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【EDIXで見つけたAI】特別支援学校の「個別の指導計画」作成をAIで支援、Polaris.AI

―「EDIX東京2026」レポート⑯

Polaris.AI株式会社のブース(撮影:編集部、以下同じく)

Polaris.AI株式会社は、2026年5月13日から15日まで東京ビッグサイトで開催された「第17回 EDIX(教育総合展)東京」で、特別支援学校の「個別の指導計画」の作成を支援するAIアシストツールのデモを紹介した。

同社は、東京大学松尾研究室発のスタートアップ企業だ。文部科学省の「学びの充実など教育課題の解決に向けた教育分野特化の生成AIの実証研究事業」において、「特別支援における支援計画等の作成支援による教員の負荷軽減・指導力向上や、自立活動の深化の実現」として採択を受けている。

特別支援学校では、児童生徒の実態や支援の方向性を整理した流れ図をはじめ、個別の教育支援計画、年間指導計画、個別の指導計画などを作成する必要がある。一方で、学習指導要領や自立活動、障害の種別や発達段階への理解など、考慮すべき要素は多く、経験の浅い教員にとっては負担が大きい。こうした業務の重さが、新任教員の離職の一因になっているという指摘もある。

同ツールでは、教員が過去の流れ図や個別の教育支援計画などをまとめたExcelファイルをアップロードすると、AIが生徒の実態情報を読み取り、根拠とともに指導計画などの素案を生成する。

AIアシストツールの画面。作成したい項目を選択する

教員はその草案をもとに、自立活動の目標や手立て、各教科の重点目標と指導の手立てについてチャットでAIに相談しながら内容を具体化・修正できる。変更履歴は自動で記録されるため、後から修正の経緯を確認することも可能だ。最終的にはExcelで開くことができるファイル形式で出力される。

AIとの相談画面に年間目標を入力し、個別の指導計画を作成
教科や活動を選択して作成することも可能

開発にあたっては、ベテラン教員の判断や指導の組み立て方をヒアリングし、同ツールに反映している。担当者は、「『ベテランの先生が中にいるような感覚』で若手教員がAIに相談しながら計画を作れることを目指している」と説明した。

担当者によると、個別の指導計画などは学校ごとに異なるフォーマットが使われているという。ツールの導入を進めるうえでは、計画作成を支援するだけでなく、業務で使いやすい様式にどう整えるかも重要になりそうだ。

AIが生成した個別の指導計画の素案。Excelで読み込んでそのまま業務に使えるフォーマットになっている

同社は、公式サイトで静岡県教育委員会の事例を公開している。会場配布資料では、静岡県内での実証において、生徒一人あたりの計画作成時間を平均59分、22%削減したと紹介。実証に参加した新任教員からは、「児童生徒一人ひとりについて各教科の素案が示されるため、ゼロから作成するより負担が軽くなった」という声が寄せられていた。

導入を検討する自治体や教育機関に向けては、トライアルの案内も行っている。今後は、特別支援学校での活用を軸にしながら、特別支援学校以外の個別の指導計画作成支援にも応用できるかを探っていく考えだという。

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本多 恵

フリーライター/編集者。コンシューマーやアプリを中心としたゲーム雑誌・WEB、育児系メディアでの執筆経験を持つ。プライベートでは小学生兄弟の母。親目線&ゲーマー視点でインクルーシブ教育やエデュテインメントを中心に教育ICTの分野に取り組んでいく。