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椅子が変わると机時間も変わる?小5男子の「集中できない」を改善した“1脚”
2025年7月15日 06:30
うちの子、家で集中して学べている?
今のリビング学習、そろそろ見直す時期かも……。
自宅で学習する子供の姿を見て、このようなことを感じている保護者も多いのではないだろうか?小5の長男と小1の次男を持つ筆者も、その一人だ。
特に、高学年の長男はリビング学習が限界にきていた。教科書の内容が難しくなり、塾に通い始めたことで、机に向かう時間が以前と比べ物にならないほど長くなったのだ。
「このままじゃダメだ!」と思い、長男専用の机と椅子を用意することにした我が家。成長期にふさわしい椅子を探すなかで、姿勢に良いという株式会社イトーキの学習椅子「KS32」に出合い、使ってみた体験を母親目線で綴る。
リビングに学習机を置いたけど…
リビング学習でもない、子供部屋でもない、「1.5リビング学習」へ
子供も母親も気に入った「KS32」の推しポイント
①集中とリラックスのどちらも心地いい、スマートロッキング機能
②座面と背もたれを「スライド調節」、成長に合わせて長く使える
③くるくる回らない! 集中力を守る「座面の回転止め」機能
「ちょっと作業してくるね」、自ら机に向かうことも……
リビングに学習机を置いたけど…
まずは、我が家の学習環境について触れておこう。一軒家だが、部屋数が少ない我が家は子供部屋を作っておらず、リビング学習一択で長男の小学生ライフが始まった。リビングの片隅に収納付きの机と長椅子を置いて、入学当初は、筆者が隣に座って宿題のフォローをしていた。
この環境で1・2年生までは問題なかったが、成長するにつれて、長男の姿勢が悪くなってきた。座面に片足を乗せて体勢が崩れるほか、机の位置が低いため、どんどん猫背になる。座面が固いのも、長時間座るには適していなかったようで、いつしか、この机も使わなくなり、食卓で学習することが当たり前になっていった。
一方で、食卓での学習には、さまざまな支障が生じる。隣で弟がお菓子を食べたり、動画を見始めるので集中できない。さらに、食卓の椅子は高さを変更できないので、長時間座るのに向いていない。集中できないまま、なかなか宿題が終わらない長男。親子共にしんどい時間帯が続く……。
そのころには学校の宿題に加えて、塾の宿題も始まっていたので、 遅い時間になっても夕食を並べることができず、生活リズムが狂う悩みも併発 していた。
リビング学習でもない、子供部屋でもない、「1.5リビング学習」へ
こんな悩みから始まった、長男の学習環境アップデートプロジェクト。我が家は諸事情により、まだ子供部屋を作ることはできないので、リビングと地続きになっている和室に、長男専用の学習スペースを設けることにした。以前は、男子2人のプレイルームと化していた部屋だ。
この和室に長男用の机と椅子を新しく用意し、学習スペースをつくることに……。新しく用意する机と椅子については、以下の2つを重視した。
・軽量の机であること
(将来、子供部屋を作ったときにも簡単に移動できるようにしたい)
・長時間座れる椅子であること
(長時間座っても疲れにくく、成長に合わせて長く使える椅子を選びたい)
特に椅子選びは重要で、椅子が合わないと姿勢が悪くなり、足がぶらついて集中力が途切れやすい。また、机との距離が近くなってしまうと、視力が悪くなる心配もある。
そこで、我が家は、受験勉強やプログラミングなど、長時間机に向かう小学生でも正しい姿勢で集中できるという、イトーキの学習椅子「KS32」を選んだ。和室に設けた長男の学習スペースには、電気スタンドやラックも置いてアップデートした。
リビング学習の進化形という意味で、筆者はこれを「1.5リビング学習」と呼んでいる(1がリビング学習、2が子供部屋として、その間を取って1.5とした)。
子供も母親も気に入った「KS32」の推しポイント
今回選んだイトーキの学習椅子「KS32」であるが、見た目がすっきりしていて、生活空間に馴染みやすい感じなのがいい。重さも13.1キロと軽めで、子供でも動かしやすいのがありがたい。
カラーバリエーションは全5色(ミントグリーン/ピンク/パープル/ネイビー/グレー)で、長男はミントグリーンを選んだ。どんな部屋にも合わせやすい色がラインナップされていて、これも嬉しい。
長男が気にいったのは、 姿勢をサポートする機能はもちろん、休憩中にリラックスできる「スマートロッキング機能」を備えている点 。子供でもそういうのはちゃんと分かるらしい……
