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教員の授業を「5分で可視化」、宮城県内の教育機関でAI分析アプリを実証

株式会社sharedが、教員による授業の質を標準化・可視化する自社アプリの実証実験を実施(出典:株式会社shared、以下同じく)

株式会社sharedは、授業の音声を録音してAIで分析し、約5分で評価レポートを返す自社アプリの実証実験を宮城県内の教育機関で実施したと発表した。

実証は高校2校と学習塾2校、sharedが運営するオンライン学習塾「168塾」で実施し、2026年3月12日に仙台市内で報告会を開催している。

同社は、教員や指導者ごとに授業内容や質にばらつきがあり、その違いが生徒の学習成果に影響している一方で、学校や塾では指導力を評価する指標が不足していることを課題視。教員が自分の授業を振り返る時間を十分に取りにくい課題に対し、168塾の独自アプリ「168share」による指導内容・質の可視化と評価システムを応用して実証実験を行った。

教員ごとに異なる授業内容や質のばらつきに関する課題
評価システムの流れ
実証フィールド・検証の流れ

実証では、授業の録音後に解析結果が出るまでの時間は約5分で、即時にフィードバックができたという。参加した教員18人の評価結果を集計すると、実施前平均は51.2点、実施後平均は52.8点で、大きな差は見られなかった。同社では、中長期的に授業の振り返りと改善を繰り返すことで、実施後の評価=授業の質向上がデータに表れると見込んでいる。

一方で、課題も明らかになっている。インターネット環境の不具合などで正確なデータを取得できない場合があったほか、生徒同士の話し合いが多い授業では音声解析が難しく、表情などの非言語情報が評価しにくいことも判明した。参加教員からは、授業以外の生徒の活動が評価されにくいことや、文字起こしがうまく機能しない場合があるとの意見が出た。

同社は今後の改善点として、録音環境や機材トラブルの影響を減らす体制整備、非言語情報の活用拡大、生徒情報を事前にAIへ学習させるデータモデルの拡張、教育理念に基づく評価項目の設計を挙げている。

報告会では、「革新的なサービス。評価が高い先生がいることは学校にとっての価値にもなり、ブランディングにもつながる」「会議や打ち合わせの質を高めるためにも利用できるのではないか」といった意見が交わされた。