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コードタクト、データとAI技術で教育を支援する実証プロジェクトを発表

学校での実証を通して企画・開発を行う「教育総研」が新たな学びの可能性を追求

コードタクトが2024年度に実施する6つの実証プロジェクトを発表

株式会社コードタクトは、2024年度に実施する6つの実証プロジェクトを発表した。このプロジェクトは、同社が運営する授業支援クラウド「スクールタクト」を通じて実施され、教育現場における学びの質を大きく向上させることを目指している。プロジェクト内容は、スクールタクト公式noteで公開されている。

同プロジェクトは、文部科学省が推進する「主体的で対話的な深い学び」を実現するために、データとAI技術を活用するもの。個別最適化された学習支援や対話的な学習活動、迅速かつ的確な指導が求められる中、ICTの効果的な活用やデータに基づくフィードバックが不可欠としている。

教育総研は、教育学や心理学の研究経験のあるメンバーや教員経験のあるメンバーがいる同社の部署の1つで、今後の教育を見据えて企画や開発を行い、学校での実証を通してスクールタクトへの機能追加や論文化による発表を行っている。

教育総研による6つの実証プロジェクトは、教育現場でのニーズに対応する形で構成されており、以下の内容が含まれる。

1.グループ編成プロジェクト
児童生徒の個々の特性に応じたグループ編成を提案し、その結果として協働的な学びの質がどのように向上するかを測定する。これにより、個々の特性を生かした学びの場の最適化を図る。

2.AIと一緒に学ぶプロジェクト
生成AI技術を活用して児童生徒の議論を深化させ、多角的な視点を持つことを促進する授業を設計する。同プロジェクトでは、AIが学習の進行を支援し、より深い学びを提供することを目指す。

3.自己調整型の学びプロジェクト
児童生徒が自ら学習計画を立て、粘り強く取り組む力である「自己調整型の学びのスキル」を可視化し、これを強化するための手法を開発・実証する。自己調整能力を高めることで、より自主的で効果的な学習が期待される。

4.意見類似度マップの実装に向けた機能・UIのヒアリング
AIが児童生徒の意見を分析し、意見の近さや遠さをマップ状に可視化する「意見類似度マップ」の機能実装に関してヒアリングする。これにより、意見の多様性を理解しやすくする機能を開発する。

5.振り返りAI分析の利用が学習効果に及ぼす影響の検証
スクールタクトの「振り返りAI分析(ベータ版)」機能を活用し、学習効果の変化を検証する。振り返りを通じた学びの深化を促進する狙いがある。

6.学級内の人間関係を可視化する実装(コミュニティ分析)
児童生徒間のいじめや不登校の早期発見と対応を目指し、学級内の人間関係をAIで可視化する機能を実装する。同プロジェクトでは、行動ログで学級内のコミュニティダイナミクス(集団力学)を把握する。

これらのプロジェクトは、全国の実証校と連携して進められ、今後の進展や研究成果は、学会や論文での発表をはじめ、スクールタクト公式noteでも順次公開される予定となっている。

●2024年度 スクールタクト実証計画

スクールタクトは、データとAIを駆使した分析機能を備え、児童生徒の成長を支援すると同時に、教師がより楽しくやりがいのある授業を実現するためのサポートを行っている。また、文部科学省や総務省、内閣府などのICT教育実証事業にも採択され、全国2,000校以上の小学校・中学校・高等学校・大学で導入が進んでいる。