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深谷市の「こどもふっかパーク」、8つの感性に働きかけるインクルーシブ空間を設計

「こどもふっかパーク(深谷市こども館)」の「アソビバ(プレイホール)」

株式会社岡部は、2026年4月に埼玉県深谷市にオープンした屋内遊戯施設「こどもふっかパーク(深谷市こども館)」において、1階「わんぱくアリーナ(体育室)」の一部および2階「アソビバ(プレイホール)」に、遊び空間を設計・施工した。

この遊び空間は、年齢や障害の有無に関わらず誰もが楽しめるインクルーシブな空間であることに加え、多重知能理論の考え方を取り入れ、子供の多様な成長を支える遊び場として設計・施工されている。

単に身体を動かすための遊具を設置するのではなく、遊具・遊び場づくりの専門家が子供たち一人ひとりの「好き!」「楽しい!」を大切に考え、多重知能理論に基づき、空間全体を設計している点が特徴だ。多重知能理論を専門とする金沢大学 融合研究域 融合科学系 講師 有賀三夏氏と連携し、理論的知見を空間設計に反映している。

多重知能理論は、米国の心理学者ハワード・ガードナー氏の提唱による。知能を単一の能力として捉えるのではなく、「言語的知能」「論理・数学的知能」「身体的知能」「音楽的知能」「空間的知能」「対人的知能」「博物学的知能」「内省的知能」など、複数の知的特性がそれぞれ独立して存在し、その組み合わせが一人ひとりの個性を作っているという考え方だ。

今回の遊び空間では、多重知能理論の考え方をもとに、「運動が好き」「みんなで遊ぶことが好き」「空想することが好き」といった子供それぞれの「好き」を分類し、子供の感性を8つの特性として位置付けている。これら8つの特性がどのような遊具と結びつくのかを検討し、それぞれの知能がバランスよく育まれるよう本遊び空間を整備した。

各遊具が子供のどのような知的特性に働きかけるのかを分類し、身体を動かす遊具、創造力を刺激する遊具、協調性を促す遊具など、それぞれが異なる知能にアプローチしている。「アソビバ(プレイホール)」では、子供の個性を伸ばし、今まで気づいていなかった感性を発見することができる。

以下は、その例だ。

●天空ネット/ファームトランポリン/みんなのネット
立体的に張り巡らされたネット遊具は、身体を使って登る・くぐる・跳ねるといった動きを通じて、身体的知能を刺激する。また、高低差や構造を把握しながら移動することで、空間的知能にも働きかける。さらに、「みんなのネット」は車椅子の子供も利用できる設計としており、天空ネットの揺れや振動を通じて他者の存在を感じ合い、ともに遊ぶ体験を生み出すという。

天空ネット
ファームトランポリン
みんなのネット

●オトの谷
音やリズムを体験できる「オトの谷」では、音楽的知能を中心に子供の感性や表現力を刺激する。単に音が出るだけでなく、施設の奥で奏でた音が空間全体に響き渡るよう設計されている。音の広がりや響きを体感することで、音への気づきや空間認識の発達にもつながる。

オトの谷

●ごっこひろば
ごっこひろばでは、役割を決めて遊ぶ中で言語的知能や対人的知能に働きかける。相手の気持ちを想像しながらコミュニケーションを取る経験は、社会性や協調性の発達にもつながるという。

ブロッコリーやネギを引き抜く「収穫体験」は、地域の特産物への関心を高めるとともに、野菜の数を数えたり色や形で仲間分けしたりする活動が論理・数学的知能を刺激する。さらに、野菜のかたちや特徴を観察し、自然の事物への気づきや分類する力を育む博物学的知能にも働きかける。こうした体験全体が、子供の探究心を育む仕掛けだ。

ごっこひろば