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授業中の広告をブロック!聖徳学園「AdGuard DNS」で先生の安心・安全とセキュリティ強化を実現
- 提供:
- 株式会社エムティーアイ
2025年9月12日 06:30
生徒や教職員を狙うフィッシングメールへの対策、そして校内ネットワークの「つながりにくさ」。一見異なる課題に見えるが、共通する要因のひとつに「 ネットワーク広告 」がある。これらは、動画などのリッチなものは通信回線を圧迫し、教育現場に不適切な内容が表示されることもある上、悪質なものは利用者をフィッシングサイトへと誘導するリスクが潜んでいる。
ならばネットワーク広告を減らすことで、通信環境の改善とセキュリティ強化を同時に実現できるのではないか。
こうした発想のもと、 広告ブロック によって安全で快適なICT環境を整えているのが、聖徳学園中学校・高等学校である。同校は株式会社エムティーアイが100万ユーザー以上に提供するAdGuard製品の一つであるDNS型広告フィルタリング DNS型広告フィルタリング「AdGuard DNS 」を導入し、ネットワーク広告を遮断。これにより教師が安心してPCを利用できる環境を構築している。今回、その導入目的や効果について、同校情報システム部長の鶴岡裕一郎氏に話を聞いた。
■広告ブロックで守る教師のICT環境、聖徳学園が挑んだセキュリティ強化
■ウェブ全体のトラフィックを制御、AdGuard DNSを選んだ理由
■教員端末の画面から広告が消える、安心して授業できる教室へ
■次は生徒端末に展開、AdGuard DNSで広がる学びの安心感
広告ブロックで守る教師のICT環境、聖徳学園が挑んだセキュリティ強化
聖徳学園中学校・高等学校(東京都武蔵野市/以下、聖徳学園中高)は、時代を先取りする教育に挑戦し続けるアクティブな校風の学校だ。AI時代に欠かせないICTスキルや英語力、「個」の力を育み、STEAM教育やグローバル教育に力を入れている。さらに2024年度には高校課程に「データサイエンスコース」を新設し、全国に先駆けた先進的な学びをスタートした。
そんな聖徳学園中高では、DNS型広告フィルタリング「 AdGuard DNS 」を導入した。AdGuard DNSは、DNS(URLに含まれるドメイン名から接続先サーバーを特定する仕組み)を利用し、 ブラウザやアプリ内の広告をブロックするだけでなく、詐欺サイトや有害サイトへのアクセスもブロックできる 。2024年10月から検証を始め、2025年度より本格導入。まずは教師用端末に適用され、今後は生徒端末にも拡大される予定だ。
同校の情報システム部長・鶴岡裕一郎氏は、AdGuard DNS導入の理由について「 セキュリティを高めること だった」と語る。実際、教師がWebにアクセスした際に、偽のウイルス感染警告を表示しクリックや連絡を促すサポート詐欺(※)などの詐欺サイトが、広告枠を通じて日常的に表示されていたという。
「そうした画面が出てくると驚いてクリックしてしまうことも多いと思いますが、聖徳学園の教職員は幸い、必ず私に問い合わせをしてくれており、これまで被害はありません。教職員向けに詐欺サイト対策の研修も行っています。しかし、人間の注意だけに頼る対応には限界がありますし、一度でも引っかかってしまえば大問題になります。だからこそ、仕組みとしてブロックする必要があると考えていました」と鶴岡氏は振り返る。
※サポート詐欺:「ウイルスに感染しました」などの偽警告を表示し、ユーザーを偽のサポート窓口に誘導することで、金銭や個人情報を詐取する手口のこと
なお、 教育分野はサイバー攻撃の標的になりやすいと言われている 。生徒・学生や教職員の個人情報や研究データなど貴重な情報が多い一方で、セキュリティ対策は十分とは言えない。レガシーな認証システムの利用や、フィッシングメールへの対応の未熟さも狙われる要因だ。実際に、教職員のPCからのデータ漏洩や、生徒アカウントがフィッシングの踏み台にされる事例も報告されており、早急な対応が求められている。
ウェブ全体のトラフィックを制御、AdGuard DNSを選んだ理由
このような課題感から、AdGuard DNSを採用した聖徳学園中高。数ある広告ブロッカーの中でAdGuard DNSを選択した理由は何か。
これについて鶴岡氏は、「広告ブロックの方法にはいくつかあるうち、AdGuard DNSは、DNSでしっかり制御してくれる点がポイントだった」と語る。AdGuard DNSは、Android、iOS、Windows、macOS、LinuxのOSに対応し、 デバイス上のウェブトラフィックをすべて制御して、広告、トラッカー(個人情報追跡)、悪意あるドメインをブロックできる のが特徴だ。
鶴岡氏は、「最近は特に、Amazonのログイン画面に似せた画面が多くて、思わずメールアドレスとパスワードを入れてしまいそうになるものがあります。先生たちが日常的によく利用しているサービスですので、引っかかる可能性も高まっていて、そういう紛らわしいものも全部ブロックしてくれるので助かります」と語る。
一方で、こうしたブロックであればMDM(モバイルデバイス管理)でも可能であると思われるが、鶴岡氏は MDMとは役割が異なる という。「MDMは端末全体を管理するもので、アプリのインストールや設定画面の操作、端末利用の自由度など学校の方針に合わせて設定しています。一方で、 AdGuard DNSは危険なトラフィックだけをピンポイントでブロックできることがメリットで、端末の使い勝手を損なわずにセキュリティを高められます 。AdGuardの最新リストを自動更新してくれるのも大きな利点です」と鶴岡氏は説明する。
