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東京工科大学、NVIDIA製のAIスパコンを導入――「AI大学」構想のもと、AI人材育成を推進

東京工科大学(東京都八王子市)が、AI教育と研究を加速させるため、NVIDIAのインフラとソフトウェアを利用したAIスーパーコンピューターを10月から稼働すると発表

東京工科大学(東京都八王子市)は、NVIDIA製の統合型AIプラットフォーム「DGX B200」を利用した大規模なAIインフラを構築し、2025年10月から本格稼働させると発表した。

この取り組みは、同大学が進める「AI大学」構想の一環であり、12台のDGX B200をNVIDIAの高速ネットワーク「Quantum InfiniBand」で接続。システム全体のAIの学習理論性能(FP8)が0.9EFLOPS(1秒間に90京回の計算)に達する、AIスーパーコンピューターを学内に常設する。

NVIDIA DGX B200を12台接続し、合計96個のGPUによる大規模なAIスーパーコンピューターを構築

同大学ではこのインフラを活用し、学生によるAIデジタルヒューマン制作や、独自の大規模言語モデル(LLM)構築と活用、AI倫理とガバナンス検証環境の整備、NVIDIA Omniverseのテクノロジーを用いた、現実世界と仮想空間を結びつけるデジタルツインの構築、説明可能AI(XAI)による研究など、6つの重点プロジェクトを展開予定だ。教育面では、生成AIを含む実践的スキルの習得を目指し、産業界と連携したAI人材育成を進めていく。

AIの判断根拠を人間が理解できるようにする技術(XAI)で、透明性・公平性・法的信頼性のあるAIを開発
東京工科大学 AIテクノロジーセンター・ICT部門長 生野壮一郎教授

AIテクノロジーセンター・ICT部門長の生野壮一郎教授は、「AIを学ぶ上で最も重要なのは実践であり、小規模な環境では限界がある。計算資源の制約にとらわれることなく、大規模データと高性能な計算環境を活用しながら学び続けられるようにすることが、世界で活躍できる優秀なAI人材の育成につながると確信している」と述べている。

また、香川 豊学長は、「AIをツールとして使いこなす教育が急務」とし、国内最高レベルのAI教育を開始すると語った。

同大学では、2019年にコンピュータサイエンス学部において人工知能専攻を設置し、全学部の学生が自主的にAIを活用できる環境を用意。次世代の技術者育成や社会課題の解決、産業界との連携強化を目指す総合的な取り組みとして「AI大学」構想を掲げており、2025年の4月には、東京工科大学八王子キャンパスにAIテクノロジーセンターを開設している。