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学校に行きづらい子供は約2割、オンライン学習や交流支援のニーズが明らかに NEXERと富士ソフトが調査

株式会社NEXERと富士ソフト株式会社が、小学生から高校生の子供を持つ保護者に実施した不登校に関する実態調査の結果を発表

株式会社NEXERは、富士ソフト株式会社と共同で「学校に行きづらい子供への支援」「不登校児童生徒に対する住まいの地域の行政の取り組み」に関する意識調査を実施し、2025年10月29日に調査結果を発表した。

調査によると、子供が「学校に行きづらさを感じている」とする保護者は約2割にのぼった。内訳は、「行きづらさはあるが、通学は続けている」が7.7%、「学校に行きたくない・行きづらいと話している・感じている」が5.1%という結果となっている。

また「学校を長期的に休んでいる(週3日以上を継続)」は3.4%、「学校をたまに休んでいる(月に2~6回程度)」が2.6%という結果となった。

保護者の約2割は、子供が学校に行きづらさを「感じている」と回答

「子供が学校への行きづらさを感じている」と回答した人に、知っている支援制度やサービスを聞いたところ、約3割の保護者が支援制度・サービスについて「どれも知らない」と回答した。

保護者が知っている支援制度・サービスについては、「フリースクール」(45.5%)、「別室登校」(40.9%)、「オンライン学習支援」(18.2%)が上位を占めている。

約3割の保護者が、支援制度・サービスについて「どれも知らない」と回答

支援制度・サービスを知っている人を対象に、実際に利用した支援・サービスを確認する設問では、「どれも利用したことはない」と回答した人が56.3%を占めている。以上のことから、支援制度やサービスが十分に知られていないこと、さらに知っていても利用につながっていないことが明らかになった。

支援制度・サービスを知っている人でも、「どれも利用したことはない」が半数以上に

不登校児童生徒に対する地域行政の取り組みについて聞いたところ、「支援があるのかどうかもわからない」(27.2%)、「まったく知らない」(25.2%)、「名前を聞いたことがあるが、詳しくはわからない」(27.2%)という結果となった。

5割以上が不登校児童生徒に対する地域行政の取り組みを「知らない・わからない」と回答

不登校の子供への支援や取り組み内容に関するヒアリングでは、通信教育制度やフリースクール、市の施設での居場所づくりや親子参加型のイベント、学校内での受け入れなどが挙がっている。一方で、行政による支援策については認知度が十分でなく、詳細を知らない保護者が多かったという。

また、行政の取り組みについて印象を聞いたところ、「まったく充実していない」(10.2%)と「あまり充実していない」(59.2%)の合計で、約7割の保護者が「充実していない」という印象を持っていることがわかった。

約7割の保護者は、行政の取り組みが「充実していない」と回答

行政の取り組みが「充実していない」と感じている理由としては、「個別対策が不十分」「支援が不足している」「周知が不十分で、必要な家庭に情報が届きにくい」などが挙げられた。一方で「ヒアリングを実施している」「イベントや居場所に関して学校からお知らせが来る」「複数の教育相談室がある」などを評価する声もあった。

最後に、地域行政の取り組みについて「こうなってほしい」「こんな取り組みが必要」「こんな支援があればよかった」という内容を聞いたところ、「オンライン学習・交流の支援の拡充」の回答が最多となっている。次いで「専門相談窓口の充実」「学校以外の学びの場(居場所)の整備」が挙げられた。

地域行政の取り組みに関する希望は「オンライン学習・交流の支援の拡充」「専門相談窓口の充実」「学校以外の学びの場(居場所)の整備」が上位に

自由記述では、「オンラインで好きに参加でき、顔を見せなくてもよく、好きに発言できる場があるといい」「オンラインで授業を受けられたり、ほかの不登校児童と交流できたりする制度があるといいと思う」「通学しなくても進学できる仕組みを整備してほしい」という意見が寄せられている。

今回の調査結果では、不登校の子供を持つ家庭が「オンライン学習・交流の支援」を強く求めていることが明らかになった。NEXERと富士ソフトは、子供たちが自由に参加できる場や家庭での学習、ほかの不登校児童との交流など、心理的安心感と学習機会の確保が求められていることから、学習・相談・居場所など多面的な充実が必要であることが示唆されたとしている。

調査概要①
「学校に行きづらい子供への支援に関するアンケート」
調査期間:2025年7月25日~8月4日
調査機関:株式会社NEXER(自社調査)
集計対象:小学生から高校生の子供がいる全国の保護者
有効回答:117サンプル
調査方法:インターネット調査
※原則として小数点以下第2位を四捨五入し表記しているため、合計が100%にならない場合がある
調査概要②
「不登校児童生徒に対する住まいの地域の行政の取り組みに関するアンケート」
調査期間:2025年8月19日~8月25日
調査機関:株式会社NEXER(自社調査)
集計対象:小学生から高校生の子供がいる全国の保護者
有効回答:103サンプル
調査方法:インターネット調査
※原則として小数点以下第2位を四捨五入し表記しているため、合計が100%にならない場合がある