ここからは、具体的に使って良かった点を紹介していく。
①集中とリラックスのどちらも心地いい、スマートロッキング機能
長男イチ推しのスマートロッキングは、体の動きに合わせて背もたれの角度が自由にしなる機能だ。自然に傾いてくれるので、集中しているときも、ちょっと伸びをしてリラックスしたいときも、常に背もたれがぴったりとサポートしてくれる。
これまで食卓用の椅子では、長く座っていると体をずらしたり、立ち上がってウロウロしがちだった長男。でも、この椅子なら、自分の動きに合わせて背もたれが揺れるのが心地いいらしい。ロッキングで気分転換したり、軽く体を伸ばせるようになったことで、以前よりも机に向かうのが少し楽になったみたいだ。本人も 「背中が痛くない、これなら長い時間座っても大丈夫そう」 と言っていた。
先日、少し難しい課題に取り組んでいたときも、行き詰まったときに、椅子にもたれかかってリフレッシュしてから、また机に向かって問題を解き始めていた。何気ない仕草であるが、今までだったらここで集中力が切れていたようにも感じる。自然に力を抜いて、また集中できるところが学習椅子としてよくできていると思った。
②座面と背もたれを「スライド調節」、成長に合わせて長く使える
また、子供の体格に合わせて、細かく座り心地を調整できる点もKS32の魅力の1つだ。イトーキ独自の人間工学に基づいた傾斜スライド機能で、「座面の奥行き」と「背もたれの高さ」を同時にスライドさせて調整できる。スライド幅は最大8cmで、浅く座りたいときも、深く腰かけたいときも、 体格や好みに合わせて固定位置を無段階で変えられる のがうれしい。
また、背中と腰を支える背もたれも、しっかりしたダブルアーム仕様。背もたれの面積が広いので、ちょっとリクライニングして寄りかかっても安定感ばっちり。さらに、適度な反発が心地よい、 ウレタン素材の座面 も長男のお気に入りポイント。 二重構造のクッションが敷かれており、固すぎず、柔らかすぎず、長く座っても疲れにくい ようだ。
母親としては、学習椅子はできれば長く使ってほしいと思うのもの。KS32の座面は約48cmから55cmまで高さを調整できるので、これから背が伸びても長く使えそうなのもGOOD!。
③くるくる回らない! 集中力を守る「座面の回転止め」機能
母親目線で嬉しいのは、 座面の回転をロックできる機能 。子供はよくこういう椅子に座ると、くるくる回って遊びがちだが、回転ロックでそれを防げる。兄の新しい椅子に興味津々な弟が、不用意に椅子を回してケンカが勃発!……という心配もなくなり、母もひと安心。
また、地味だけど使ってみて良かったのが足置きステップ。幅39.4cm・奥行き22.7cmの足置きステップには、エンボス加工の滑り止めが施されている。足をぶらぶらしたり、座面に片足を乗せる癖がある長男だが、 足を預けるステップがあることで、安定して座ることができた。 集中力アップにもつながりそうだ。
足置きステップ自体は、一般的な学習椅子でもよく見かけるが、KS32が優れているのは「ズレ止めクリップ」が付いていること! これなら、足の重みでズレ下がってしまう心配もない。ステップの高さは、好みに応じて約20cmから26cmまで調整可能となっている。
ちなみに、キャスターにも座ったときの体重で沈み込んで動かなくなる「荷重ロック」を備えている。こちらは、キャスターに付いたノブを回すことで、自由に切り替えが可能。我が家の場合、和室にマットを敷いて、その上に椅子を置いているので、畳を守る意味でもロックは欠かせない。
最後にどうしても推したい母親的メリットを1つ紹介したい。それは、 シンプルなデザインゆえのお手入れのしやすさ! スッキリした形状で、足置きステップもフラットでホコリがたまりにくいため、お手入れも簡単だ。これも、長く使い続けるうえでは大事な視点だろう。
「ちょっと作業してくるね」、自ら机に向かうことも……
自分だけのスペースができたことで、長男の様子にも変化が出てきた。これまでは、母が声をかけるまで机に向かわなかったが、すすんで宿題に取り組む姿が増えたように思う。最近では、学習だけでなくマインクラフトや工作など、自分の好きなことに集中する時間も増えた。「ちょっと作業してくるね」と、自ら机に向かう姿に、環境が子供の意欲を引き出す力が大きいと感じている。
学習椅子はただの家具ではなく、子供の成長や学習習慣を支える大事な相棒だ。長く使うものだからこそ、デザインや価格だけでなく、子供に合ったものを妥協せずに選びたいもの。 学ぶ場所が『自分の居場所』になれば、子供の意欲も変わる ——そのことを、今回あらためて身に染みて実感したのだった。