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宮城県総合教育センター、教職員向けの生成AIガイドブックを公開
2024年12月19日 12:03
宮城県総合教育センターは、県内教職員が生成AIについての校内研修や自己研修に利用できる生成AI活用研修ガイドブック「はじめよう! 生成AI ~教職員による授業・校務での活用~」を12月11日に公開した。
プレゼンテーション資料形式のPDFファイルで、宮城県総合教育センターの 「ICTを活用した授業づくり」 からダウンロードできるようになっている。学校の校内研修や個人研修で利用する場合に限り、改変を行わないことを条件に自由に利用できる。
最新のトレンドを追うことや高度な活用を目的とするのではなく、教職員が社会で使われているツールの実際を知ることで、生成AI活用の最初の一歩を踏み出し、日々の教育活動のアップデートに生かしてもらうことを目的としている。
ガイドブックは5章構成。生成AIの概要と利用する前に確認すべきことに始まり、使い方の基礎を学び、さらに授業や校務での活用事例も知ることができるようになっている。説明は、ICTが得意ではない教職員にもわかりやすく親しみやすいものを目指している。
第1章では、まず生成AIの概要と利用する前に確認すべきことを学ぶ。確認すべきこととして、自治体や教育委員会のルール、生成AIサービスの利用規約、文部科学省のガイドラインの3つを挙げているのが教職員向けらしい点だ。
第2章では使い方を学ぶ。ChatGPTに質問して思ったような成果が返ってこなかった場合に、質問を繰り返して望んだような結果を得るところまでの過程を見せている。特に初めて使うときには、どのように質問して結果を得ればいいかのコツがわからないので、そこについて順を追って説明していてわかりやすい。
そのうえで第3章では、実際に生成AIを実習する。ChatGPTでの、入力内容を機械学習に利用しない設定も紹介している。
第4章は、生成AI活用事例集だ。宮城県教育委員会が学校現場における利用を認めているChatGPT、Copilot及びGeminiの3つを活用した事例が、「作ってもらう」「教えてもらう」「手伝ってもらう」の3つに分類されて紹介されている。
「授業編」では「誤情報を含む教材を作ってもらう(社会)」「料理に不足している栄養素や食材を教えてもらう(家庭)」など16件の事例が、「校務編」では「日本語を母語としない保護者向けに文書をなおすのを手伝ってもらう」「アンケートを作ってもらう」など13件の事例(計29件)が掲載されている。いずれも工夫やプロンプトの例などを含めて紹介されており、直接の参考やヒントとして、自分が生成AIを活用するときに役立つだろう。
最後の第5章は、FAQ(よくある質問)がまとめられている。ハルシネーションや個人情報流出の心配、利用のための手続き、あるいは「児童生徒が生成AIを使ったら、自ら考えなくなるのではないでしょうか?」といった多くの人が抱く疑問について答えている。