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東京工科大の「みんなのAIスパコン」、ジーデップ・アドバンスが構築

NVIDIAリファレンスアーキテクチャを用いた大規模AIシステム「青嵐」

株式会社ジーデップ・アドバンスは、東京工科大学(東京都八王子市)におけるAI教育の推進を目的として、NVIDIAリファレンスアーキテクチャを採用した大規模AIシステム「青嵐(SEIRAN)」を構築したと2025年10月6日に発表した。

東京工科大学は、AI技術を教育と研究の中心に据える「AI大学」構想を掲げている。その一環として、同大学はNVIDIAとの連携のもと、大規模AIシステム「青嵐」を導入した。ジーデップ・アドバンスは、最新GPUサーバーや高速ストレージ、ネットワークなどを組み合わせたAI基盤を設計・構築し、今後の運用支援も継続的に行っていく。

「青嵐」は、NVIDIAの最新GPU「DGX B200」12台を基に構成したシステムで、各ノードをネットワーク自体が計算処理を担う「InfiniBandプラットフォーム」で高速接続し、各ノード間の疎通帯域は1,600GB/s、全体で0.9EFLOPSのAI性能(FP8)を持つ。推論性能(FP4)では、1.9EFLOPSに達するという。

同大学では、NVIDIAとの学術連携を活用し、生成AIやロボティクスなどを学ぶ学生向けの教育プログラムを展開してきた。今後はこの「青嵐」を「みんなのAIスパコン」と位置付け、専用の大規模言語モデル(LLM)やAI倫理検証環境、説明可能AI(XAI)研究などにも活用する予定だ。

学長の香川 豊氏は、AIリテラシーを持つ人材育成は喫緊の課題だが、日本のAI教育が世界と比べて遅れていると指摘。「10年、20年先の未来社会で求められるAI技術を学ぶための、国内最高レベルの環境を提供する」とコメントしている。