トピック

信頼できる情報源にアクセスできる環境が、これからの学びの必須条件

――「ブリタニカ・オンライン中高生版」で探究心を刺激する

2022年度から本格的にスタートした高校の「総合的な探究の時間」。それに合わせて、中学校でも探究学習や課題解決型学習を取り入れる教員が増えている。

一方で、探究学習に課題を感じる教員も多い。「専門外の質問が来たらどう応える?」「生徒の興味・関心を広げて、どう問いを立たせる?」、さらには「ネットで収集した情報とどう向き合わせればいい?」など、教科の学習とは異なる不安が生じている。

こうした悩みを解決してくれるのが、歴史と伝統を持つ百科事典を手掛けるブリタニカ・ジャパンの「 ブリタニカ・オンライン中高生版 」だ。紙の百科事典の信頼性をそのままに、クラウドを通じて質の⾼い情報にいつでもアクセスできる環境を提供し、生徒の主体的な学びをサポートしてくれる。


日本語と英語の両方の情報を兼ね備えた、3つのオンライン百科事典

3つのデータベースがセットになった「ブリタニカ・オンライン中高生版」。学校ごとに1年間のサブスクリプション契約となり、同時アクセス数は無制限

ブリタニカ・オンライン中高生版 は、ブリタニカ国際大百科事典がデジタル化された「ブリタニカ・オンライン・ジャパン」と、英語圏の学校で使用されているデータベース「Britannica School」、300万点以上の画像やイラストを収録したイメージデータベース「ブリタニカ・イメージクエスト」という、3種類がセットになった製品だ。すべてブラウザで閲覧可能で、タブレットやPCなど端末を問わず利用できる。

「ブリタニカ・オンライン・ジャパン」は全25巻のブリタニカ国際大百科事典と国際年鑑をデータベース化

「ブリタニカ・オンライン・ジャパン」は、大学図書館でも利用される本格的な日本語百科事典。各分野のエキスパートによる署名記事や論文をはじめとする16万以上の百科事典項目と、厳選された外部サイトへのリンクを収録。

広範かつ深い知識が得られる大項目事典や、気になるキーワードをパッと調べられる小項目事典、さらには世界各国・各分野の最新情報を網羅した国際年鑑などを収録。これらの情報は定期的にアップデートされている。

英語力に合わせて、3つレベルから選択可能。発音や読み上げ機能も搭載

「Britannica School」は、英語圏の学生が実際に使用している英語百科事典データベースで、ネイティブの英語に触れられる。英語レベルは、レベル1(Elementary)、レベル2(Middle)、レベル3(High)の3段階が用意されており、生徒の英語力に合わせて読むことができる。また日本語百科事典とのクロスリンク機能を使えば、ひとつの項目を日本語と英語の両方で読むことができる。

著作権処理がされた300万点以上の画像やイラストを収録

「ブリタニカ・イメージクエスト」は、300万点以上の画像やイラストを収録したデータベース。これらの素材はすべて非営利の教育目的用に著作権処理がされており、レポートや発表資料に引用した際に便利な出典機能も搭載。画像のキーワード検索は、日本語や英語を含む7カ国語に対応している。


検索ひとつで信頼性の高い情報にたどり着ける

このように3つのデータベースがセットになった ブリタニカ・オンライン中高生版 であるが、探究学習をはじめとした様々な学習で活用できるとあって導入校が増えているという。教員はどのような部分に魅力を感じているのだろうか。

一番は、ブリタニカ・オンライン中高生版で扱われている情報の信頼性が高く、教員と生徒が安心して使える、ということだ。

1768~71年に初版が発刊された「ブリタニカ百科事典」は、250年の歴史と伝統を誇る百科事典。紙からデータベースへと姿が変わった今も、各領域のエキスパートが執筆・監修に携わるという制作方針は変わっておらず、情報のクオリティーの高さに定評がある。さらに、エキスパートが書いた記事は経験豊富な編集者が情報を精査し、厳正なファクトチェックを重ねることで情報の正確性・信頼性を保っているという。

ブリタニカでは、ひとつの項目に対して「エキスパートの執筆」から「リリース前チェック」まで入念に記事内容をチェックしている

またブリタニカ・オンライン中高生版では、そうした信頼性の高い情報を学習に活用しやすいことが、教育者の琴線に触れている。たとえば、すべての項目に設けられた出典機能。学校現場では、調べた内容をレポートやプレゼンテーションで発表する機会が多いが、引用したい情報を出典として記すことができる。ほかにも、非営利の教育目的用に著作権処理済みの画像300万点を使用することが可能。このようにインプットとアウトプットの両方で、信頼できる情報を活用できることは、学習の質を担保するのに大いに役立つ。

