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「始業式の後ろ倒し」を教職員に調査、5日間を確保できた学校は約半数
2026年7月27日 10:00
特定非営利活動法人School Voice Projectは、始業式の後ろ倒し実態について、教職員へのアンケートを実施し、2026年7月24日に結果を公開した。
多くの自治体では人事異動や新採用の辞令交付が4月1日となるため、教員の新年度準備は「4月1日から始業式前日まで」の限られた平日で進めざるを得ない。その期間には、学校全体・学年・校務分掌・自分の学級の準備が重なり、GIGAスクール構想以降はICTアカウント管理などの業務も増えている。
School Voice Projectによると、ここ数年で新年度準備期間を延長する自治体が徐々に増えてきているという。School Voice Projectでは、2023年度から「“#新年度準備期間を十分に”キャンペーン」を行い、「全国どこでも最低平日5日間の準備期間確保」を呼びかけてきた。
今回のアンケートでは、準備期間が延長された学校で何が変わったのか、教職員がどのような効果を実感しているのかを中心に、新年度準備期間の実態を調査した。調査の結果から、全国で5日間の準備期間を確保できた学校が約半数であること、始業式の後ろ倒しにより残業・引き継ぎ不足などが改善したことがわかった。
School Voice Projectでは、新年度準備期間の不足が、教職員の長時間労働だけでなく、子供たちを安心して迎えるための準備、引き継ぎ、職員同士の対話、学級・授業づくりにまで影響しているとコメントしている。
対象:全国の小〜高校年齢の児童生徒が通う一条校に勤務する教職員
実施期間:2026年3月20日〜2026年5月11日
実施方法:インターネット調査
回答数:158件
■5日間以上の準備期間を確保する学校が約半数
2026年度の始業式日程については、158人(回答校数160校、重複あり)の中では「4月8日(水)」が最も多く35%(56校)、次いで「4月7日(火)」が29%(46校)、「4月6日(月)」が23%(37校)という結果だった。4月8日以降を合わせると46%(74件)となり、約半数の学校が、土日を除いて5日間以上の準備期間を確保できていることがわかる。
一方、地域別に見ると、関東は「4月6日(月)」が約4割と突出して多く、他地域より始業式が早い傾向が見られた。これに対して近畿は「4月8日(水)」が約6割、北海道・東北も「4月8日(水)」が半数と集中しており、始業式の日程が比較的遅め(=準備期間を長く確保できている)傾向がある。中部や九州・沖縄は4月7日を中心に日程が分散しており、地域によって準備期間の確保状況に差があることがわかった。
■この4年間で24%の学校が新年度準備期間を延長
ここ4年間で新年度準備期間が延長された学校は、全体の24%(38校)という結果になった。
このうち延長された学校に、後ろ倒しされた期間を聞いたところ、「2日間」の後ろ倒しが最も多く(50%)、次いで「1日間」(34%)と1〜2日間の延長が約8割を占めている。
■準備期間の延長で、教科・学級経営・校務分掌等の準備不足が改善
準備期間が延長された教職員(37人)に、どのような課題が改善したかを聞いたところ、「教科や学級の準備不足」(84%)、「校務分掌の準備不足」(76%)と、教科・学級経営・校務分掌などの準備不足が改善されたという意見や、「時間外勤務の増加」(78%)のように労働時間の改善がなされたという意見が見られた。
School Voice Projectは、準備期間の延長が、教育の質の向上と教職員の働き方の改善を促す可能性が示されたとしている。
■最低限必要な日数は「5〜6日間」が最多
“最低限必要”な新年度準備期間について、回答を「~4日間」「5〜6日間」「7〜8日間」「9〜10日間」に整理して分析したところ、最も多かったのは「5〜6日間」で約56%(88人)、次いで「7〜8日間」が21%(34人)、「〜4日間」が11%(17人)、「9〜10日間」が10%(16人)という結果にった。5日間以上と答えた教職員が約9割を占めており、大多数の教職員が最低でも平日5日間程度の準備期間が必要だと考えていることがわかる。
また“万全の状態で新年度をスタートするため”に必要な新年度準備期間について、同様に回答を整理して分析したところ、「9〜10日間」(54人)と「7〜8日間」(53人)が約34%とほぼ同数で最も多く、次いで「5〜6日間」が約25%(40人)でした。万全の状態を求める場合、約7割の教職員が7日間以上の準備期間を必要だと考えていることが判明した。
■新年度準備期間が短いことの弊害は、長時間労働・心身の疲弊など
調査では、新年度準備期間が短いことが原因で引き起こされたトラブルや困ったことなども聞いている。
準備期間が短いことの弊害としては、大きく「長時間労働・心身の疲弊」「引き継ぎ・情報共有・チーム形成の不足」「事務上の準備不備」「学級開き・授業準備・児童生徒対応への影響」の4つの観点での意見が寄せられた。特に「長時間労働・心身の疲弊」については回答を記載した方のうち約半数が言及するなど、準備期間が短いことの弊害として広く認識されていることが伺える。
一方、準備期間が延長された効果においては、全体を通して、「物理的・精神的に余裕が生まれた」「準備や引き継ぎに十分に時間を取れるようになった」という声が寄せられた。
準備期間が延長されていない学校の教職員からは、以下の声が寄せられている。
- 夏休み開始が遅れてもよく、二学期の始まりが早まってもよいので、4月1日〜の準備期間を最低5日取れるように改善を希望する(東京・小学校・教員)
- 教員がやらなくてもできることは、スクールサポートスタッフを積極的に活用してほしい。カーテンの取り替え、タブレットの整備、教科書の点検(北海道・小学校・教員)
- オトナ同士もグループで信頼関係をつくったり安心して本音を言える場づくりのための遊びや対話がしたい。新しいメンバーを迎えているのだから(和歌山・小学校・教員)
また準備期間が延長された学校の教職員の声としては、「今後も継続してほしい」「さらなる延長を求めたい」「準備期間以外の面でも改革をしてほしい」という声が挙がった。一方、「延長された分のところに研修が入っていて、結局自分の学級の準備をする時間がなかった」という声もあった。



























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