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VRでキャリア教育を支援、中学生が下水処理を疑似体験

水ingエンジニアリング株式会社が、愛知県名古屋市の中学生を対象とした職場体験を2025年1月16日に実施

水ing株式会社のグループ会社である水ingエンジニアリング株式会社は、愛知県名古屋市の中学生を対象とした職場体験を2025年1月16日に実施した。

この取り組みは、名古屋市教育委員会が小・中・高等学校および特別支援学校に向けて推進するキャリア教育支援の一環として実施。職場体験を通じて、生徒たちが働くことや進路について考えるきっかけを提供し、水処理施設の役割や関連する仕事について学ぶ機会を提供するものだ。

職場体験では、同社の社員が水処理施設の役割や水の浄化・供給に関わる業務を説明。その後、中学生たちはVR(仮想現実)を活用し、下水処理場の内部を見学するプログラムを体験した。同社はVR技術によって、通常は立ち入ることが難しい施設内部をリアルに再現。処理場の仕組みや浄化した水を放流するプロセスを疑似体験することが可能となっている。

VR映像をタブレット端末から確認し施設を案内

さらに、3DCADを利用した水処理施設の設計のほか、水処理施設の建設工事、運転・維持管理の仕事について紹介。参加した中学生たちは、施設設計に関する最新技術を学んだ。

会社説明の様子
建設工事について紹介

同社の社員には、技能五輪国際大会に日本代表として出場した技術者が在籍しており、今回の職場体験では、ワークショップを担当した。水処理の仕組みを学ぶ「水処理カード」を活用し、制限時間内に水処理フローを完成させる課題に挑戦するプログラムを実施。参加者たちは、学んだ知識を生かしながら、街の水環境をシミュレーションするワークに取り組んだ。

水処理カードを使ったワークの様子

質疑応答では、生徒たちから「今までの仕事で大変だったこと」「水インフラを守るために重要なこと」といったさまざまな質問が出され、同社の社員は、仕事のやりがいや課題について具体的な事例を交えて回答し、生徒たちの理解を深めた。

水ingエンジニアリングでは、ICTやAI技術の導入を進め、施設の運転管理の効率化・省力化に取り組んでいる。VRを活用することで、技術の継承や教育研修の効率化を図るとともに、安全性を確保しながら水処理業務への理解を深めることができるとしている。