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AIに思考を委ねない授業とは、LoiLoが教員研修会のレポートを公開

福岡と大阪で開催された「教育と生成AI 大研修会2026」の取材レポートを公開(出典:株式会社LoiLo、以下同じく)

株式会社LoiLoは、福岡と大阪で教員を対象に開催された「教育と生成AI 大研修会2026」の取材レポートを2026年10月15日に公開した。8月2日の福岡会場、8月11日の大阪会場にはそれぞれ約100人が参加し、生成AIを授業や校務にどう生かすかについて、講演や実践ワークを通じて学んでいる。

同研修会は、ロイロノート・スクールを活用する教員のコミュニティ「LEG(ロイロ教育者グループ)」が主催し、株式会社LoiLoが協賛したものだ。2026年8月から9月にかけて全国5都市で開催され、各会場では基調講演のほか、ロイロ認定ティーチャーによる実践事例の共有やワークショップが行われた。

福岡会場では、生成AIを利用する際に、人が何を考え、どのような役割を担うべきかがテーマとなった。

熊本大学大学院 教育学研究科の特任教授である前田康裕氏は、AIに自分の思考を委ねてしまう「認知的降伏」を取り上げている。前田氏は、AIの回答をそのまま受け入れるのではなく、「本当にそうなのか」「自分はどう考えるのか」と問い直すことが重要だと説明した。

講演では、AIを使って学んだ中学生の声や、ロイロノートのピラミッドチャートを使って主張・理由・根拠を整理する国語の授業事例も紹介。生成AIが身近になる中で、子供が自ら考える機会を失わないための授業づくりについて考える内容となっている。

熊本大学大学院 教育学研究科 特任教授 前田康裕氏

大商学園高等学校の教諭で、ICT戦略室室長を務める中村天良氏は、すぐに答えを出す「ファストAI」と、対話を通じて考えを深める「スローAI」の使い分けを紹介した。

校務では生成AIに定型業務や準備作業を任せ、教員が授業づくりや生徒と向き合う時間を確保する考え方を説明。自身が担当する「課題研究」の授業を例に、情報収集やアイデア出し、意思決定などの場面ごとに、AIと人の役割を分ける実践を紹介している。

大商学園高等学校 教諭 ICT戦略室室長 中村天良氏

福岡会場のワークショップでは、参加者がロイロ認定ティーチャーとともに生成AIを使い、夏休み明けに活用する教材や授業案を制作。完成した教材だけでなく、制作のきっかけや授業に込めた思いも共有された。

一方、大阪会場では、生成AIへの指示文である「プロンプト」の作り方や、授業・校務における具体的な活用方法が紹介された。

立命館守山中学校・高等学校の國領正博氏は、プロンプトを「AIから反応を引き出す『促す』言葉」と説明。大切なのは、AIの返答を読み、足りない条件を加えながら、対話を重ねることで、講座では「命令書」「制約条件」「入力文」「出力文」の要素を使ってプロンプトを組み立てる方法を解説した。

実演では、同じプロンプトを利用して「Gemini」「ChatGPT」「Claude」に画像生成や資料の要約を指示。参加者は回答の違いや、意図した回答が得られない場合の対応を確認し、AIの返答に応じて条件を追加しながら対話を重ねる方法を学んでいる。

ロイロ認定ティーチャーによる事例共有では、ロイロノート・スクールの提出箱に集まった生徒の記述をAIで分析して授業を振り返る方法や、学校のルールや年間行事などの文書から保護者向けの説明スライドを作成する事例などが紹介された。

ロイロ認定ティーチャーが事例を共有

体験ワークでは、ロイロノートのシンキングツールを使って日々の業務で困っていることを整理し、講座で学んだ4つの要素に沿ってプロンプトを作成。その場で生成AIに入力し、実際にどのような回答が得られるかを確かめている。

プロンプトを組み立てるワークに取り組む様子

LoiLoは、福岡・大阪の両会場について、講演や授業実践、生成AIを校務に活用する具体的な方法をまとめた取材レポートを「ロイロノート公式note」で公開している。仙台・東京・名古屋会場のレポートも順次公開する予定だ。