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自信を持てない中高生の自己効力感を育む、手帳開発プロジェクトが始動
2025年1月30日 17:00
feppiness株式会社と、教育機関向けに海外研修・インターンシップを提供するタイガーモブ株式会社は、中高生向けの手帳「pure life diary for student」の共同開発を開始すると2025年1月29日に発表した。
この手帳は、一般的なスケジュール管理を目的としたものではなく、「自分を整え、知り、叶えるを実現する」をコンセプトとして、自身の感情や思考を整理し、自己理解を深めることを目的としている。これまで約1万人に利用されてきた社会人向けの手帳「pure life diary」のノウハウを生かし、中高生向けに特化したプロダクトとすることが目標だ。
こども家庭庁の調査によると、日本の若者の自尊感情は16.9%で、世界主要国と比較して低い傾向にある。また、小中学生の不登校者数は11年連続で増加し、2023年度には30万人を超えた。さらに厚生労働省の調査では、小中高校生の自殺者数が過去10年間の推移で増加傾向にある。
このような状況の背景として、SNSを通じた他者との比較による自己肯定感の低下や、進路や将来への漠然とした不安があると考えられる。特に、中高生はアイデンティティーや「自分らしさ」を見失いやすい時期であり、そのサポートが求められている。
「pure life diary」の開発者は、タイガーモブが提供する海外インターンシッププログラムに参加し、学生たちとの交流の中で活動した経験から、手帳を通じて中高生が「自分らしさ」を探求するサポートができるという確信を得て、手帳開発に至ったという。
「pure life diary for student」では、中高生が日常の中で自分自身と向き合う習慣を身に付けられるように設計する。特に、他者比較で自信を失いやすい中高生が、自分の強みや夢中になれることを知り、自己肯定感を高めるための仕組みを提供。思春期特有の感情の揺れを受け止め、言語化することで、心の健康を保つサポートを行う。さらに、環境や社会的な価値観に影響されやすい中高生が、自分の思い込みや認知のゆがみに気付き、修正していくきっかけを与える。
同プロジェクトでは、日記を利用する中高生とともに開発を進める。具体的には、中高生の有志メンバーによるプロトタイプ版の制作や中高生へのインタビューを通じたニーズの把握と構成・デザイン化のほか、プロトタイプ完成後に参加型リアルイベントでの発表などに取り組む予定だ。
プロジェクトに参加する高校2年生は、「手帳を使って日頃内側にためている思考や感情を引き出すことで、自分の価値観を可視化させ、なりたい自分に近づきたい」「自分のことを紹介するにあたって、どんな人なのかどんなことを大切にしたいのかを知りたい。手帳で自分のことを深め、知れたらいいなと思う」といったコメントを寄せている。
なお、「pure life diary for student」の開発に関わる中高生や教員の参加募集も実施する。手帳制作のデザインやアイデア出しからイベント企画、運営、SNS発信といったPR活動を2月から9月ごろまで行う予定で、LINEでの意見交換やオンラインでの打ち合わせが主な活動内容となる。制作メンバーへの参加は、エントリーフォームから応募が可能だ。