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「空調服しか勝たん!」子連れ万博、暑さ対策とラクラク移動のリアルレポート
2025年7月30日 06:30
猛暑の中で開催中の大阪・関西万博。感想を聞かれて一言目に「暑かった」と答えたくなるほど、会場は暑さとの戦いです。これから子連れで万博に行かれる方に向けて、我が家の猛暑対策をご紹介します。
ちなみに、我が家は自由研究のネタ探しを目的に万博を訪れ、その様子は こちら で紹介しています。
■夏の子連れ万博は、想像以上の暑さ対策が必要
・高機能な日傘、子供の分も含めて人数分用意を!
・ためしに用意した「空調服」が大活躍
・ぬらして振ると冷えるタオルがお勧め
・給水スポットも多いけど…凍ったペットボトルは現地でも買える
・日焼け止めはウォータープルーフ&塗り直しが必須
・長時間並ぶ覚悟なら、折りたたみイスがあると便利
・休憩所を利用して、夜まで足を温存しよう
■朝の入場チケットを確保、西ゲートの優先レーンで時間と体力の温存を
・9時入場のチケットがあれば迷わず購入
・旅客船で万博へ!西ゲートの優先レーンが使えて待ち時間なしで入場できる
・帰りのバスの確保はできるだけ早めに
・なるべく「通期パス」ユーザーの混雑日を避ける
夏の子連れ万博は、想像以上の暑さ対策が必要
万博でのタスクをこなすため、いろいろな暑さ対策グッズを持参。役に立ったもの、立たなかったものもありましたが、 ポイントは、日傘、空調服、給水、休憩です。
高機能な日傘、子供の分も含めて人数分用意を!
万博の入場時でもパビリオンの行列でも、炎天下の中では子供も含めて1人1本の日傘が必須でした。必要なのは、しっかり遮熱してくれる、厚手の高機能な、折りたたみの日傘です!
我が家の場合は、親はサンバリアの「 折りたたみ日傘 3段折/無地 」(税込1万3750円)、子供はユニクロの「 UVカットコンパクトアンブレラ遮熱/親骨55cm 」(税込3990円)を持って行きました。このユニクロの日傘は機能的にも十分で、サイズも大判。息子は万博で日傘の効果を実感して、その後、登下校時にも日傘を差してくれるようになりました。
会場では日傘を差していない子供も多く、強い日差しの中で熱中症にならないか心配になりました。普段は日傘に慣れていない子供でも、あの直射日光を目の当たりにすれば日傘を差してくれると思います。モンベルの「サンブロックアンブレラ 55」や東レ サマーシールド素材の日傘など、遮熱率の高い日傘を人数分を用意してあげてください。帽子も、つばが全体にあるサファリハットを強くお勧めします。
ちなみに東ゲートでは万博側が用意している貸出用の日傘を見かけました。必要なときはスタッフの方に声をかけてみてください。
ためしに用意した「空調服」が大活躍
今回、事前にネットで「万博には空調服しか勝たん」という投稿を見て、「さすがにそれはやり過ぎでは……」と思いつつ、念のため、空調服を人数分用意していきました。結果的には、書き込んでくれた誰かにただただ感謝です。信じてください!空調服です! あの暑さには本当に空調服しか勝たんのです!
