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令和の子供部屋に新提案、IKEAやニトリのゲーミング家具で作る“秘密基地”

「東京ゲームショウ2024」IKEAのブースの様子

2024年9月26日から29日にかけて幕張メッセで開催された「東京ゲームショウ2024(TGS2024)」が、盛況のうちに幕を閉じた。TGS2024では、新作ゲームを中心とした一般展示コーナーのほか、ゲームを楽しむための家具・製品を体験できる「ゲーミングライフスタイルコーナー」が展示規模を拡大。注目を集めていた。

イケア・ジャパン株式会社と株式会社ニトリのブースでは、9月に発売したゲーミング家具を中心に、ゲーミングルームの最新コーディネートを提案していた。本稿では、ゲーム好きな小4男子の母である著者が、「子供部屋作り」の目線で心を奪われた製品を紹介する。

リビングで“おこもり”したい大人と子供必見、IKEAの新商品

3年ぶりのTGS2024出展となったIKEAは、9月5日に発売したゲーミング家具「BRÄNNBOLL/ブレンボール ゲーミングコレクション」の体験ブースを展開した。リビングを模した空間に、思わず手に取ってしまいたくなるようなカラフルな家具と雑貨が並ぶ。真っ先に目に飛び込んできたのは、クローゼットのような小部屋「BRÄNNBOLL/ブレンボール ゲーミングステーション」だ。

PC用デスクと棚板を内蔵した「BRÄNNBOLL/ブレンボール ゲーミングステーション」

一見、普通のキャビネットだが、扉を開くと、PC用デスクが登場。中にはディスプレイを置くスペースと小物を飾れる棚があり、足元にはタワー型PCの本体を置くボードが設置されている。キーボードを置く天板は折り畳み式で、用途に応じて展開可能。もちろん、ケーブル収納も付いている。

デスクに近い棚には、24インチのモニターやお気に入りのゲーミングギアを設置可能。上段の棚は可動式で、自分好みの高さに調整できる

母目線でうれしいポイントは、PC本体を床に直置きするのではなく、床から浮いた棚板に収納できる点だ。ストレスなく掃除機をかけられる。

棚板は左右どちらにも取り付け可能。扉はキャスター付きで、平らでない床の上でも、床に傷をつけずに簡単に開けられる

中に設置されたライトは、IKEAが展開する「スマート照明」の製品だ。取材時は照明がピンク色だったが、「IKEA Home smartアプリ」を使えば、好きな色に変更できる。展示では、テープの形状をしたLEDライトを両面テープで接着していた。こういったDIY的な要素も、工作好きの子供心をくすぐるポイントとなる。

「スマート照明」と「IKEA Home smartアプリ」を使って、自分好みの照明に

1つだけ注意したいのは、人が入った状態で「密室」にはできないこと。人がイスに座ってPCを操作するときは、奥行きの関係から左右の扉を開けっぱなしにする必要がある。保護者からすると、完全な密室ではなく、ある程度気配を残した状態で子供が“おこもり”できるのがちょうどいいかもしれない。ちなみに、扉はフェルト素材で、簡易的な防音壁となっている。

扉を完全に閉めた状態

ちなみにわが家は、まだ子供部屋を用意していない。息子は部屋の隅っこが落ち着くようで、床に座ってゲームをする姿が定番となっている。「そろそろパーソナルスペースが欲しい年ごろになってきたかな」と思っていたので、税込34,990円という手を伸ばしやすい標準価格にも強く引かれる。子供だけでなく、大人の“秘密基地”への憧れも叶えてくれそうだ。

当日は「BRÄNNBOLL/ブレンボール ゲーミングコレクション」を開発したIKEA of Sweden 商品デザイン開発担当 フィリプ・ディル氏と、IKEA シニア デザイナー ダーヴィッド・ヴァール氏が来場。

ゲーミングステーションの開発背景について、「居住スペースを広く取れない家庭で、『ゲーム中は視線を感じたくない』という方のプライバシーを確保すること。また、ゲーム中の音や声を家族に聞かせたくない、聞きたくない方のニーズに応えたかった」と語った。

写真左から、IKEA of Sweden 商品デザイン開発担当 フィリプ・ディル氏と、IKEA シニア デザイナー ダーヴィッド・ヴァール氏

「BRÄNNBOLL/ブレンボール ゲーミングコレクション」には、ほかにも魅力的な家具&アイテムがそろっている。

「BRÄNNBOLL/ブレンボール 膨らまし式ゲーミングラウンジチェア」価格7,990円(税込)ドーナツ型のクッションで、中心部分は着脱可能。空気で膨らませて使用するため、好みの硬さに調節できる
「BRÄNNBOLL/ブレンボール ゲーミングイージーチェア」価格14,990円(税込)ゲーム中の人の動きに注目してデザインされたチェア。ハンモックのように前後左右に揺れる。座面はメッシュ素材
「BRÄNNBOLL/ブレンボール ゲーミングラウンジチェア」価格24,990円(税込)クッションを縦に並べると、足を伸ばせる椅子にチェンジ! キャスター付きで、いつでも簡単に配置替えできる

ニトリの新作は伸縮&自動昇降のゲーミング家具、モンハンコラボも!

