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ICT推進について教職員アンケート、現在抱えているGIGA端末の課題は?
特定非営利活動法人School Voice Projectが実施
2024年3月27日 06:30
特定非営利活動法人School Voice Projectは、全国の教職員に対してICT機器の課題についてのアンケートを行い、その結果を発表した。ICT推進に非常に高い意欲があるものの、GIGAスクール端末数やネットの通信速度、アプリ利用などに課題があるという回答が多くあった。
アンケートは2023年11月29日から2024年2月19日まで、全国の小学校から高校の児童生徒が通う一条校(学校教育法1条に定める学校)に勤務する教職員に対して、インターネットを介して実施した。回答数は159件。
ICT推進についての質問では「強く推進されている」「推進されている」を合わせると小学校以外では9割以上となり、小学校についても両者の合計が86%になり、非常に高い比率で推進されていることが分かった。
教職員自身が活用を推進したいかどうかについては「強く推進していきたい」は高校で50%となったほか、「強く推進していきたい」と「推進していきたい」の合計ではいずれの学校も約9割となった。
その一方で、課題を聞いた質問では、生徒用のGIGAスクール端末の数については中学校で足りたいと答えた教職員が多かったほか、教職員のGIGAスクール端末では、各学校で50%以上が足りないと答えた。
さらに、校内のGIGAスクール端末の通信速度の点についても、半数以上が遅くなるとしているほか、ルールにより使いたいアプリやサイトが利用できないということも多く指摘している。
また、自由回答では、新1年生のGIGAスクール端末がすぐ揃わないことや、破損しても代替機がないのでそのまま使っていること、教職員の端末数については担任は揃っても管理職や養護教諭、会計職員などに端末がなくクラウド化された校務が進まないなどの指摘があった。
ほかにも、ネットワークについては、インターネット回線では帯域不足でアンケートの一斉実施ができなかったり、全校同時アクセス時に影響があることから時差で使用するなどの対策をとっていること。そして、無線LAN環境も校内でしか使えず、家庭での利用や校外学習だけでなく校庭での利用にも支障があるなどの回答があった。
アクセス制限で利用したいアプリやサイトが使えないなどのほか、充電環境と時間の問題でGIGAスクール端末の利用を綱渡り状態で行っているなどの回答があり、故障時や全体的なサポートの問題などで課題があることも指摘があった。