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自由研究のきっかけに!宝島社『はじめての観測体験! 天体望遠鏡BOOK』で夜空を見てみた

『はじめての観測体験! 天体望遠鏡BOOK」(株式会社宝島社)

 株式会社宝島社から、天体望遠鏡付きのムック本『はじめての観測体験! 天体望遠鏡BOOK』が発売された。組み立て・扱いが簡単な天体望遠鏡で、三脚が付属するため、すぐに天体観測ができるというセットになっている。接眼レンズは20倍、30倍、40倍と3種があり、星座早見表も付属している。価格は4,378円(税込)。

三脚付きの天体望遠鏡

 ムック本ではあるが、主役は付録の望遠鏡。箱を開けると望遠鏡のパーツが入っており、組み立てていく。組み立てといってもそう難しいことはなく、書籍の説明通りに本体A(対物レンズ+鏡筒)、B(ピント調整部分)、C(天頂ミラー)を組み合わせ、接眼レンズを取り付ける。

セットを組み立てた天体望遠鏡

 AとBは両面テープで完全に固定するが、Cと接眼レンズは手で回せる固定ねじで固定する。工具類は全く必要なく、説明書通りに組み合わせていけば、本体の長さが430mmの天体望遠鏡が数分で完成する。

セットに入っているもの
望遠鏡のパーツ
書籍の説明通りに組んでいけば難しくない
望遠鏡部分が完成

 三脚については固定ネジAとBで望遠鏡本体と固定するが、説明書では向きを調整しやすいよう、調整しやすい手が固定ネジA側になるように指定している。右手がやりやすいなら右側に固定ネジAが来るように固定すればいい。なお、三脚と望遠鏡が接触する部分はギザギザ面同士を合わせることで、簡単に向きが変わらないようになっている。

接眼レンズは天頂ミラーがついており、見やすくなっている
ピント調整はこのダイヤルで行う
方位磁石があり、方角がわかる
対物レンズは口径32mm

 三脚も含めてあっという間に完成するが、後は接眼レンズをどう組み合わせるかとなる。まずは低い倍率の20倍を付けておき、書籍通りに見え方を確認しておくとよいだろう。

三脚が付属。足は伸びない

付属の本は、使い方の解説がしてある

 ムック本なので本来の主役は同梱の書籍となる。12ページで付録の望遠鏡の作り方と一般的な望遠鏡の仕組みの解説、そして、月や木星などの観察の仕方が書いてある。

付属の書籍。全12ページで天体望遠鏡の仕組みや使い方、星の観察の仕方が載っている

 望遠鏡の仕組みについては、この望遠鏡を含む屈折望遠鏡と反射望遠鏡の仕組みが解説してある。また、付録の望遠鏡は天頂ミラーがあるタイプなので、見えるものが左右反転して見えることも解説し、光の通り道と像の反転というところを理解することもできる。

天体望遠鏡の説明
星の解説とともにこの望遠鏡での観察方法が載っている

 そして、天体観察についても月、木星、土星、火星、金星の解説があり、この望遠鏡を使った場合の観察方法についても記載され、どの接眼レンズを使うべきかも記載がある。写真はきれいな星の写真と同時に、この望遠鏡を使った場合に見えるイメージ写真もあわせて掲載している。

 基本的な説明として、星の向きをあらかじめ調べて、望遠鏡をその方向に向けていく。そのうえで低い倍率のレンズで星を見つけ、倍率を高くしていく。そして、星の観察方法や注目点が記載されている。

接眼レンズは3つ付属。20倍、30倍、40倍

 残念ながらこの望遠鏡の性能では、月ならある程度の様子を観察できるが、その先の星となると観察の限界がある。掲載している星の観察イメージは少々ぼやけたものになっており、この望遠鏡ではっきりと見えないことを正直に示しているところは好感が持てる。

 また、土星のリングや、その先の星についても、この望遠鏡での観察は簡単ではないとの記載があり、過度な期待を抱かせない正直な記載がされている。

星座早見盤も付属する

天体観察のはじめの一歩となるムック

 本格的な天体望遠鏡とは大きな価格差があり、この望遠鏡との性能差は明らかではあるが、月をはじめ近くの星や星座を見ることができることと、簡単ではあるが望遠鏡の解説があり、将来のステップアップの際のヒントにはなる。

 この夏、天体観察をやってみたいと興味を持っている子供たちの入り口として、扱いやすい望遠鏡だといえる。