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マイクラ作品が地域防災の学びに、全国大会で見えた子供たちの可能性
――「第7回Minecraftカップ」全国大会・表彰式レポート
2026年4月8日 06:30
教育版マインクラフトで子供たちが社会課題に挑む「第7回Minecraftカップ」のまちづくり部門全国大会と表彰式が、2025年2月15日に東京大学大学院 情報学環・福武ホールで開催された。
今大会のテーマは、「 未曾有の災害から人類の命をまもれ! レジリエンスを備えたまちづくり 」。子供たちの作品には、命を守る備えだけでなく、人々が笑顔で暮らすまちの姿が、生き生きと表現されていた。
本稿では、まちづくり部門「最優秀賞」小学生編成・中高生編成と「こどもとIT」賞を受賞したチームの紹介を中心に、大会の模様をレポートしよう。
■子供が考えるレジリエンスとは? 未来のまちを描く「まちづくり部門」
・最優秀賞(小学生編成)イカバルーン「まちを元気に! まもりガメ」
・最優秀賞(中高生編成)おもいでひがしうら「未来和郷 東浦〜共創・共楽・共復のまち〜」
・こどもとIT インプレス賞 成澤順太・瑛太「Central Ring City『人々の安心』と『日常に溶け込む防災対策』」
■Minecraftカップの経験が導いた、デジタルものづくりのその先
■目指すはデジタルモノづくりの甲子園、次大会はさらに規模を拡大
子供が考えるレジリエンスとは? 未来のまちを描く「まちづくり部門」
第7回Minecraftカップでは「まちづくり部門」「たてもの部門」の2部門で作品を募集し、全国・海外14ブロックから、2部門合わせて836作品の応募が寄せられた。「まちづくり部門」のテーマは「 レジリエンスを備えたまちをつくろう 」。予選と地区大会を経て、28チーム総勢199名の小中高生がファイナリストとして全国大会に進出した。
全国大会では、各チームが4分間の発表を行う。最初の1分間で紹介動画を上映し、続く2分間で作品をアピール。その後、審査員による質疑応答へと進む。審査は、構想力・調査力・技術力・計画遂行力・テーマ性・表現力という6つの観点から行われる。
審査員には、タツナミシュウイチ氏をはじめ、建築やまちづくり、防災や復興の視点から現実の地域課題に向き合う有識者がそろった。能登半島地震の被災地支援にも携わる株式会社Mutubi 代表取締役の加藤愛梨氏は、子供たちに「 100年後の未来を見据え、次の災害にも備えるという視点 で物事を考える仲間がまだまだ足りていない」と語り、「マイクラのワールドを超えて、一緒にまちづくりをしてほしい」とメッセージを送った。
最優秀賞(小学生編成)イカバルーン「まちを元気に! まもりガメ」
小学生編成の最優秀賞に選ばれたのは、小学2年生コンビ「イカバルーン」だ。服部はるさんの祖母お手製という、おそろいのカメ帽子で登壇した2人が発表したのは、被災した人たちを元気にする カメの島「まもりガメ」 。
「 笑顔が一番のレジリエンス 」という発想から、楽しく過ごせるまちを形にした。島全体をカメで表現するテーマ性の強さや、遊び心あふれるワールドも評価され、「まじめに ふまじめ!? 楽しんで作った ポプラ社賞」とのダブル受賞となっている。
モチーフにカメを選んだ理由について、「甲羅が頑丈、足が太くて倒れにくい。長生きで、いざとなれば泳いで逃げること」と答えた2人。「備える」「守る」「支える」の観点で、レジリエンスを備えたまちを表現した。
島内には、避難訓練所や災害対策本部などの「そなえガメ」、レスキューカメや避難ホテルなどの「まもるカメ」、リサイクルセンターや海水を飲み水にする施設などの「ささえるカメ」といった防災・生活基盤が充実している。さらに、メリーゴーランドやジェットコースター、盆踊り会場、謎解き部屋といった「笑顔と元気カメ」も配置され、被災した人々が心から笑顔になれるまちを創り上げた。
制作にあたり、2人は有明の防災体験学習施設「そなエリア東京」を訪問。首都直下地震の発生から避難までを体験し、「 怖かったけれど、その経験をまちづくりに生かした 」と語る。また、図書館で防災の専門書を読み込んだり、インターネットで建築構造を調べたりと、低学年ながら徹底したリサーチを行った。
