ニュース

マイクロソフト、全国の教育現場で広がるICT活用事例集を公開

日本マイクロソフト株式会社が、同社が提供する教育現場向けソリューションの導入事例をまとめた「ICT活用事例集」を公開

日本マイクロソフト株式会社は、全国の教育現場においてICTを活用した教育環境整備の成功事例を紹介する冊子をMicrosoft EducationのWebページで公開した。同冊子は、各地の教育委員会や学校と連携し、授業運営や学習環境の向上を目指した取り組みをまとめたもので、無料でダウンロードが可能だ。

同冊子は48ページで構成しており、「学習/校務アプリ」「AI活用」「デバイス」「セキュリティ」「データ活用」の各カテゴリーで事例を紹介。「学習/校務アプリ」では、Microsoft 365 Educationに含まれるツールで、紙による申請作業時間を96%削減した聖徳大学附属取手聖徳女子高等学校の事例や、教育版マインクラフトを不登校支援に活用した長野市教育委員会の事例を掲載している。

出欠アプリで入力した情報が、自動で出欠管理エクセルや給食管理エクセルに転記される(聖徳大学附属取手聖徳女子高等学校)
教育版マインクラフトを活用したことによる子供たちの変化(長野市教育委員会)

「AI活用」では、愛知県立一宮高等学校の事例を掲載。同校では、Formsでの小テスト作成や定期考査の解説プリント作成、非常時のファイル復元まで、校務全般にわたってMicrosoft 365 Copilotを活用。Copilotを使ってファイル、メールやチャットを探すケースで絶大な時間短縮効果があり、従来1時間かかっていたテスト問題の作成作業は5分に短縮されたという。

Copilotを使いFormsで小テストを作成した例(愛知県立一宮高等学校)

また、「デバイス」では佐賀県立致遠館高等学校がCopilotとSurfaceを組み合わせたプログラミング授業を紹介。生徒たちは3Dゲームの操作方法を学んだ後、Copilotと対話しながらPythonのプログラムを作成した。

CopilotとSurfaceを組み合わせたプログラミング授業の様子(佐賀県立致遠館高等学校)

さらに、Microsoft 365 A5とAzure Virtual Desktopを導入し、教員が1台の端末で学習系と校務系の業務を進められるようにした荒川区教育委員会のほか、教員端末をChromebookに統一しつつ、Windows 365によって校務用Windows環境をクラウド上に構築した福島市教育委員会、児童生徒と教職員すべての端末をWindowsに統一し、学習・校務・研修の一体的なICT活用を進める栃木県小山市の事例も紹介している。

学習者主体の授業実践例(小山市教育委員会)
小中学校から段階的なプログラミングを導入(小山市教育委員会)

「セキュリティ」では、Microsoft 365 A5を中核としたゼロトラスト校務環境を構築した大阪府教育庁の取り組みや、大阪市における学習系IDへの一本化などの事例を掲載。大阪府教育庁では、不審なアクセスを自動でブロックして、端末紛失時にもデータ流出を防止する仕組みを確立し、教員が所有する個人端末からの安全なアクセスを可能とした。

ゼロトラストネットワーク・フルクラウドでの構築に至った経緯(大阪府教育庁)

なお、「データ活用」では、児童生徒の生活記録や端末操作ログなどの教育データを活用し、Microsoft Power BIを用いたダッシュボードを独自開発した東京都渋谷区教育委員会の取り組みを掲載。外注せずにデータの追加や変更を可能にしたシステムについて紹介している。

自動・生徒個人状況シートのサンプル(渋谷区教育委員会)