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小中学校教諭のFAX使用「月に1回以下」が72.8%、アドビ調査

教育現場のFAX廃止を73.2%が知らなかったと回答

FAXの使用頻度

 アドビ株式会社は2024年4月25日、全国の国公立の小学校および中学校に勤務する500名の教諭を対象としたFAXの利用状況と校務のデジタル化に関する調査結果を発表した。現在でも多くの教諭がFAXを利用する一方で、FAXの廃止については賛成する教諭が過半数を占めた。

 今回の発表内容は、小学校教諭250名と中学校教諭250名に対して調査したもの。FAXの利用頻度を聞いた質問では「だいたい毎日」が7.2%、「およそ週に複数回」が6.4%、「およそ月に数回」が23.8%、最も多い回答の「月に一回以下」が49%、「全く使わない」は13.6%。

 FAX全く利用しない教諭は1割程度だったものの、「およそ月に数回」と「月に一回以下」を合計すると72.8%となり、頻度は低いながらもFAXを利用する教諭が多いことが分かった。さらに、FAXを利用している理由を聞くと、「慣習的にこれまで受信側もFAXでの連絡を希望していたから」という回答が58.6%となった。

 2023年12月、政府のデジタル行財政改革会議の中間報告がまとまり、2025年度までに教育現場でFAXをやりとりすることや押印をすることが原則廃止となる。FAX廃止についての認知度は、「知っていた」が26.8%にとどまり、「知らなかった」が73.2%となった。

学内FAXの原則廃止を知っていたか
FAX廃止についてどう思うか

 FAX廃止については、「とても良いと思う」が19.8%、「良いと思う」が31.6%と2つを合計すると賛成は51.4%。FAX廃止のメリットを聞くと「ペーパレスにつながる」が80.5%と多くを占め、次いで「業務効率化につながる」が45.5%となった。

FAX廃止のメリット
FAX廃止のメリット(管理職教諭・一般教諭)

 さらにこの問いを管理職教諭と一般教諭で分けた場合、管理職は「文部科学省や教育委員会とのやりとりのデジタル化」を60%がメリットとしたほか、「個人情報保護対策や機密情報管理の徹底につながる」も45%がメリットになるとしている。

 一方、デジタル化で最も仕事効率が上がる校務は、「過年度のPDF書類について、PDF閲覧・編集ソフトで数字や曜日などのテキストを直接修正する」で、「とても効率が上がると思う」と「多少は効率が上がると思う」を合わせた回答は79%となった。いずれもデジタル化の具体例に対し、多くの教諭が肯定的な考えを持っていることが分かった。

過年度文書のPDF修正で仕事の効率が上がるか

 また、電子サインについて聞いた質問では、「電子サインの利用経験は全くない」が約7割に達している一方、電子サインが効率化につながるかについては、54.2%が「思う」と答えている。

画面上で電子サインをした経験があるか
電子サインで業務が効率化するか