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高校生の9割が「学校生活で使える」と回答、広島県の生成AI体験イベント

株式会社WEAVEが、広島県を始めとする産学官との取り組み「ひろしまAI部」と協働で広島県内の高校生・教員を対象とした生成AI体験イベントを開催(出典:株式会社WEAVE、以下同じく)

株式会社WEAVEは、広島県を始めとする産学官との取り組み「ひろしまAI部」と協働で、広島県内の高校生と教員約30名を対象とした「はじめての生成AI体験イベント」を2025年7月23日にオンラインで開催した。参加者は実際にAIツールを操作しながら、授業や日常生活での活用方法を学んでいる。

同イベントでは、ChatGPTなどの生成AIの基本的な使い方と注意点を中心に、文化祭や修学旅行の企画をAIと考えるワーク、4コマ漫画による学習内容の可視化、AI活用におけるセキュリティ講座など、複数の体験型プログラムを用意。音楽生成AI「SUNO」やGoogleの「NotebookLM」などの紹介もあり、多様なツールを実際に使いながら学ぶ機会となった。

音楽生成AI「SUNO」を紹介
「NotobookLM」を紹介

事前アンケートでは、生成AIをすでに活用していると回答した参加者が全体の60%にのぼった一方、まったく使ったことがないとする層も20%存在していた。参加者の動機としては、「授業や部活動で使いたい」「生成AIの安全な使い方を知りたい」といった声が目立ち、教育現場での関心の高さがうかがえた。

ワークショップでは、AIと会話しながら文化祭の模擬店や修学旅行のレクリエーションのアイデアを考案。高校生たちは「追加で指示すると案がどんどん膨らむのが面白い」「自分の発想にAIが答えてくれるのが新鮮」と驚きと楽しさを口にし、学校行事への活用をリアルに想像するきっかけとなったという。

ChatGPTを使い、文化祭の模擬店や出し物について高校生が考察

テストや授業内容を題材に、ChatGPTに相談しながら4コママンガを作成する活動では、「内容が頭に残りやすい」「説明を人に伝えやすい」といった感想が寄せられた。

世界史をテーマにして4コママンガを生成

続いてのセキュリティ講座では、入力すべきでない個人情報や機密情報について具体的な事例を紹介。生成AIを安全に使うための具体的なセキュリティについて学べる機会が少なく、「こうした学びは貴重」「安心して触れられるようになった」といった声が挙がっている。

生成AIを安全に使うための具体的なセキュリティを紹介

イベント終盤には、学校生活や学習で時間のかかる作業を洗い出し、AIによる効率化を考えるアイデア出しも行われた。高校生からは「課題レポートの下書きに使える」「文化祭準備の効率化につながる」といった実用的な意見が出された。

イベント終了後のアンケートでは、参加者の9割が「学校生活で使える」と回答。「自分で入力して試せたのが良かった」「入力してよい情報・ダメな情報を具体例で学べたのがとても貴重だった」「楽しくてあっという間の90分だった」といった声が寄せられている。

株式会社WEAVE 代表取締役の久保直樹氏は「生成AIは、知識として学ぶだけでは現場で使えるようにならない。生徒も教員も、実際に触ってみることで『安全に使える感覚』が初めて育つ」と述べ、今後も学校や自治体と連携して生成AIのリテラシー向上を支援していく方針を示した。