技術面では、レッドストーンやコマンドブロックを駆使して作られた回転寿司や盆踊り装置などの楽しいギミックにも挑戦。「次はもっと難しい技術に挑戦したい」と意欲を見せた。
発表では、 ワールドを再現したダンボール模型 も使いながら、「Come on!!!(カメー!!!)」のかけ声を交えて元気いっぱいに作品を紹介した「イカバルーン」の2人。「表現したい」という思いが真っすぐ伝わるプレゼンとなった。
審査員長のタツナミシュウイチ氏は、「プレゼンテーション資料からも多くのことを学んでいる様子が感じられた。動画やワールドでコツコツ作っている様子や、リアルでダンボールの模型を作って楽しく人に伝えてくれた素晴らしいプレゼンテーションだった」と講評し、探究心と表現力を高く評価している。表彰式後、2人に今後の目標について聞くと「マインクラフトカップを2連覇してみたいです」と、頼もしい笑顔を見せてくれた。
最優秀賞(中高生編成)おもいでひがしうら「未来和郷 東浦〜共創・共楽・共復のまち〜」
中高生編成の最優秀賞に選ばれたのは、東海ブロックのチーム「おもいでひがしうら」。プログラミング教室で出会った小中学生8名が、「 防災・復興意識の全住民への浸透 」と「 減災技術が備わったまち 」を柱に、地元・東浦町(愛知県)の未来像を地元愛たっぷりに表現した。
チームの最年長・中学1年生の小林奏太さんは、制作前に名古屋大学減災館の講義を受講。南海トラフ地震による甚大な被害が懸念される背景に防災意識の低さがあると知り、強い衝撃を受けたという。
この経験から生まれたのが、地震・津波・火災のシミュレーションを体験できる「バーチャル災害体験施設」だ。
「リアルさの表現に苦労した」と振り返る小林さん。コマンドブロックやストラクチャーブロックを駆使し、音や動きにこだわり抜いた。「 去年できなかったことができたときはうれしかった 」と語る。調査に時間をかける分制作が遅れることもあったが、MakeCodeやタスク管理表を活用して役割分担しながら完成を目指したという。
チームは東浦町役場も訪問し、まちの魅力や課題について議論を重ねている。災害時のトイレ問題を知ったメンバーはコンテナトイレを作品に反映させたほか、ボランティア活動を通じて実感した高齢者避難の難しさから、 住民同士の助け合いの大切さ も表現した。
マイクラの世界を飛び出し、現実世界への意識啓発にまで踏み込んだ 同チームのアプローチについて、東京大学 大学院情報学環 教授の渡邉英徳氏は「今大会でひときわ際立っていた視点だ」と講評で高く評価。「このワールドをプレイすることが地域の防災教育に役立つ」と述べ、「これからも地元を愛して、道を切り開いてほしい」とエールを送った。
レジリエンスというテーマと真剣に向き合い、最優秀賞に輝いたチーム・おもいでひがしうら。最年長のひとり、濵口朔太郎さんは「マインクラフトが大好きなので、 テーマに対してどこまで形にできるか挑戦するのが楽しい 」と笑顔で語った。今後の目標については「得意なプログラミングを生かして、地元のまちづくりに貢献したい」と、マイクラでの学びを現実社会へ還元する力強い決意を見せてくれた。
こどもとIT インプレス賞 成澤順太・瑛太「Central Ring City『人々の安心』と『日常に溶け込む防災対策』」
高い芸術性と熱い建築魂を感じさせる作品に贈る「こどもとIT インプレス賞」を受賞したのは、高校1年生の兄弟チーム「成澤順太・瑛太」。小学4年生の頃からともにマインクラフトに取り組み、数々のコンテストに挑戦してきた2人だ。
作品のコンセプトは「 防災施設と日常生活の一体化 」。海沿いのカフェが津波避難タワーに、地下鉄は有事にシェルターへ転用できる設計とし、防災を日常の暮らしに自然に溶け込ませた。被災者の心の支えとなるランドマーク「Central Beacon」を中心に、美しいまちが円形に広がる。
建築好きで、実際にさまざまな場所へ足を運んで調べることを欠かさない順太さんと、Google Earthなどを参考にマイクラ上で建築物を精巧に再現することを得意とする瑛太さん。2人の作品には、それぞれの強みを生かしつつ、大阪・関西万博の「大屋根リング」から着想を得た「 1つの建物に複数の役割を持たせる 」という考え方が息づいている。
