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マウス、キッザニア東京に「パソコン工場」をオープン!パソコンづくりの魅力を伝える

ゲーミングPCの組み立て体験をレポート

キッザニア東京「パソコン工場」パビリオンのオープニングセレモニー

株式会社マウスコンピューターと子供向け職業体験施設「キッザニア」を運営するKCJ GROUP株式会社は、東京・豊洲にある「キッザニア東京」において「パソコン工場」パビリオンを2024年6月26日に開業し、オープニングセレモニーを開催した。登壇したのは、6月20日付けでマウスコンピューターの代表取締役社長に就任した軣 秀樹(とどろき ひでき)氏と、KCJ GROUP 代表取締役社長 圓谷道成(つむらや みちなり)氏。

セレモニーの司会進行とパソコン組み立てのデモンストレーションを担当したのは、キッザニアの街をより良くするために日々活動する「こども議会」で議員を務める子供たち。パソコン工場の制服に身を包み、両社長と共に「パソコン起動式」を行った。オープンしたばかりのパビリオンで、実際にパソコン組み立てを体験する様子と併せてレポートしよう。

大切なのは組み立てるプロセス、ものづくりの楽しさを子供たちへ

同パビリオンは、2021年にオープンした「キッザニア甲子園」(兵庫県西宮市)に次ぐ2施設目。受注生産に特化した同社の特色を生かして、顧客用のパーツをそろえてパソコンを組み立てる。子供たちはパソコンを構成するパーツや機能の知識を身に付け、起動確認から出荷までの一連の流れを体験する。体験の所要時間は約30分で、定員は1回につき8名。

セレモニーの司会進行を子供たちが務めるのもキッザニアならでは
体験時に着用する「パソコン工場」スタッフのユニフォームを披露
株式会社マウスコンピューター 代表取締役社長 軣 秀樹氏

マウスコンピューターはこれまで、キッザニアのパソコン工場に加え、夏休みに長野県飯山市の工場で「親子パソコン組み立て教室」を開催してきた。そのなかで印象的だったのは、「組み立てたパソコンを起動した瞬間の子供たちの表情」と語る軣氏。

冒頭のあいさつで、「同施設を通してものづくりの楽しさやパソコンの魅力を、多くの子供たちに届けたい!」と熱いメッセージを送り、「何もない所から1つずつ部品を組み立て、製品となる過程は、子供たちにとって興味深い体験。起動時にうまく動くかどうか、仮に動かなかったとしても、その経験から研究心が生まれる」と語った。

KCJ GROUP株式会社 代表取締役社長 圓谷道成氏

圓谷氏は「最初にオープンしたキッザニア甲子園では、延べ4万人の子供が同施設を体験した」と紹介。「キッザニア東京でも、子供たちにパソコンを好きになってもらいたい」と後押しする。「子供の生きる力を育む」という同社の理念の通り、「大切なのは、パソコンを起動させるゴールではなく、組み立てのプロセス。なかには途中であきらめたくなる子供もいるかもしれないが、挑戦する心を大切にしたい」と語った。

「フォートナイト」で身近なゲーミングPCでパソコンの仕組みを学ぶ

パソコン工場では、小学5年生と6年生 3名によるデモンストレーションが披露された。

「パソコン工場」外観
「パソコン工場」内観

組み立てたのはゲーミングPC。まず、パソコンの基礎知識について説明を受けた後、購入者のオーダーシートを確認する。

ゲーミングPCで「キャラや背景をきれいに映すためには、グラフィックカードが重要」といった説明を聞きながらパソコンについて学ぶ
1人1枚ずつ、オーダーシートを受け取って組み立てる

最初の作業は、パーツのピッキング。オーダーシートのバーコードを読み取ると、必要なパーツが置いてある棚のランプが光るので、わかりやすい。

必要なパーツが収納された棚が光るので、取り出した後はボタンで消す
「取り出した部品は大切に両手で持とう」といったアドバイスを受けながらピッキング

必要なパーツがそろったら、いよいよ組み立て開始。実際の体験ではCPUから順番に7種類ほどの部品があるが、取材会ではグラフィックカード、水冷クーラー、フロントコネクターケーブルを取り付けた。

部品を順番に組み立てていく

途中、「水冷クーラーはCPUを冷やすためのもの」「人間の体も熱くなると扇風機で冷やすよね」などの説明を聞きながら、小さいネジを一生懸命ドライバーで取り付けていく。

モニターに表示されるガイドを見ながら、部品の位置や付け方を確認。スタッフのサポートは最低限、自分でやり遂げるよう見守る

パソコンの組み立てが完了したら、最後にモニターにつないで起動チェックを行う。スタッフの合図に合わせて、「せーの」で電源ボタンをオン! ゲーミングPCならではのカラフルなライティングは、組み立てた子供たちだけが見られるお楽しみ。子供たちのはみかみながらも、少し誇らしげな表情が印象に残った。

無事起動確認が完了し、思わず拍手

起動確認を無事終えると、シリアルナンバーのシールを貼り、パソコンの出荷を見送る。参加者は、成果物として担当者のサインが入ったオーダーシートを持ち帰る。

ベルトコンベアに乗って出荷されるパソコンを見送ると完了

組み立てを体験した6年生のさきまる(こども議会での議員名)さんは、「パソコン工場は細部までこだわっていて、自分の手で全部できるのがキッザニアならではの楽しさ」と語る。また、自宅にマウス社製のゲーミングPCがあり、普段から「フォートナイト」をプレーしている5年生のカルサイトさんは、「普段使っているパソコンの仕組みを知ることができて勉強になった」と実感を込めて話してくれた。

体験に参加した子供たち。左からカルサイトさん、さきまるさん、たいさん

一方、「パソコンを壊してしまいそうで不安だった」と語るのは同じく5年生のたいさん。「緊張したけど、無事に組み立てられて良かった」という達成感は、失敗を恐れずに挑戦したからこそ得られた学びだろう。

GIGAスクール構想以降、パソコンは子供たちにとってますます身近な存在となった。本物に触れて学べるキッザニアで、たくさんの子供たちにものづくりの楽しさを感じてほしい。ちなみに、同パビリオンは3歳から参加可能で、推奨年齢は5歳から。親からすると「大丈夫!?」と心配になるが、小さい子供にはスタッフがほかの年齢以上にフォローを行ってくれる。家ではできない体験ができるのもキッザニアならでは。きっと貴重な体験になるはずだ。

本多 恵

フリーライター/編集者。コンシューマーやアプリを中心としたゲーム雑誌・WEB、育児系メディアでの執筆経験を持つ。プライベートでは幼稚園児&小学生の母。親目線&ゲーマー視点でインクルーシブ教育やエデュテインメントを中心に教育ICTの分野に取り組んでいく。