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大阪府堺市がAI食事管理アプリ「あすけん」を導入、中学生約2万人が11月から利用

大阪府堺市立中学校43校が、株式会社askenが開発するAI食事管理アプリ「あすけん」を導入

AI食事管理アプリ「あすけん」が2025年11月1日から、大阪府堺市立中学校43校の約20,000名の生徒に提供されることが決まった。開発元の株式会社askenと堺市が連携し、全国で初めて中学校に導入される事例となる。

「あすけん」は、食事画像やバーコードを読み取るだけで、食べた食事のカロリーや栄養素が表示され、目標摂取エネルギーや各種栄養素に対する過不足がひと目でわかるAI食事管理アプリである。

今回大阪府堺市立中学校が導入する「学校教育向けバージョン」では、中学生の成長に合わせた栄養基準を設定し、学校給食のメニューが事前登録されているのが特徴。生徒は簡単な操作で食事記録ができ、自分の成長に必要な栄養素を簡単に把握可能だ。

この取り組みの背景には、生活様式の変化やコロナ禍により中学生の食生活に偏りが見られることがある。農林水産省によると、2023年度時点で中学生の朝食欠食率は8.7%と、2019年の6.9%から増加傾向にある。askenは、グループ会社の株式会社ジーエスエフが堺市で学校給食センターの運営を担っている実績から、堺市に食育推進および健康支援策を提案。学校教育向けの「あすけん」が導入される運びとなった。

アプリは授業中にパソコンで使用するが、家庭のスマートフォンでも同じアカウントで利用可能なため、家庭での食育にも活用できる。さらに、広告表示や有料プラン案内などを含まず、教育現場での使用を前提とした設計が特徴。

10月には導入前のトライアル授業も実施され、生徒からは「食事のことを前より気にするようになった」「食事の栄養バランスを考えようと思った」といった反応があったという。今後は食事の記録を通じて、生徒が自らの生活を見つめ直し、主体的に健康管理を行う力を育むことが期待されるという。

栄養教諭による授業の様子
トライアル授業で学校教育向けの「あすけん」を利用する生徒