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ASUSがアンバサダープログラムを開始、高校生や大学生がCopilot+ PCを活用
2025年6月16日 06:30
ASUS JAPAN株式会社は、次世代を担う学生たちを応援することを目的とした「Zenbook SORA 学生アンバサダープログラム」を5月に募集し、6月5日にASUS JAPANのオフィスにアンバサダーとして選ばれた学生が集合、Zenbook SORAが手渡され、Copilot+ PCについての説明を受けた。
ASUS認定PRアンバサダーとして活動するのは、日本国内に住む高校生と大学生で、ASUS Zenbook SORA UX3407シリーズを無償で一定期間貸与し、自身のSNSで発信していくもの。同日に実施された「マイクロソフト マスタートレーナーによるCopilot+ PCに関する勉強会」もその特典に含まれる。
日本向けのノートパソコンを作るために地下鉄や通勤の様子を調査
説明会では、ASUS JAPAN株式会社 代表取締役社長のAlvin Chen氏があいさつ。ASUSの製品について「常に現地で必要とされているものを開発し、ずっとイノベーションを提供することを常に意識している」とし、日本市場のためのノートPCを作るうえで、日本の通勤ラッシュを体験。地下鉄の混雑具合や人々がどんな雰囲気で通勤しているのかなどを調査したという。
さらに、「薄くて持ち運びやすいことや耐久性も求められる、そして、プロフェッショナルに見えるスタイリッシュなデザインも必要。もちろん使いやすいことも重要」だとし、多くの調査とさまざまな国のフィードバックを反映し、社員の感想なども集めた結果だとした。
また、学生を前に「自分が20歳から25歳くらいのときを振り返ったうえでまとめると、私が皆さんに送りたい言葉は、1つ目がポジティブシンキングを持つこと、2つ目は、好奇心を常に持ち続けることです」とエールを送った。
Zenbook SORAは「1日中持ち運べる」がコンセプト
続いて、アンバサダーに提供されるZenbook SORAの説明が行われた。提供されるのはUX3407RAとUX3407QAの2タイプで、各アンバサダーにはASUS JAPANがどちらの機種を割り当てている。
Zenbook SORAは、CPUにSnapdragon Xを搭載するノートPC。Windows 11を搭載し、画面は14型で外装サイズも同じ。UX3407RAは、ディスプレイに有機ELのグレアパネルを採用しており、重さは約980g。UX3407QAはノングレアパネルを採用し、本体が約899gとなっている。
ASUS JAPAN PRマネージャーの藤原拓馬氏は「持ってみて軽いですか? すごく軽くなってるんですよ。1日中持ち運べるとことがコンセプトで、さらにCopilot+ PCとしてAI機能が使えるというのが特徴」と説明した。
本体の外装仕上げについて、独自開発の特殊な素材を使っているとして「持ってもらうとすごくサラサラしている陶器のような質感。ファッション性もあるうえ、社長のAlvinが話したように、日本市場を調査して皆さんの好みを反映させている」と述べた。画面についても、1本指だけで本体下部を押さえずに開くヒンジも強調した。
最後に藤原氏は「各モデルのバッテリーの駆動時間は約29時間と約23時間、すごく長くなっているので、ぜひ外で使ってほしい」と活用を呼びかけた。
Copilot+ PCのメリットは「何度でもAIに問いかけができること」
Copilot+ PCの説明は、マイクロソフト マスタートレーナーの古澤 翔氏が行った。まず、Copilot+PCの特徴としてNPU搭載であるとし、NPUはニューラルプロセッシングユニットで、AIの作業をパソコンの内部で処理するための専用のチップを持っていることだとした。
クラウドベースのAIサービスは、インターネットに接続しないと処理を実行できず、利用者が多いと結果が出るまで時間がかかるケースもある。NPUを搭載することで、PCのローカル環境でAIの処理ができ、セキュリティとプライバシーを強化できる。
さらに、クラウドでAIを使うと処理の順番待ちや、画像出力の場合は枚数制限などがあるが、NPU搭載のPCならば「基本的に使い放題。皆さん専用のAIアシスタントとして、Zenbook SORAを活用できる」とした。
