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「特性のある子だけの話ではない」、小児科医が子供への褒め方・声かけを教員に解説

教員向けイベント「先生の学校2026」に登壇した小児科専門医の西村佑美氏(出典:一般社団法人 日本小児発達子育て支援協会、以下同じく)

一般社団法人 日本小児発達子育て支援協会は、同協会代表理事で小児科専門医の西村佑美氏が、東京都の広尾学園中学校高等学校で開催された教員向けイベント「先生の学校2026」に登壇したことを2026年10月13日に発表した。

先生の学校2026は、公益財団法人こども教育支援財団が2026年9月13日に開催したイベントだ。「教育こそ最高の仕事」をテーマに、小学校・中学校・高等学校の教員や教員志望の学生を対象として実施している。

西村佑美氏は「発達特性の活かし方を考える」をテーマに、ショート講演と分科会を担当。ADHDなどの発達特性を持つ子供への接し方や、子供の行動の背景を理解することの大切さを解説した。

講演では、発達特性を問題として捉えるだけでなく、子供の強みとして生かす視点を紹介。例えば、ADHDの特性がある子供は、授業中に席を立ったり、思い付いたことをすぐに発言したりして注意されることがある一方、同じ特性が発想力やひらめきにつながる場合もあるという。

「先生の学校2026」で登壇者と話す西村佑美氏

また、子供の行動には理由があり、目に見える行動だけをやめさせようとするのではなく、その背景を探ることが重要だと説明した。分科会では、参加した教員から、「こうした接し方は発達特性のある子供だけに限らないのではないか?」という質問も寄せられた。

西村氏は、発達特性のある子供への関わり方を学ぶことが、学級全体への接し方を見直すことにもつながると考えている。

日本小児発達子育て支援協会は、2026年7月31日に沖縄県立総合教育センターで実施した夏期短期研修について、教職員167人の振り返り結果を公表した。同講座は、「発達障害がある幼児・児童の理解と支援」がテーマで、幼稚園から高校までの教員・養護教諭・栄養教諭・支援員が参加する公的な研修講座である。

研修後の満足度は「満足」が86%、「どちらかというと満足」が14%で、回答者全員が肯定的に評価した。自由記述については、日本小児発達子育て支援協会がキーワードごとに分類し、内容を集計している。

その結果、「褒め方・肯定的注目」に触れた回答が87人で52%と最も多かった。次いで「行動の理由や背景を探る視点」が52人で31%、「障害の捉え方」が50人で30%となった。また、42人(25%)が、「2学期から」「明日から」「すぐ実践できる」といった内容を記述していた。

西村氏は、応用行動分析(ABA)やペアレントトレーニング、親子相互交流療法(PCIT)、アーリー・スタート・デンバー・モデル(ESDM)など、研究で効果が確認されてきた支援方法を講演内容の土台としている。

講演で伝えていること土台にある方法
良い行動を見つけて、そのまま言葉にして返す(肯定的注目)ペアレントトレーニング、PCIT
行動の前後に何があったかを見て、理由を探る応用行動分析(ABA)
叱るときは、穏やかに、近づいて、落ち着いた声で伝える(CCQ)ペアレントトレーニング
「目を見なさい」とは言わず、目が合ったときに大人が応えるESDMなどの早期支援

また、延べ1万組以上の親子を診察した専門医の立場から「効果のある関わり方」を紹介。最重度自閉症の姉とともに育った経験や、発達特性のある子供を含む3人の子供を育てる母親としての経験を講演に取り入れているという。

西村氏の講演に耳を傾ける参加者

西村氏は、「最重度自閉症の姉と育ち、発達特性のある子の母として、教科書通りにいかない毎日を過ごしてきた。だから講演では、医師として『なぜ効くのか』を説明し、家族として『うまくいかない日はどうするか』まで話をする」とコメントしている。

講師プロフィール

西村佑美(にしむら ゆみ)
小児科専門医/子どものこころ専門医/小児心身医学会認定医/産業医
一般社団法人 日本小児発達子育て支援協会代表理事
株式会社CDPSA代表取締役

宮城県出身、三児の母。最重度自閉症の姉と育ち、家族に寄り添える医師を志す。大学病院・地方病院で発達専門外来を立ち上げ、延べ1万組以上の親子を診療。自身の長男の発達特性に悩んだことから当事者家族としての視点も持つ。2020年、余命宣告を受けた母親との出会いがきっかけで「ママ友ドクター」プロジェクトを始動。2022年に、オンラインサロン「子ども発達相談アカデミーVARY」を主宰。著書『最新の医学・心理学・発達支援にもとづいた子育て法 発達特性に悩んだらはじめに読む本』(Gakken)は、Amazon4冠・累計1万4,000部。