空調服は、建築現場で使われるイメージがあって万博で着ることに最初は抵抗がありましたが、 本当に効果がありました 。会場では空調服の人もかなり見かけ、暑さの前では全く抵抗なく着れました。最近では、子供用サイズの空調服が販売されているのも納得できます。
空調服を買うときに注意したいのは、服+ファン+バッテリーの3点セットで機能するという点 。バッテリーは別売のことが多いです。我が家の場合、(半信半疑だったので)服とファンは安いノンブランドのものを買い、バッテリーは普段から使っていた、PSEマークのついているものを接続して使いました。
また、空調服の下は吸汗速乾素材のインナーが効果的で、ランニングやマラソン用としてよく売られているコンプレッションインナーが最適だそうです。今回はそこまで用意していきませんでしたが、次回があれば確実に買っていきたいと思います。
ちなみに空調服は空気が首や袖口から抜けるため、ハンディファンのような涼しさを感じられます。空調服があればハンディファンは不要でしょう。ただし、電車で座るときに腰のファンが邪魔なので、毎回ゲートの前で着用していました。帰りは逆にゲートで脱ぐことになりますが、当然汗だく。脱いだ空調服を入れるビニール袋や、着替えの用意もあると良いです。
ぬらして振ると冷えるタオルがお勧め
冷え冷えグッズで役立ったのは、 水でぬらして振ると、冷たくなる冷感タオル です。首にかけたり、頭からかぶるとかなり涼しく感じました。出続ける汗をふくのにも欠かせません。給水スポットが多いこともあって水は入手しやすいですし、屋外で暑くても水分だけで確実に冷たくなるので、体を冷やすのに非常に便利でした。
給水スポットも多いけど…凍ったペットボトルは現地でも買える
会場内には 無料の給水スポットが多くある ので水筒があると安心ですが、荷物を軽くしたい場合は、軽いプラスチック製ボトルや自動販売機の水のペットボトルを再利用するのでも十分です。
ただし、 給水スポットの水は冷水とは限らず、常温に近い場合もあった ほか、暑い日は給水スポットに長い行列ができていました。我が家は列に並んで給水するのが待てず、何度も自動販売機で水を購入しました。価格は会場の外と変わりません。自販機のキャッシュレス決裁では戸惑う方も多く見られたため、並んでいる間に操作の確認を。「決済方法の選択」→「商品選択」→「決済」の順番です。
個人的には、荷物が重くなると疲れるので凍らせたペットボトルは持って行きませんでしたが、会場内のコンビニでも販売されていました。東ゲートのローソン、西ゲートのセブンイレブンともに入店待ちは発生していなかったので、通りがかったらチェックしてみても良いかもしれません。
日焼け止めはウォータープルーフ&塗り直しが必須
日焼け止めは、 海に泳ぎに行くときと同じような準備が必要 。大量に汗をかくのでウォータープルーフタイプが必須です。会場で塗り直ししやすいように持参も必要で、子供の塗り直しにはスプレータイプも便利でした。
それでも肌が弱い息子は塗り直し忘れた首まわりや胸がひどく日焼けし、帰宅後皮膚科に行く羽目に。しっかり首まであるコンプレッションインナーを用意するべきだったと後悔しました。Tシャツやアームカバーの下も場合によっては焼けるので、薄い服の下も日焼け止めを塗るのがお勧めです。
このほか、調光タイプのサングラスを持って行きましたが、会場であまり色が変化せず効果を感じませんでした。不思議に思って帰宅後に調べたところ、実は調光サングラスは気温が30度を超えると色が薄くなりやすいという性質があるとのこと。 調光ではなく最初から色がついた夏用のサングラスを持って行くべきでした 。ちなみに雨の日など、空調服が必要ない涼しい日は、半袖+アームカバーが快適でした。
長時間並ぶ覚悟なら、折りたたみイスがあると便利
入場時の待ち時間や、大屋根リング下のベンチが空いていないときは、持参した折りたたみイスが活躍しました。また、行列に並ぶときは、低い小型のイスではなく、ひざぐらいまでの高さになる収縮タイプの丸イスの方が立ち上がりやすくて圧倒的に便利です。ただ、どうしても重さがあるので人数分持って行くかは悩むところ。幅600×高さ400×奥行900mmを超えるイスは持ち込めないので注意してください。
休憩所を利用して、夜まで足を温存しよう
会場では、大屋根リングの下が広い日陰になっていて、風通しも良く、休憩所のようになっています。ピクニックシートを広げて昼食をとる家族も見られ、くつろげる雰囲気です。