古澤氏が例に挙げたのは「リコール」の機能。リコールは、操作履歴を画像として保存する機能で、キーワードから目的の場面を呼び出すことができる。古澤氏は、「マインクラフト」というキーワードから映画「マインクラフト/ザ・ムービー」の予約サイトを呼び出すデモを実施した。タイムライン機能を利用すると、キーワードや日付などから自分が過去に操作した内容を探し出せる。
また、改良されたエクスプローラーの検索機能にも言及し、検索ボックスに「仙台」と入力して、目的の写真を見つける方法を紹介した。思い出の写真を投稿する際も検索が楽になるため、写真を選ぶ時間を節約できるという。
画像生成のデモでは、Windowsに標準搭載されているペイントを利用。[コクリエイター]の画面に「青い空とひまわり畑 画面中央に白い帽子とワンピースを着た女性」と入力し、ペンで色と大まかなレイアウトを指示すると、イラストが生成された。古澤氏は「皆さんが何かプレゼンする際、イメージ資料の画像がないときに、この機能を使うといいのでは」と提案した。
最後に、写真に映りこんだものをAIが分析して追加・削除する生成塗りつぶし機能も紹介。ペイントの[生成消去]機能でシカを跡形もなく消し去るほか、女性にサングラスを追加するデモを実演し、気軽に加工できる点を強調した。
さらに、「AIで出力されたものがイメージと少し違っても、NPUを搭載したPCなら何度でもやり直せるのがCopilot+ PCのメリット」と古澤氏は述べた。
アンバサダーはCopilot+ PCに期待
ASUSのZenbook SORAとCopilot+ PCの説明を聞いた学生アンバサダーたちは、今後の活用について期待している様子が感じられた。
今回、アンバサダーで唯一の高校生である藤本百華さんは「スライドを使ったプレゼンをすることがあり、Webアプリで画像作成をやってみたが、回数制限もあり、思うようにいいイラストが出てこなくて何時間も格闘した。Copilot+ PCなら、キーワードから求めてるものを作ってくれそうで、探す時間も省ける。画像を作るときにも短時間できそうなので、プレゼンの内容をもっと面白くできそう」と画像生成の部分に期待を寄せた。
また、これまではスマートフォンやタブレットで作業をしており、Windowsでフル機能のOfficeを使えることも期待しているという。また、藤原さんはGIGAスクール端末が配備される前の学年であることから、初めて本格的にPCを触ることになるため、「PCのどんな魅力に気付き、それを発信できるか」に大きな興味を持っていると話してくれた。
すでにPCを活用し、ASUSのPCオーナーでもある法政大学 経済学部 経済学科の西田智季さんは、実証ミクロ経済学で社会課題をデータ分析の手法で解決することに挑戦している。「Zenbook SORAがArm版Windows 11である点がソフトウェアの互換性の点で少し心配」としながらも、活用を進めていくとのこと。
西田さんは参加している団体の活動などにPCをフル活用している。6月に実施するイベントで多くの作業があるが、Copilot+ PCの説明を聞き、スケジュールのまとめやアイデア出し、画像編集、ポスター作成などでの活用も考えているという。
一方でデザイン系の学生も注目している。京都精華大学 デザイン学部 ビジュアルデザイン学科 デジタルクリエイションコースの薮下 天さんは、自分の「自分のイメージを軽く絵を描いただけで出力してくれるということは、自分の頭の中を整理してくれることだと思うので、すごく興味がある」と抱負を話し、「こういうツールを使って企画を考えていきたいと思っているので、一緒に使っていきたい」とAIをアシスタントとして活用していくことに前向きだ。
また、同学部のグラフィックデザインコースのはるさんは、写真検索機能に注目していると話し「写真に文字でメモをするわけにはいかないので、撮った写真を資料に使いたいとき、いちいち探すのは時間の浪費になる。言葉で検索できるのはかなり大きい」と期待している様子だ。
活動は「#YouthASUS認定アンバサダー」で見ることができる
Zenbook SORA 学生アンバサダープログラムの参加者たちは、今回の説明会からZenbook SORAの利用を開始、「#YouthASUS認定アンバサダー」のハッシュタグを付けてSNSで発信し始めている。
Copilot+ PCのAI機能や、Arm版Windows 11をどう活用していくかなど、アンバサダーたちの今後の活躍を見守りたい。