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東京電機大学工学部、「とんがりAO入試」の合格者を発表

東京電機大学が、工学部に導入した「総合型選抜(とんがりAO)」の合格者を発表

学校法人東京電機大学は、工学部(全6学科)で本年度より新設した「総合型選抜(とんがりAO入試)」における、初の合格者を発表した。この入試は、独自に設定した出願資格「とんがり要件」をもとに選抜する方式である。

とんがりAO入試は、高等学校の成績に加えて、ものづくりや研究活動など、特定の分野への強い情熱や経験を持つ“とがった”受験生が対象。出願に必要な「とんがり要件」は5分類・20項目で構成されており、「大学が本当に出会いたい人材像」を明確にしたものだ。

とんがり要件には、「GitHubなどでプログラムコードを公開している」「家電や機器を分解・観察して、各種構造や仕組みを理解し、感動したことがある」「好きなアニメ・漫画・小説などについて科学的・工学的・社会的視点から考察し、少なくとも30分以上は話ができる」などが設定されている。

背景には、入試に特化した対策やテクニックのみを身に付けて試験に挑む受験生が多くなっていることが挙げられている。面接試験では、地域も特色も異なる高校から来ているはずの受験生が皆そろって、マニュアル的で、同じような受け答えをするケースが以前にも増して見受けられるようになっているという。

今回の選抜では、書類選考を通過した26名がプレゼンテーションと面接に臨み、15名が合格した。面接を担当した教員からは、「寝食を忘れてものづくりに取り組む姿勢」「独自の視点を持つ考察力」など、従来の入試では得られなかった手応えの声が挙がっている。一方で、一部の「とんがり要件」については受験生の理解が難しく、改善の余地が指摘された。

大学側は今回の結果を踏まえ、次年度も同入試を継続する方針であり、要件の調整を行いつつ、引き続き個性ある人材との接点を探るとしている。