ニュース

大阪工業大学、生成AIで学ぶ源氏物語を開発

AI光源氏に初恋の相手を聞ける

マイクに向かって質問すると、AIが生成した解説を光源氏のアニメーションが回答

大阪工業大学の矢野浩二朗教授は、AI関連技術を駆使し、古典文学「源氏物語」を学ぶための新しいアプローチとして「おしゃべり源氏物語 -生成AIで学ぶ『源氏物語』-」を開発した。

音声から文字へのデータ変換には、音声認識エンジンのAmiVoiceを利用し、文章の生成にはOpenAIのChat APIを含む6種類ものAI技術が活用されている。

生成AIは、読み方にリズムが必要な和歌を普通のトーンで読み上げてしまうため、発音のタイミングに関するデータの追加が必要になるという。また、OpenAIは古典の学習が不得手なため、和歌現代語訳をデータベース化するなど、開発するための工夫が行われた。

「おしゃべり源氏物語 -生成AIで学ぶ『源氏物語』-」は、2月下旬から4週間、東京富士美術館で開催された展覧会に出展し、実証実験を実施した。東京富士美術館に生成AIが導入される初めての機会となったが、展覧会の会期中に約3000名がおしゃべり源氏物語を体験。

その結果、来場者の満足度を向上させるには、音声入力の改善が最も重要であることが判明したほか、AIに古語をどう学習させるかという課題も明らかになったという。

今後は、さらなる改良を進め、パブリックなデータを利用した「Open 光源氏 AI」をほかの施設などで公開し、最先端技術で古典の魅力を広めていくとしている。