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文科大臣賞の作品を「丸ごと読める」、図書館コンクールのデジタルブックが自由研究のヒントに
2025年8月8日 10:30
公益財団法人図書館振興財団は、2024年度(第28回)「図書館を使った調べる学習コンクール」の受賞作品のうち、文部科学大臣賞・観光庁長官賞・「2030生物多様性枠組実現日本会議」賞を受賞した計8作品を「デジタルブック」形式で全文公開した。
小学生の文部科学大臣賞受賞3作品については、作品の学習プロセスをダイジェストで紹介する「作品かんたん紹介」も公開している。
「図書館を使った調べる学習コンクール」は、図書館を活用して日常の疑問や興味のあるテーマを調べ、その成果を作品として応募するコンクール。調べるテーマは自由で、小学生から大人まで応募可能。地域と全国でそれぞれ開催し、2025年度(第29回)の全国コンクールは、2025年9月8日(月)から10月7日(火)の期間に作品を募集する。
「作品かんたん紹介」は、作品の要点と実際のページを抜粋して紹介するダイジェスト版。「疑問」「調べた過程」「わかったこと」「まとめ」について、作品ページの一部を添えてわかりやすく紹介している。
図書館や本、インタビュー、体験活動を組み合わせて調べ学習を深めていくプロセスが見える化されており、これから調べ学習に取り組む子供にとっても、役立つ内容となっている。
公開された3作品は以下の通り。
『「彦」にこめられたメッセージ』
坂本萌衣さん(埼玉県・三郷市立新和小学校2年生)
地元の地名に多く見られる「彦」という文字に疑問を持ち、地図や本を使って調査をスタート。自然堤防を砂場で再現するなど、実験的なアプローチも交えながら全国に問い合わせを行い、「彦」が災害地名であることに気づいた。作品は、地域に残る地名から過去の災害の教訓を読み取る探究心が評価されている。
『青信号「あお」とよぶのに緑色?』
鈴木克磨さん(千葉県・袖ケ浦市立平岡小学校4年生)
誰もが一度はいだく素朴な疑問を出発点に、信号機の写真撮影やインタビュー、アンケート調査を通して、色と呼び方の関係性を調査。色覚に配慮したデザインの必要性や、信号機のユニバーサルデザインについて考察し、改善提案までまとめた。
『私の好きなお祭り 妙見祭をみんなに広めたい!』
宮﨑ひなたさん(熊本県・熊本市立川尻小学校5年生)
祖母の地元・八代市で行われる妙見祭の魅力を伝えることを目指し、歴史文献やインタビュー、ネット検索など多様な方法で調査を実施。祭りの由来や意味を学んだ上で、伝統文化を受け継ぐためのアクションプランを自ら考案した。
●開催概要
名称:第29回 図書館を使った調べる学習コンクール
募集期間:2025年9月8日(月)~ 10月7日(火)必着
募集部門:調べる学習部門/調べる学習指導・支援部門
受付方法:Web・郵送
作品送付先:公益財団法人 図書館振興財団 コンクール応募係
〒112-0002 東京都文京区小石川5-2-2 明日香ビル
詳細:公式サイトより