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デジタルハリウッド、クリエイティブ教育特化型AIを運用開始
2025年9月30日 13:30
株式会社neoAIは、デジタルハリウッド株式会社と共同開発したクリエイティブ教育特化型チューターAI「Ututor(ユーチューター)」を正式運用すると2025年9月29日に発表した。対象はデジタルハリウッドの在校生で、2024年10月から運用を開始する。
Ututorは、学習者が制作したCG、グラフィックデザイン、Webデザイン、動画作品に対し、客観的な評価と改善提案を行うAIである。学習者は4つの分野で作品の改善点を明確に把握可能だ。
「Ututor for CG」では、CGの静止画や動画作品に対してフィードバックを実施。作品が課題用・コンテスト用かを選択できるボタンを用意しており、選択内容に応じて適したフィードバックを返すのが特徴。
「Ututor for Graphic Design」は、広告ポスターのほか、名刺、ロゴ、コラージュなどのデザインを評価。ビジュアルに対するフィードバックだけでなく、作品のデザインが目的・ターゲットに合致しているかなど、広告物としての観点でのフィードバックも行う。
WebページやLP(ランディングページ)など、Web作品へのフィードバックを行う「Ututor for Web Design」では、学習者の作品に付せんを付けて評価や改善点を明記。長文を読むのが苦手な学習者でも、視覚的に改善箇所の把握が可能だ。
CMやミュージックビデオ、自作映画などの動画作品へのフィードバックを行う「Ututor for Video Creation」では、ストーリー構成や演出などの表現面だけでなく、編集ミスなどの技術的な問題も指摘。どのカットを直すべきかをタイムテーブル形式で表示する機能も搭載している。
学習者にとっては、即時フィードバックによって制作サイクルが加速し、成果物の量と質が向上する効果がある。さらに、評価の数値化により学習の進ちょくを実感でき、モチベーションの維持につながるという。
基礎的な指摘や技術の初歩をUtutorがフィードバックするため、講師が「デザインの質」「改善プロセス」「発表力」といった領域に集中できるのもメリットの1つ。完成した作品だけでなく「目標設定→ラフ→壁打ち→改善→講評」の流れを見ながら、学習者の成長過程を含めて評価できる。
neoAIとデジタルハリウッドは、Ututorを単なるAIツールではなく、教育とテクノロジーが協働する学習環境を支える存在と位置付けている。今後は、大学・専門学校などの教育機関への提供を行う「デジタルハリウッドアカデミー」に展開予定で、学習者や教育現場の声を反映しながら開発と支援を続ける方針だ。
●クリエイティブ教育特化型壁打ちチューターAI「Ututor」