そのほかにも、会場の さまざまな場所に休憩所が用意 されています。各パビリオンの中には座れる場所が限られているので、想像以上に歩数が多くなりがち。意識的にマップの「休憩所」で座って休む時間が必要でした。例えば、「進歩の広場」にある涼しい木組み格子の休憩所「氷のクールスポット」や、その近くにあるスマホを充電できる休憩用ラウンジバス「Green Park Bus」など、便利なクールスポットを覚えておくと便利です。
朝の入場チケットを確保、西ゲートの優先レーンで時間と体力の温存を
入場方法のノウハウは通期パスユーザーの情報量にかないませんが、数日通った限りの知識をまとめておきます。ポイントは「 西ゲートの優先レーン 」と「 帰宅のバス 」です。
9時入場のチケットがあれば迷わず購入
万博のチケットは日付と入場時間を指定して購入しますが、指定時間以降は何時に行っても入れます。つまり、空きがあるなら朝一の9時入場を購入しておけばOK。東ゲートと西ゲートの変更や時間の変更は、空きがあれば公式アプリの「マイチケット」から可能です。ただし変更は1名ずつしかできないので、全員ちゃんと変更できるかヒヤヒヤします。
どちらのゲートの方が空いているかは、自分が行く時間の東エントランス広場(万博会場俯瞰)と西エントランス広場の ライブカメラ をチェックすると分かりやすいかもしれません。12時間前までさかのぼってチェックできます。マイチケットの混雑状況の赤~青の表示はあまりあてになりませんでした。
マイチケットはQRコードを画面キャプチャして画像保存し、プリントして、各自でもっておくと安心です。荷物チェックで家族がはぐれたときに各自でQRを持っている方が便利ですし、ゲート前で通信障害が起きたときの対策に役立ちます。このQRコードは予約したパビリオンの入場にも使うので、プリントが1日役立ちます。
旅客船で万博へ!西ゲートの優先レーンが使えて待ち時間なしで入場できる
我が家は初日に12時入場のチケットだったため、朝一でなければ混んでいないだろうと電車で行く東ゲートからの入場を選びましたが、入場まで1時間半かかりました。
その過酷さに懲りて、翌日は公式アプリで入場を西ゲートに切り替え、 優先レーンがある旅客船を確保 。 ユニバーサルクルーズ の堺旧港船着場から夢洲までの便(大人2800円、こども1000円)を利用し、西ゲートから待ち時間なしで入場しました。
さらに 旅客船利用者の場合は10時・11時台の予約の場合、1時間前から入場可能 です。我が家もこの日は11時入場の予約でしたが10時過ぎに入場できました。旅客船自体も涼しい客室から大阪湾を眺めながらの快適なクルージングで、海から大屋根リングが見れたりとひとつのイベントとして楽しめます。
この万博会場行きの 旅客船は8ルート あり、特に 子連れや高齢者が一緒のグループには非常におすすめ です。自家用車で公式の駐車場を利用する「 舞洲万博P&R駐車場 」の利用者も同じく優先レーンが使えて10時・11時台の1時間前入場ができますが、こちらは旅客船以上に予約が混み合っているようなのでご注意ください。
帰りのバスの確保はできるだけ早めに
帰りのバスの確保も必須です。夢洲駅のOsaka Metro中央線はかなり混雑していて、電車に乗るまでの動線も長く、乗り換えには階段も多め。特にベビーカーや小さいお子さん連れの場合は、 予約なしで乗れる西ゲートからJR桜島駅までのシャトルバス利用がお勧め です。とにかく、Osaka Metro中央線ではなく、JRなどほかの路線にバスで逃れましょう。
新大阪駅や伊丹空港への直通バスは売り切れが非常に早いので、早めの予約がお勧め。予約は KANSAI MaaS から。スマホ用のアプリもあります。バスが確保できなければ、場合によっては西ゲートからのタクシー(大阪駅まで5000円程度、新大阪駅まで8000円程度)も現実的です。
いずれにしろ、特に遠方から万博に行くご家族でこの1度しか機会がないなら、会場の行き帰りの足にかける出費は時間と体力を買うための必要経費と割り切ることをお勧めします。
なるべく「通期パス」ユーザーの混雑日を避ける
東京にいると肌感覚では分からないぐらい、大阪は万博一色。毎日通える「通期パス」ユーザーは38万人以上おり、夏休み期間中は「夏パス」ユーザー約18万人も加わります。そのため、できるだけ 大型イベントがある日を避けるのが鉄則 。特に8月23日の「 Japan Fireworks Expo 」の日は混雑が予想されるので、避けておきましょう。
夏の暑さ対策が必須な万博ではありますが、子供の学びは無限大。特に万博は、社会的にも大きなイベントなので子供たちの一生の思い出になりそうです。できるだけの対策をしつつ、荷物を必要最小限にして、ぜひ万博を満喫してください。