝えておけば、専用のツールを入れたり、難しい設定をしたりせず、そのまま使える形で作ってもらえます。

【操作の流れ】
①上の依頼文を入力欄に貼り付けてEnterを押す
②1〜2分待つと「完了しました」といった表示が出る
③「index.htmlを開く」をクリックするとCodex上でアプリを実行することができる
④「かぞくツール」フォルダを開くと、index.html というファイルができている
⑤ファイルをダブルクリックすると、ブラウザ上でアプリを実行

はじめて自分で作ったアプリの画面が出てきたときは、大人のほうが「おおっ」と声が出ます。一方で、実際に回してみると、「文字が小さい」「同じのばっかり出る」など直したいところが出てきます。そんなときも、自分でプログラムを修正する必要はありません。「選択肢の文字をもっと大きくして」「1回選ばれた候補は、次は選ばれにくくして」など、Codexにそのまま伝えればOKです。

Codexが同じファイルを書き換えてくれるので、あとはブラウザに戻って再読み込み(Windowsは Ctrl+R、Macは ⌘+R)すれば最新版になります。

ポイントは、候補を考えるのは子供、入力するのは保護者という分担にすること。「何を入れる?」と聞くと、大人からは絶対に出てこない選択肢が飛び出してきます。我が家では「おかあさんのものまね大会」が候補に入りました。

作例② オリジナルの「生きもの図鑑」をつくる

次は、見つけた虫や花、飼っている生きものを記録できる、家族だけの「生きもの図鑑」を作ってみましょう。記録するのは、生きものの名前や見つけた日、場所、特徴など。写真も一緒に登録しておけば、 自分たちが実際に出会った生きものだけが並ぶオリジナル図鑑 になります。

▼Codexへの依頼文(そのままコピーして使えます)
生きものの名前、見つけた日、場所、特徴を記録できる図鑑をつくって。 生きものごとにカード形式で表示して。 入力した内容がパソコンに保存されて、次に開いたときも消えないようにして。 写真も1枚ずつ登録できるようにして。 index2.html という1つのファイルにまとめて。

作り方の流れは、作例①のルーレットと同じです。完成したら index2.html をダブルクリックし、「追加」ボタンから実際に生きものを登録してみましょう。

カード形式で並んだ記録

最初の1件を入れたら、いったんブラウザを閉じて開き直してください。「保存されるようにして」と伝えても、うまく動いていないことがあります。子供が張り切って10件入力したあとに全部消えていた、という事故は避けたいところです。もし消えていたら「入力した内容が保存されていません。次に開いても残るように直して」と伝えれば修正してくれます。

このツールが良いのは、記録するときに「どう書くか」を自分で考えなければならない点です。「羽が透明で、飛ぶとキラキラする」など、観察したことを自分の言葉でまとめる場面が、自然に生まれます。「写真を撮って終わり」にならないのがミソです。

なお、生きものの名前をAIに判定させるのは避けたほうが無難です。似た種の見分けは専門家でも難しく、AIも間違えます。名前は図鑑や専門サイトで確認し、Codexで作るのは「記録する箱」と考えるのがおすすめです。

作例③ 家族の防災クイズをつくる

地震や大雨が起きたとき、家族でどう行動するか。大切だと分かっていても、あらためて家族で話し合う機会をつくるのは、なかなか難しいものです。そこで、家族で遊べる「防災クイズ」にしてみましょう。

▼Codexへの依頼文(そのままコピーして使えます)
小学生と保護者が一緒に遊べる防災クイズを5問つくって。 三択で、答えを選ぶと正解・不正解がすぐ分かるようにして。 答えた後に、正しい行動を分かりやすく説明して。 最後に何問正解したかを表示して。 index3.html という1つのファイルにまとめて。

作り方はこれまでと同じです。完成したら、まずは 保護者が問題と解説の内容を確認してから 、子供と一緒に挑戦してみましょう。クイズ形式にすると、「なんで?」という質問が子供から出てきます。この「なんで?」こそが、いちばん記憶に残る学びだと感じています。

クイズの出題画面

そして、ここからが本題です。AIが作るのは、あくまで一般論のクイズです。これをそのまま使って終わるのではなく、 自分たちの避難場所や連絡方法など、家庭の事情に合わせた問題に変えてみましょう。

▼ 依頼文(そのままコピーして使えます)
避難場所の問題を、次の内容に差し替えて。 「地震のとき、家族が集まる場所は?」 選択肢は「〇〇小学校の体育館」「〇〇公園」「〇〇コミュニティセンター」で、正解は「〇〇小学校の体育館」。 解説には「まず〇〇に集まって、いなければ〇〇に移動する」と入れて。

避難場所はどこか、離れているときの連絡方法はどうするか、学校にいるときはどうするか。家族で話し合い、決まった内容に差し替えていく。お気づきかと思いますが、この差し替え作業そのものが、実は一番の防災訓練です。クイズを作るという口実があると、重い話も不思議と進みます。

差し替え後の問題。自分の避難場所が選択肢に入っている

なお、防災情報は、自治体のハザードマップや配布資料など公的な情報が正解です。AIが作った解説をそのまま信じず、必ず確認したうえで使ってください。

うまくいかないときと、家族で使うときの注意点

Codexを使っていてうまくいかないときも、慌てなくて大丈夫です。ファイルがどこにあるか分からなければ、「作ったファイルの場所を教えて」と聞けば答えてくれます。また、途中で止まったら「続けて」とCodexに伝えてみましょう。それでもうまくいかない場合は、最初の依頼文から作り直したほうが早いこともあります。

HTMLファイルをダブルクリックしても開かない場合は、右クリックして「プログラムから開く」からChromeやEdgeなどのブラウザを選びましょう。

また、 子供と一緒に使う場合は年齢制限にも注意が必要です 。 ChatGPTは13歳未満の子供向けには提供されておらず、13〜18歳の利用には保護者の同意が必要です。そのため、小学生などと楽しむ場合は、アプリの操作や入力、承認の判断は保護者が行い、子供は「何を作りたいか」を考えたり、できたものを試して「ここを直したい」とアイデアを出したりする役割にするとよいでしょう。

「作ってもらう」から「一緒に作る」へ

今回紹介した3つは、どれも10分程度でできる小さなツールです。それでも、子供が「こういうのが欲しい」と考えたものが、その場で形になり、実際に動かせる。この体験の価値は大きいと感じています。「不便だな」と思ったことは、誰かが解決してくれるのを待つのではなく、自分で作って解決できる、その感覚が身につくからです。

以前は、そこにプログラミングという高い壁がありました。今は、日本語で希望を伝えるところから始められます。思った通りに動かなければ、「どう言えば伝わるかな」と親子で考えて、また直してみる。完成したものだけでなく、一緒に試行錯誤する時間も、Codexでものづくりをする楽しさなのだと思います。

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IKIGAI lab.

140名のメンバーが所属する生成AIコミュニティ。監修:髙橋和馬・田中悠介。編集:新谷信敬。

近藤 憲治

株式会社ButterflyBase 代表取締役。愛知県名古屋市出身。上場企業でシステムエンジニアとして20年。自動車エンジンシミュレーター、生産管理システム、そして医療システムの開発。品質基準の厳しい現場で技術を磨き40歳で独立。これまでの開発経験を土台にシステム開発・AX/DX導入を事業の軸に据える。親子向けワークショップの企画・運営にも取り組み、現場で培った技術を教育へと橋渡しする。