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宮城県総合教育センター、情報モラル教育の動画教材「#60秒情報モラル」を無料公開

宮城県総合教育センターが発信する情報モラル育成パッケージ「#60秒情報モラル」

宮城県総合教育センター 令和3年度情報教育グループ(以下、宮城県総合教育センター)は2022年3月に、独自で作成した動画教材となる情報モラル育成パッケージ「#60秒情報モラル」を発表した。動画は、宮城県総合教育センターの情報教育研究グループのページで公開されており、学校で使う場合に限り、どの地域の教員も利用できる。

1人1台端末が当たり前になり、学校現場でICT活用が進むなか、情報モラル教育の内容も多様化している。これまでは、長時間の利用やSNSトラブルへの注意喚起など、危険性の啓発やルール作りの指導が中心となっていた。しかし、学習アプリやクラウドサービスの利用など端末の学習利用が増えてきた今、日常的かつ継続的な情報モラル教育が求められている。

そんななか、教育関係者の間で利用が広がっているのが、宮城県総合教育センターが独自に作成した情報モラル育成パッケージ「#60秒情報モラル」だ。

同パッケージは、約60秒で視聴できる短い動画教材で、活用方法を解説する「解説動画セット」と、実際の授業等で活用する「動画教材セット」の2つで構成されている。

「解説動画セット」は導入編、授業実践編、家庭連携編の3つが用意されており、具体的な活用方法や場面、家庭との連携の仕方について分かりやすく解説している。

端末管理やログイン、カメラ利用時の著作権や共同編集でのマナーなど、さまざまな利用シーンに対応する動画が40本以上用意されている

「動画教材セット」は40本以上の動画教材と、その活用を助ける「動画教材一覧表」、「動画教材解説シート」がセットになっている。「動画教材一覧表」は児童生徒の実態に応じて、どの動画を選択するのがよいか、選びやすさも工夫。具体的には、情報モラルに関するキーワード、情報モラル指導モデルカリキュラム表の情報モラル5項目、情報活用能力との関連など、様々な観点から、児童生徒に見せたい動画を選ぶことができる。

また、ICTに苦手意識があったり、情報モラル教育に不慣れな教員に対しても配慮されており、各動画教材について、場面ごとに最低限押さえておきたい気付きの例が、児童生徒の発達の段階に応じてまとめられている。動画の内容をもとに、さらに考えを深めさせるための発問や学習活動の例も記載されており、指導に役立てやすい。

「動画教材解説シート」では児童生徒の発達に応じた気付かせたいことの目安、さらに考えを深めるための「StepUpアクティビティ」が分かりやすく解説されている

「#60秒情報モラル」は、児童生徒がICTを活用するうえで必要なことについて気付き、考え、対話することによって、情報モラルへの理解を深めることを想定して作られている。約60秒という短時間で視聴でき、授業の導入や集会活動、朝や帰りの時間等など、柔軟に学習活動に取り入れやすいところが教員の評価を得ているという。