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Scratch互換環境に「カメラ対応生成AI」を提供、ティーファブワークスがパイロット校の募集開始

株式会社ティーファブワークスが、「カメラ映像に対しての質問に答える生成AIブロック」のベータ版をリリース

株式会社ティーファブワークスは、授業で活用できるカメラ対応AkaDako生成AI(ベータ版)のパイロット校募集を開始した。この生成AIは、Scratch互換環境(Xcratch、Stretch3)向けに開発したもので、「カメラ映像に対しての質問に答える生成AIブロック」を利用できる。

AkaDako生成AI(ベータ版)は、Webカメラの映像をScratchのステージ上に表示し、その内容についてAIに質問できる機能を持つ。これにより、駐車場の空き状況を確認するアプリや、試聴障がい者向けアプリなど、映像を活用したアプリ開発が可能となる。

映像を活用したアプリ開発が可能

さらに、Scratch用拡張ボード「AkaDako」シリーズと組み合わせることで、遠隔地への情報伝達やセンサー・アクチュエータとの連携が実現するという。

ティーファブワークスは、教育現場で児童生徒が自身のアイデアを具体化できる環境を提供することを重視している。しかし、授業時数は限られており、十分な実践機会を確保するのは難しい。そこで、同社は生成AIを活用したアプリ開発環境を無料で提供し、短時間での効果的な学習を支援する。

文部科学省は2024年12月に「初等中等教育段階における生成AIの利活用に関するガイドライン(Ver.2.0)」を発表した。AkaDako生成AI(ベータ版)は同ガイドラインに準拠し、安全な教育環境を提供するためにAWS Bedrockを採用している。また、教員が活用できる管理機能を備え、利用制御やログ閲覧が可能。授業での適切な活用を促進するため、教員向けのオンライン研修を実施予定だ。

通常、生成AIアプリの開発時には、生成AIのAPIにアクセスするためのAPIキーが必要となる。APIキーの発行・利用には利用規約上の制限があり、授業での取り扱いに課題があったという。AkaDako生成AI(ベータ版)では、AkaDakoのデバイス自体をAPIキーの代わりとすることで、児童生徒がAPIキーを意識せずに、生成AI活用アプリを開発できるようにする。

AkaDako生成AI(ベータ版)の利用の流れ

第1期パイロット校募集の申込期間は、2025年3月16日から4月11日までとなっており、利用可能期間は2025年6月1日から2026年3月31日まで。パイロット校として採択された場合、学校名か自治体名の公表、実践結果についてのレポート提出が求められる。対象は小学校5年生以上で、18歳以下の場合は生成AIの利用について保護者の許諾が必要。