すべての項目に出典機能があり、レポートや発表資料に記載することができる
学校法人石川高等学校・石川義塾中学校の岩瀬俊介教諭

実際に、ブリタニカ・オンライン中高生版を導入した学校法人石川高等学校・石川義塾中学校の岩瀬俊介教諭は、信頼できる情報を扱えることは教員の安心につながると話す。

「これまで探究学習を行なうときは、授業で使う情報を収集したり、裏取りをしたりと、教材準備に多くの時間を費やしていました。また生徒が調べ学習をする際も、ネットの情報をそのまま引用したり、膨大な情報量を読み切れずに途中で断念してしまったりと、情報とどう向き合わせるかも課題でした。教員からみても、ネット検索で上位に表示されるものは、信ぴょう性や内容に疑問があるものが散見され、生徒が学習で活用することには不安があったのです」(岩瀬教諭)。

それに対して、ブリタニカ・オンライン中高生版は「コンテンツが豊富で、検索ひとつで信頼性の高い情報にたどり着けるのがメリットでした」と岩瀬教諭は語る。

生徒からも、これまでネット検索の結果に疑問を持たなかったのが、情報の正誤について考えるようになったという声が挙がるようになった。「扱う情報が正しいかどうか見極める大切さや、情報を鵜のみにしない冷静さを身に着ける良い機会になっています」と岩瀬教諭はブリタニカ・オンライン中高生版のメリットを語る。

もちろん、生徒たちがネットの中から正しい情報を取捨選択する能力を身につけることが重要であるのは言うまでもない。しかし、一方で、探究学習に使える時間は限られており、情報の取捨選択に時間が取られてしまうのは本質ではない。ブリタニカ・オンライン中高生版では、信頼性できる情報に効率よくアクセスでき、探究学習の中身に時間を使えるのが魅力だというのだ。

●生徒の声●探究活動×ブリタニカの学びで、進路も決定

実際にブリタニカ・オンライン中高生版を使う生徒は、どのように活用しているのか。公立高校3年生(取材当時)A子さんに話を聞いた。

授業や探究活動で情報収集をする際、インターネットの情報は量が多すぎて、自分の選んだ情報は本当に正しいのか、私の判断も曖昧で自信が持てませんでした。でもブリタニカを使うときは、“ここにある情報は正しい”と分かっているので、調べることに集中できました。

将来は助産師をめざしているのですが、英語や海外にも興味があったので、探究活動ではアフリカの医療をテーマにしました。ブリタニカを使って、アフリカの新生児死亡率のデータを調べたり、現地の医療状況を動画で見たりしていくうちに、知識が増え、自分の考えもクリアになり、自分は何をしたいのかが明確になりました。大学は国際看護の分野に進もうと決めています。

受験勉強で使っていたA子さんのノート

受験勉強には、Britannica Schoolを活用しました。看護やチャイルドケアなど、興味のある用語で検索した英文を印刷してノートに和訳。受験対策の問題集には載っていない、看護に関する専門的な英文を読むことで、英語だけでなく看護の知識にも触れられました。“次はこの記事を読んでみようかな”と自分の興味に合った記事も探しやすいです。

コンテンツ開発部 編集者 高橋良子氏

●開発秘話●ブリタニカの記事はこうして作られる!

「ブリタニカ百科事典」の記事はどのようにして信頼性を維持しているのだろうか。長年事典の編纂に携わるコンテンツ開発部 編集者 高橋良子氏に話を聞いた。


百科事典に載せる記事の良し悪しを決めるのは、9割が執筆者と言っても過言ではありません。ブリタニカでは創刊以来250年間、各分野の専門家に執筆を依頼するというスタンスを継承しています。私たち編集者は日頃からリサーチを重ね、その分野の専門家や実績のある研究者を探し、執筆を依頼しています。

その際に大切にしているのは、読み手にとって最低限の知識を無理なく把握できる内容にすること。一方で、その分野の研究者や専門家が書いた記事であっても、人間がやることですので、一字一句細かくチェックし、複数人で念入りにファクトチェックを行なっています。工程は編集者によって異なりますが、たとえば原稿用紙3枚分の記事の場合、最低20から30カ所の記述内容をチェックするでしょうか。信頼性の高い記事を仕上げるために、ファクトチェックは時間をかけて丁寧に進めています。

またブリタニカ・ハイライトというコーナーでは、企画記事として歴史的に著名な人が執筆した記事も読むことができます。アインシュタインやマリー・キュリー、ジョン・F・ケネディといった歴史上の人物も、その昔、ブリタニカで記事を執筆しており、現在もブリタニカ・オンライン中高生版で読むことができます。なかには長文に及ぶ難解な記事もありますが、生徒の皆さんには是非そうした記事を読むことにもチャレンジしていただきたいですね。

近頃は、百科事典の項目を引くにあたって「キーワードが思い浮かばない」という声をよく耳にします。そうした場合も考慮して、ブリタニカ・オンライン中高生版では「本文検索」の機能を設けています。これを使って検索をすると、ひとつのキーワードでもさまざまな記事を見つけることができます。

自分には興味がなかったことでも、ひとつのキーワードをきっかけに思いもよらない出会いが記事の中に待っているかもしれません。さまざまな記事を読んで、その道の専門家や研究者が書いた知識に触れ、行間に込められた思想や深い考え方を読み解き、豊かな人間性や社会性を養っていただきたいです。