質疑応答では、タツナミ氏が、「防災というテーマは堅くなりがちだが、普段と変わらない暮らしを維持しながらいざというときに備えるという視点が素晴らしい」と評価。さらに、さまざまなアプリケーションや技術を駆使してイメージを膨らませる技術力の高さにも注目した。
「 AIはまるで友だち 」と語る瑛太さん。普段から、AIツールを用途に応じて使い分けており、ワールドの円形のスタジアムや環状道路はChatGPTやGeminiなどを活用して制作。教育版マインクラフトでは「WorldEdit」のような建築支援ツールが使えないため、AIにPythonコードを出力させて形を実装するという独自の方法で効率化を図ったという。
さらに、大規模な建築ならではの制約にも直面した。ストラクチャーブロックが64×64ブロックまでしか扱えないため、巨大な橋やスタジアムを制作する際には構造物を4分割し、座標を用いて立体的に再構築することで乗り越えた。こうした工夫が、作品の随所に見られた。
自分たちが思い描くまちを正確に表現するには全体像の把握が不可欠と考え、3Dモデリングソフト「 Blender 」にマインクラフトのデータを取り込むことで、描画距離の制限を超えてまち全体を俯瞰できるようにした。
制作を通じて、動画や画像としての見栄えも含めた作品の美しさを追求し続けた2人。副賞として マーケットプレイスへの挑戦権 も授与されており、2人が培ってきた建築へのこだわりが次はどのような形で表現されるのか、今後の展開にも注目したい。
Minecraftカップの経験が導いた、デジタルものづくりのその先
Minecraftカップは、これまで子供たちのデジタルものづくりを後押ししながら、学びの輪を全国へ広げてきた。表彰式に先立ち行われた特別トークセッション「 Minecraftカップの魅力や可能性を語ろう! 」では、その歩みと可能性を改めて語り合う場となった。
セッションには、地域で子供たちの創作を支えるCoderDojoの運営者に加え、大会経験者の得丸創生さんと、マイクラをきっかけにプロのクリエイターとして活躍する加藤 陸さんが登壇した。
得丸さんは第3回大会「インプレスこどもとIT賞」の受賞者。受賞をきっかけにソフトウェア開発への関心を深め、18歳以下の若手クリエーターを支援する「 未踏ジュニア 」では特に顕著な成果を上げた参加者に贈られる「スーパークリエイター」に認定された。
セッションでは「作品を作り、人に見てもらい、世に出す経験が、今のものづくりの原点になっている」と振り返った。
鹿児島県南九州市頴娃町で育った加藤さんは、マインクラフトをきっかけに創作の幅を広げ、インターネットで作品を発信しながら広い世界とつながってきたクリエーターだ。
加藤さんは「 マインクラフトが社会とつながる入口だった 」と振り返り、その経験が現在のCG・映像制作の仕事や起業につながっていると語っている。
マイクラから始まった学びが、それぞれの夢へとつながっていく。そんな子供たちがこれからも増え続けてほしい。
目指すはデジタルものづくりの甲子園、次大会はさらに規模を拡大
第7回の余韻も冷めやらぬなか、早くも第8回大会の開催が決定。2026年4月1日からエントリーの受付を開始している。
第8回大会のテーマは、「 みんなが輝く!β世代の未来のまち〜人口・年齢のバランスが変わる社会をどう生きる?〜 」。作品の応募期間は、6月1日(月)から9月7日(月)の17時まで。全国大会・表彰式は、2027年2月14日(日)に東京大学で開催予定だ。
「第8回マイクラカップ」では「 地域を舞台にしたデジタルものづくりを広げること 」を目標に地区ブロック数を拡大した。10の都府県が新たに独立したブロックとなり、全国24ブロック(国内23+海外1)で作品を募集。国内は全国23箇所で地区大会を現地開催する。
「誰もが挑戦できる場」として広がり続けるマイクラカップ。挑戦したいけれどハードルが高いと感じている親子がいたら、ぜひ事務局主催のワークショップに足を運んでみてほしい。














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