2022年から3年連続の出展となるニトリは、4つのテーマでゲームを中心としたライフスタイルを提案。株式会社カプコンの人気ゲーム「モンスターハンター」とコラボした展示が、ひときわ注目を集めていた。

ニトリのブースでは、「モンスターハンター」とのコラボルームを展開

ゲームが共通の趣味というカップルが増加した背景で誕生した「カップルルーム」では、新商品「伸縮ゲーミングシェルフ」と、「電動昇降デスク」を組み合わせて展示。ホワイトとブラックの2トーンで機能的にコーディネートしたゲーミングルームは、カップルはもちろん在宅ワークの作業場や子供部屋としても魅力的だ。

新商品「伸縮ゲーミングシェルフ」と、「電動昇降デスク」を組み合わせたゲーミングルーム

注目は、伸縮ゲーミングシェルフの横幅を3段階に調節できること。用途に合わせて、内寸100cm幅、120cm幅、140cm幅に変更できる。電動デスクと組み合わせれば、棚板をディスプレイ置き場にできるほか、高さをそろえて拡張デスクとしても活用できる。価格は、伸縮ゲーミングシェルフが19,990円(税込)で、電動昇降デスクは49,990円(税込)。

棚板の高さを自分好みにアレンジし、ディスプレイ置き場に
伸縮ゲーミングシェルフと電動昇降デスクの高さをそろえれば、拡張デスクとして使用できる
カップホルダーや充電ポートが付いているなどの実用性がうれしい

展示ブースでは、デスク周りにキャスター付きの「ゲーミングシェルフワゴン(税込14,990円)」を設置。別売りの収納ケースと組み合わせると収納力がアップし、ごちゃついた印象を避けることができる。

「ゲーミングシェルフワゴン」のサイドは、有孔ボード。専用のフックで小物を取り付けることができ、スペースを有効に活用できそうだ

最近は子供部屋を作らず、ある程度の学年まではリビング学習を継続する家庭が増えている。わが家もその1つだが、高学年になってから学習机を購入する場合、PC利用を前提とした選択になるのは自然な流れだろう。学用品だけでなく、PC周りのアイテムをスッキリ収納できる空間作りは、保護者心に刺さってしまった。

「モンスターハンター」とのコラボルームでは、ゲームに登場する「肉焼きセット」や武器と一緒に写真が撮れるフォトスポットを備えて、ゲーミングチェアとデスクを紹介していた。

「モンスターハンター」とのコラボルーム

ラインアップは、「モンスターハンター」ジンオウガ デスクと、「モンスターハンター」ジンオウガ チェア、「モンスターハンター」アイルー チェアの3点。

「モンスターハンター」ジンオウガ デスクは、L型で幅・奥行きともに160cmある広々とした天板が特徴だ。左右のサイドパネルには、ジンオウガのイラストが大きくプリントされている。価格は39,900円(税込)。

「モンスターハンター」ジンオウガ デスク

コックピット型デザインのゲーミングチェアは、各キャラをイメージしたデザインとアクセントカラーをヘッド・腰回り・脚元に施し、裏側の背もたれに大きくキャラクターをプリント。それぞれ、ヘッドレストと腰部分をサポートする「ランバーサポートクッション」が付いている。価格はジンオウガ デスクチェアが29,990円(税込)、アイルー チェアが39,990円(税込)。

「モンスターハンター」ジンオウガ チェア、「モンスターハンター」アイルー チェア
「モンスターハンター」アイルーチェア

「モンスターハンター」コラボのデスクとゲーミングチェアは好評で、完売となった製品もあるが、そのほかにもクッションやデスクマットを展開している。

コロナ禍以降、仕事部屋や作業部屋を快適にしたいというニーズが高まっている。TGS2024でもゲーミング家具の展示が拡大し、新しいライフスタイルを体験できるブースがにぎわっていた。その流れから、ゲーミングPCを選ぶ家庭や自分だけのゲーミング部屋を作りたいと希望する子供たちも増えている。クールなデザインで、かゆいところに手が届くギミックを備えたゲーミング家具は、「とっておきの基地を作りたい」というニーズに応えてくれるはずだ。

本多 恵

フリーライター/編集者。コンシューマーやアプリを中心としたゲーム雑誌・WEB、育児系メディアでの執筆経験を持つ。プライベートでは幼稚園児&小学生の母。親目線&ゲーマー視点でインクルーシブ教育やエデュテインメントを中心に教育ICTの分野に取り組んでいく。