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学研がJSL児童向け算数授業づくりの実践書を発売、12の授業案と10のミニアクティビティを掲載

このコーナーでは、教育や子育て、テクノロジーに関する話題の書籍や、読者の皆さまの学びや情報収集に役立つ書籍を紹介します。
『日本語と教科の統合学習シリーズ 日本語のサポートが必要なJSL児童のための算数科授業づくり22』(著者:池上摩希子、総合協力:平野伊子、表紙絵・本文イラスト:ニシワキタダシ、発行:株式会社Gakken/出典:株式会社学研ホールディングス、以下同じく)

株式会社Gakkenは、日本語指導と算数科指導を組み合わせた書籍『日本語と教科の統合学習シリーズ 日本語のサポートが必要なJSL児童のための算数科授業づくり22』を2026年3月12日に発売した。

対象は、小学校で日本語学級を担当する教員やJSL児童がいる学級担任、地域の日本語教室で子供を支援する学習支援員で、日本語を母語としない児童への算数授業を扱い、12の授業案と10の算数ミニアクティビティを掲載している。JSLは「Japanese as a Second Language」の略で、JST児童は日本語を第二言語として学ぶ必要がある子供を指す。

発刊の背景には、日本語のサポートが必要なJSL児童・生徒が全国的に増えている状況がある。文部科学省の調査では、公立学校に在籍する外国人児童生徒数は10年間で62,432人増え、2024年には138,714人となった。公立学校における日本語指導が必要な児童生徒も約10年間で1.9倍となり、2023年には69,123人に達したという。

同書は、JSL児童が「わかる」「できる」を実感できる算数科の授業を実現するため、著者の早稲田大学教授 池上摩希子氏が静岡県浜松市の現場の実践をもとに執筆。算数が苦手なのではなく、日本語の説明や問題文の理解が壁になっているという前提に立ち、「日本語と教科の統合学習」の考え方から実践的な授業案と活動例を掲載している。

同書では、「たし算・ひき算」「九九」「分数」「長さ」「平均」といった主要な単元について、小学1年生から6年生までの具体的な授業実践事例を紹介している。JSL児童が算数の概念を視覚的に捉え、体験を通して理解を深められるよう、具体的な声かけや教具の活用法を詳細に解説した。

「たし算・ひき算」「三角形と四角形」「九九」「長さ」「分数」「平均」といった小学1年生から6年生までの主要な単元について、具体的な12の授業実践事例を掲載

加えて、JSL児童を支援する際に注意したい点を3種類のフキダシで分類。日本語のレベルで留意することと、子供の背景や状況で留意すること、言葉そのもので留意することなどが一目でわかる。また評価のポイントを下線で示し、教員や支援員が現場で使いやすい形にまとめたとしている。

JSL児童を指導する際に留意しておきたいことを3種類のフキダシで分類

算数ミニアクティビティでは、「九九ビンゴゲーム」や「図形カードゲーム」など、遊びの要素を取り入れながら算数に親しめる内容を10本紹介。授業の導入や、隙間時間、個別指導、支援教室のシーンなどで活用が可能だ。

「数字ゲーム」など、算数で使える10のミニアクティビティを紹介

巻末には、日本語力と算数力の理解状況を把握するための「ことばと算数のチェックシート」をとじ込みで掲載。JSL児童の日本語力(会話、読み書き、授業参加など)と、算数力(計算、計測、図形など)の現状を詳細に分析して支援計画を立てることができる。

子供の「これができる」を把握できる「ことばと算数のチェックシート」(一部)

また、購入者特典として「指導の流れ」「ワークシート」「ことばと算数のチェックシート」のPDFファイルとWordファイルを専用サイトからダウンロードすることが可能となっている。

「指導の流れ」「ワークシート」「ことばと算数のチェックシート」のPDFファイルとWordファイルを専用サイトからダウンロード可能

目次

はじめに
本書の使い方

第1章 JSL児童に教科としての「算数」を支援する意味

第2章 ことばと体験をとおして考える力を育む算数科の活動
─ JSL算数科の授業実践事例 12─
1 増えた(たし算)かな? 減った(ひき算)かな? ● 1年「3つのかずのけいさん」
2 確実にしよう! 三角形と四角形の見つけ方 ● 2年「三角形と四角形」
3 「つくる×となえる」でぎゅっと凝縮!  ● 2年「九九をつくる」
4 測ったからわかる「道のり」と「距離」 ● 3年「長さをはかろう」
5 「重さ」を見る!? ● 3年「重さをはかろう」
 コラム●マンツーマンじゃないと使えない?
6 「分数ものさし」でやる気アップ! ● 3年「分数」
7 コンパスで見つけた!  ● 3年「三角形をかこう」
 コラム● 話し合ってみよう! え~、計算できれば、いいんじゃない?
8 図形カルタで楽しく学ぼう ● 4年「垂直、平行と四角形」
9 「ならす」とわかるよ、「平均」!● 5年「ならした大きさを考えよう」
10 身近な教具で「混み具合」を調べる ● 5年「単位量あたりの大きさ」
11 あわてず、あせらず、じっくり考えよう! ● 5年「四角形や三角形の面積」
12 自分で問題解決! きちんとことばで説明! ● 6年「円の面積」

第3章 算数で使えるミニ・アクティビティ
─こんなモノ! でこんなコト!─
1 いくつといくつ? ● 推奨1年生以上
2 式を見てならべてみよう ● 推奨2年生以上
3 つくるよ、かけ算! ● 推奨2年生以上
4 九九ビンゴゲーム ● 推奨2年生以上
5 数字ゲーム ● 推奨2年生以上
6 位取り表 ● 推奨2年生以上
7 すごろくゲーム ● 推奨3年生以上
8 5分で復習、図形カードゲーム ● 推奨4年生以上
9 面積カードで「公式、言えるかな」 ● 推奨5年生以上
10 計算のきまりがひとめで! ● 推奨6年生以上
 コラム● 楽しそうだけど、できるかな

おわりに

巻末とじ込み ● 子どもの「これができる」を把握する「ことばと算数のチェックシート」

書誌情報

書名:日本語と教科の統合学習シリーズ 日本語のサポートが必要なJSL児童のための算数科授業づくり22
著者:池上摩希子
総合協力:平野伊子
表紙絵・本文イラスト:ニシワキタダシ
発売日:2026年3月12日
定価:3,300円(本体価格3,000円+税10%)
判型:B5判
ページ数:114ページ
ISBN:9784058026977
発行:株式会社Gakken

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