また、MDMでこうした機能を持つ製品もあるがオプション扱いとなるためコストが高いという。鶴岡氏は、セキュリティリスクのあるところだけ止めるための、 コストに見合うサービス としてAdGuard DNSが最適だったと話す。
ほかにも、 設定方法が簡単で柔軟なことも決め手 となった。AdGuard DNSでは、MDMで管理された端末であっても、QRコードを読み込むことで即設定できるので、設定にかかる負担が軽減できるという。もちろん、MDMからプロファイルを送り込んで設定するなどの方法も用意されている。
そのほか、AdGuard DNSの ダッシュボードがシンプルでわかりやすい 点も鶴岡氏は評価している。「一般的なダッシュボードでは、項目や名称が表示されていても、実際に何を示すデータなのかが分かりづらいことがあります。しかし、AdGuard DNSのダッシュボードでは、全体のブロック状況や対象サイトごとのブロック数などが一目で確認できます。また各表示項目がわからなくても、項目名の横にある『?』マークにカーソルを合わせれば、その内容が説明されていて助けられました」と語っている。
教師用端末の画面から広告が消える、安心して授業できる教室へ
こうして聖徳学園中高では、2024年10月にAdGuard DNSの導入検討を開始し、同年12月には系列小学校の児童用端末で試験運用を実施した。約半年間の使用を通じて使用感やノウハウを蓄積し、その成果をもとに中学校・高校の教職員向け端末へ本格導入するに至った。
鶴岡氏は導入について「QRコードをスキャンするだけで済むため、特に苦労はありませんでした」と振り返る。「1台ずつQRコードを読み取るのは大変ではないかと聞かれることもありますが、実際にはプロファイルを入れるだけでスムーズに進み、全く負担にはなりませんでした」と語っている。
端末の動作についても、DNS設定を変更するだけなので影響はなく、必要なサイトにアクセスできなくなったという声もこれまでのところ寄せられていない。
その効果として、ダッシュボードの報告によれば、 全Webアクセスのうち約12%がブロック されている。当初の目的であった 詐欺サイトへのアクセス遮断に加え、大手サイトで多数表示されるネットワーク広告も排除 されるようになった。さらには、アプリのバックグラウンド通信といった利用者にとって必ずしも必要ではない通信もブロックされているという。
鶴岡氏は「本校の今の回線速度では大きな違いは感じませんが、もし 回線が遅ければ、広告や不要な通信が減る効果をより実感できた と思います」と語っている。現在、多くの学校でネットワークがつながりにくいことが課題となっているが、広告ブロックが改善の一助になるというのだ。
一方で、鶴岡氏は「導入してから気付いた効果もある」と語る。総合的な学習の時間などで、教師がネットで検索したページを生徒に見せる際、これまではスクリーンショットを撮って提示していたが、 広告が表示されなくなったことで、授業中にページをそのまま生徒に提示できるようになった という。
「改めて、先生方は自分のWeb画面をそのまま生徒に見せていなかったのだと気づきました。インパクトの強い広告が出ると、生徒の関心がそちらに向いてしまい、授業に集中できなくなるのを避けたかったようなのです」と鶴岡氏は語る。広告ブロックによって、教師がよりが安心して生徒に画面提示できる環境が整い、授業がやりやすくなったというのだ。
そのほか、DNSベースの広告ブロックであるメリットとして、 同じ端末を学校と自宅のどちらで使用しても、同じブロック設定が適用される 点が挙げられる。さらに、AdGuard DNSを通じて、どのような環境からインターネットにアクセスしているのかを、ある程度把握できるという。
「たとえばフリーWi-Fiから接続しているのだろうと想像できます。フリーWi-Fiを使ってはいけないとは言いませんが、その危険性はしっかり伝えていく必要があります。そうした 教師や生徒の利用実態が見えることで、どのようなネットリテラシーを育てていくべきかを考えることができます 」と鶴岡氏は語る。
次は生徒端末に展開、AdGuard DNSで広がる学びの安心感
このように聖徳学園中高では教職員端末で効果が見えたことを受け、次は生徒用端末にAdGuard DNSを適用する方針だ。
生徒用端末の設定には、QRコードではなく、MDMからの設定を行うという。というのも、生徒の中にはICTスキルの高い中高生もいるため、「絶対にプロファイルを消さないように」と言っても好奇心で自ら方法を見つけて削除してしまうことも起きてしまう、と鶴岡氏は苦笑しながら語る。
そこで、MDMから端末にプロファイルを入れると同時に、MDMにより設定を変更できないようにすることもセットにするのが必須だとのことだ。なお現在、生徒用端末のMDMとしては、「mobiconnect」が使われている。
「AdGuard DNSとmobiconnectで、さらにいろいろなことができるようになると聞いていますので、生徒用端末でも積極的に使っていきたいと考えています」と鶴岡氏は語っている。
フィッシングメールや詐欺サイトへのアクセス、さらに広告による通信の負荷やセキュリティの不安は、どの学校でも起こり得る課題であり、決して他人事ではない。教師も生徒も安心して学びに向き合える環境を整えるためには、改善すべき点がまだ多く残されている。AdGuard DNSは、広告ブロックとセキュリティ強化の両面から安全性を高める仕組みであり、聖徳学園の事例は改善のヒントとなるだろう。
「AdGuard DNS」は、国内で100万ユーザー以上に販売実績を持つエムティーアイが提供するDNS型広告フィルタリングサービス。
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