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AIを活用して学ぶ力を育成する、ベネッセが「チャレンジ AI学習コーチ」を3月20日より提供開始
2024年2月6日 12:03
株式会社ベネッセコーポレーションは「進研ゼミ小学講座・中学講座」の小学4年から中学3年生の会員を対象に、新サービス「チャレンジ AI学習コーチ」を2024年3月20日以降に提供開始することを発表し、2月2日に新TVCM発表会を開催した。発表会は、株式会社ベネッセコーポレーション 校外学習カンパニー カンパニー長 成島由美氏、新TVCMに出演した向井 理さん、お笑い芸人のナイチンゲールダンスが登壇した。
成島氏は、「55年間培ってきた指導ノウハウと学習データはベネッセの宝」と語り、生成AIを含む最新技術を掛け合わせた、新サービスの発表に意欲を見せた。
社会の変化に伴う子供たちの学習動機や生活の多様化を受けて、より個別最適化された学習が求められると同氏。「学習意欲が低下した子供たちを振り向かせたい」、「より1人ひとりに寄り添うサービスが必要」だと強いメッセージを発信した。
成島氏によると、ベネッセは新しい学習サービスのコンセプトとして「いつでも!どこでも!わかるまで!1人ひとりに最適なやり方で学べる」といったメッセージを掲げている。具体的なサービスとしては、「チャレンジAI学習コーチ」と「Nintendo Swithc/スマートウォッチ」、「先輩・専門スタッフの指導サービス」という3本柱を新たに開発し、中でも、チャレンジAI学習コーチは目玉のサービスだと期待を寄せている。
「チャレンジ AI学習コーチ」で本当に知りたい疑問を引き出し、解消する
チャレンジ AI学習コーチは、「進研ゼミ」の学習や学校の宿題に取り組む中で生じた、教科の疑問点について、いつでもわかるまで質問でき、即時に疑問を解決するサービス。対象は、3月25日より提供開始する小学4年生から6年生と、3月20日より提供開始する中学1年生から3年生。対応教科は小学生が国語・算数・英語・学習法で、中学生が国語・数学・英語・理科・社会・学習法となる。
同サービスはChatGPTを活用しており、進研ゼミの会員から届いた年間180万件以上の質問や疑問分析に基づき、人間的なやり取りの中で疑問解消へ導く。解決できない場合は、進研ゼミスタッフが答える質問サービスと連携し、解消を目指す。
子供たちの学習意欲の低下に一石を投じる
ベネッセは2023年7月から9月にかけて、小学生親子向け生成AI「自由研究お助け AI」を無償提供している。成島氏は、チャレンジ AI学習コーチではその成果と検証を生かし、「曖昧になりがちな子供の問いかけや稚拙な言語表現から「本当に知りたいこと」を引き出し、疑問解消へ導く」と述べた。
ベネッセが小学4年生から中学2年生とその保護者1,040人を対象に行った「子どもの疑問解消に関する意識調査」では、約7割の子供が自主学習をやっていてわからないことがあったとき、「調べ方がわからない」と実感。また、保護者も同様に7割以上が「教え方がわからない」と回答したという。
成島氏は、「子供たちが学校では恥ずかしくて質問できないことや、聞く相手がいない時に『チャレンジ AI学習コーチ』を使うことによって、『わかるようになった、また聞こう』という自己肯定感を育みたい。AIを使いながら、自ら学ぶ力を育てていきたい」と語った。
体験会では教科の疑問以外の質問も
発表会では向井 理さんとナイチンゲールダンスがチャレンジ AI学習コーチを体験。「少数のわり算の解き方」について質問した。
提示された解説動画を観て、向井さんは、「説明がとてもわかりやすい。ちょうど子供が学校でかけ算や割り算を習っているので、ドヤ顔ができそうです」とコメント。さらに、時間や場所に関係なく質問できる点が良いと語った。
また、ナイチンゲールダンスの2人は教科の質問ではなく、自由記述する質問に挑戦。「僕芸人なんだけど、どうしたら売れますか?」と質問すると、「芸人を目指すのは素晴らしい夢だね!」と肯定的なメッセージから始まり、「売れるためには自分らしさを大切にして、独自のネタやスタイルを追究しよう」と具体的なアドバイスが提案された。
最後の質疑応答の場で、従来の「赤ペン先生」を縮小するのかという質問が上がると、成島氏は「高齢化などの影響を受け縮小傾向になる」としつつも、「人が指導する良さやコーチングは引き続き大事にしたい。新しいテクノロジーを使って、大学受験生を志望校の卒業生が指導するサービスや専門性の高い分野、障害者向けなど、幅広い指導を早く、密に行っていく」と語った。