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情報・システム研究機構とKDDI総合研究所が共同で、「米国における教育のデータ駆動化に関する調査報告書(第三部)」を公開

―無料でダウンロード可能

『米国における教育のデータ駆動化に関する調査報告書(第三部)』(執筆者:情報・システム研究機構/KDDI総合研究所)

大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構とKDDI総合研究所は共同で、米国における教育のデータ駆動化について多角的な視点から調査したレポートR&A『米国における教育のデータ駆動化に関する調査報告書(第三部)』を発行した。本報告書は情報・システム研究機構のサイトKDDI総合研究所のサイトで無料公開されている。

本調査報告書は、2022年3月に公開された第一部2023年3月に公開された第二部に続くレポートで、米国におけるコロナ禍の影響調査と対応、High-Impact Tutoring(高影響の個別指導)、CAL(Computer Assisted Learning)、英国のコロナ禍の施策効果、および、教育分野における生成AIの影響と活用事例について報告をしている。

<第三部サマリー>

(1)米国ではコロナ後、生徒の成績が大幅に低下し、特に黒人とヒスパニック系生徒が白人やアジア系に比べて著しく遅れていた。これに対応するため、連邦政府はAmerican Rescue Planを通じて教育に約28.5兆円を支援し、費用対効果の高いHigh-Impact Tutoringを推奨した。テキサス州のオンライン指導やニュージャージー州の対面指導などが効果を示している。

(2)英国でも米国同様に、コロナ直後に生徒の成績が大きく落ち込み、英国政府はRecovery Packageにおいて、教育分野に約5,005億円の支援金を投入。その中で経済的に支援が必要な生徒を対象としたNational Tutoring Programme(NTP)などを推進。コロナ前の成績への回復に必要な月数が小学校・中学校で大きく減るなどの効果を上げている。

(3)アメリカでは生成AIの普及により、教育分野でのAI利用の有用性と問題点が浮上し、学校ではAIの取り扱いに関して様々な対応を見せている。一部の学校は当初の禁止方針を見直し、活用へと転換している。また、生成AIの健全な利用のためのガイドライン作成が政府や州レベルで進行中であり、先進的な学区ではAIを活用した教育ツールの導入が進み、その効果の定量的評価への関心が高まっている。