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中学・高校の教員1,400人に調査、9割が仕事の大変さを実感

菅公学生服株式会社が「学校教育現場の課題」の調査データを公開(出典:菅公学生服株式会社、以下同じく)

菅公学生服株式会社(以下、カンコー学生服)は、毎月最終火曜日に結果を発信している調査レポート「カンコーホームルーム」Vol.238にて、「学校教育現場の課題」の調査データを公開した。

全国の中学・高校の教員1,400人(中学校653人、高校747人)を対象に、教師の仕事へのやりがいと大変さ、仕事の負担や困り事、学校教育現場の課題について調査した。調査方法はインターネットリサーチで、実施時期は2025年7月。

教員の多くが強いやりがいを感じている一方で、業務量の多さや保護者対応、生徒指導など多岐にわたる負担により、教員の9割以上が仕事の大変さを実感していることがわかった。

・教員の8割以上が教師の仕事にやりがいを感じている一方で、大変だと感じている教員は9割超
教師という仕事へのやりがいについては、「とても感じている」(全体38.2%、中学校39.7%、高校36.9%)と「やや感じている」(全体44.3%、中学校44.1%、高校44.4%)を合わせると、中学・高校の教員の8割以上が、教師という仕事にやりがいを感じていると回答した。

一方、仕事を大変だと感じる頻度については、「よくある」(全体63.4%、中学校67.8%、高校59.6%)という結果で、中学校では7割近くにのぼった。さらに「たまにある」(全体32.4%、中学校28.9%、高校35.5%)という回答を合わせると、中学・高校の教員ともに、教師の仕事を大変だと感じている割合が9割を超えている。

Q. 現在、あなたは教師という仕事に、やりがいを感じていますか。また、教師という仕事について、大変だと感じることはありますか(単数回答)

・教員の負担や困り事は「業務量が多い・多忙」「保護者・PTAの対応」「生徒間のトラブル・いじめ」
中学・高校の教員が困っていることや負担に感じている点としては、「業務量が多い・多忙」(全体60.3%、中学校65.5%、高校55.7%)が最も多くあげられた。

次いで、「保護者・PTAの対応」(全体52.5%、中学校59.7%、高校46.2%)、「生徒間のトラブル・いじめ」(全体44.6%、中学校51.0%、高校39.0%)、「生徒の生活指導」(全体36.1%、中学校37.8%、高校34.5%)、「部活動・クラブ活動の顧問」(全体35.6%、中学校40.9%、高校31.1%)、「事務・報告書作成」(全体33.7%、中学校36.9%、高校30.9%)など、多岐にわたる。

Q. あなた自身が教師という仕事をする上で、困っていることや負担に感じていることは、どのようなことですか(複数回答)

・学校教育現場の課題は「教員の長時間労働と多忙化」が最多、不登校の増加や保護者からの苦情も上位に
中学・高校の教員が考える学校教育の課題としては、「教員の長時間労働と多忙化」(全体61.1%、中学校63.6%、高校58.9%)が最多となっている。

続いて、「不登校生徒の増加」(全体48.0%、中学校55.6%、高校41.4%)、「保護者からの過剰な苦情」(全体47.9%、中学校53.1%、高校43.2%)、「教員のメンタルヘルス問題」(全体43.3%、中学校43.2%、高校43.4%)、「学習意欲・学力の低下」(全体41.9%、中学校41.3%、高校42.4%)、「発達障害や特別な教育的ニーズを持つ生徒への専門的支援」(全体38.4%、中学校45.0%、高校32.7%)といった課題があげられた。

また、「部活動の地域移行」(全体23.1%、中学校32.5%、高校15.0%)については、中学校教員の割合が多く、3割を超えている。

Q. あなたが思う学校教育現場の課題は、どのようなことですか(複数回答)
調査概要
調査主体:菅公学生服株式会社
調査対象:全国の中学・高校の教員 1,400人
サンプルサイズ:中学校653人、高校747人
調査方法:インターネットリサーチ
実施時期:2025年7月
調査委託先:株式会社ネオマーケティング