生徒の興味・関心を広げ、深い学びにつながる探究学習を

探究学習において、多くの教員が悩むことのひとつに、「単なる調べ学習で終わらず、深い学びにつなげるのがむずかしい」といった課題がある。生徒たちが自分の興味・関心をもとにテーマや問題を設定して、それに対して情報収集をして整理・分析し、自分の考えや考察をアウトプットしていく。そんな探究学習に対して、生徒たちが主体的に取り組み、学びを深めるにはどうすればいいか。

ブリタニカ・オンライン中高生版 では、生徒の興味・関心を引き出し、生徒自身が深掘りしていけるよう、芋づる式に調べられる仕掛けが用意されている。

たとえば「地球温暖化」というキーワードを同じデータベースで調べた場合、「環境税で消費者の行動は変わるのか?」という問いにたどり着く生徒もいれば、「サンゴ礁保全に企業が関わるのはなぜか?」といった企業のCSR活動にたどり着く生徒もいる。

このようにブリタニカ・オンライン中高生版では、日本語16万以上、英語13万以上の多彩な項目を網羅しているが、単に事柄や物事の定義や説明に終始するのではなく、読み手が興味を広げられるよう、歴史や要因、影響、社会情勢などを解説しているのが特徴だ。

探究したいテーマが明確になると、記事のリンクをたどったり、論文や署名記事を通して知識を深めることができる。英語版「Britannica School」のクロスリンク機能を使えば、ひとつのテーマに対して英語の情報に触れることも可能。一例として、「太平洋戦争」をテーマにした場合、日本語と英語の両方の記事を読むことができ、情報の伝え方を比較してみるといった多角的な学習が可能になる。

また、ブリタニカ・オンライン中高生版は、探究学習のどのフェーズに置いても活用できるのが魅力。「課題の設定」「情報の収集」「整理・分析」「まとめ・表現」という4段階すべてのフェーズで学習をサポートしてくれるうえ、信頼できる情報だからこそ、生徒主体で学習を進めることも可能だ。探究学習においては、生徒の興味・関心から派生していくことが重要であるが、ブリタニカ・オンライン中高生版なら知的好奇心を刺激しながら、学習に取り組めそうだ。

ブリタニカ・オンライン中高生版は、探究学習のどのフェーズでも活用できる


さまざまな教科で利用できる。大学受験や国際バカロレア教育もサポート

日英合わせて29万の百科事典項目を備えた ブリタニカ・オンライン中高生版 は、探究学習だけでなく各教科の学習にも活用できる。

ほぼ毎日記事が更新される「Britannica School」は時事的な内容を含めた記事を3つのレベルで読むことができ、大学入試の長文読解や小論文対策に活用されている。また、動画コンテンツは再生速度の調整や字幕表示機能を搭載しており、多聴教材としても優れている。国語や理科、社会では「ブリタニカ・オンライン・ジャパン」の画像や年表、統計資料を資料集として横断して使用することができ、教材のスリム化にもつながっている。さらに、著作権処理や引用・出典の概念に自然に触れることで、情報リテラシーの一環として活用する学校も多い。

ほかにも、ブリタニカ・ジャパンでは国際バカロレア教育のサポートも行なっており、教科と学年を選択すれば学習内容にそった記事や動画を検索できるツールも提供している。

「Britannica School」では英語の動画コンテンツも収録。再生速度や字幕表示機能もあり、ダウンロードも可能
「ブリタニカ・オンライン・ジャパン」では、社会科や探究学習に役立つ統計資料もまとめられている


導⼊の決め⼿は、「⽣徒たちを揺さぶる教材」を提供していたこと

前出の岩瀬教諭は、 ブリタニカ・オンライン中高生版 を導入するにあたり、情報の信頼性はもちろんのこと、ブリタニカ・ジャパンが作った経産省のSTEAM ライブラリーの教材に惹かれたと話す。

「最初に見た教材は『自律型致死兵器で変わる戦争の考え方』というものだったのですが、"戦争をする正義"と"戦争における正義"の考え方を学ぶという、非常に複雑なテーマを扱っているのを見て興味を持ちました。一般的に学校では、”戦争は悪いことだ”と教えますが、この教材では戦争をする側の正義についても考えます。さまざまな分断が起きている今日の世界について、生徒たちが自分とは異なる考えに触れられる、とても良い教材だと思いました」(岩瀬教諭)。

ブリタニカ・ジャパンが経産省のSTEAMライブラリーに提供している教材のひとつ。きわどいテーマであるが、今の世界情勢だからこそ生徒に考えさせたいテーマ。ブリタニカ・ジャパンでは、確かな情報を元に現代の多様な課題・価値観に触れられる教材を提供している

このように、現代社会で起きているさまざまな社会課題や社会情勢は、授業で扱いたくても、そもそも質の良い情報を集めることがむずかしいと岩瀬教諭は語る。多様な価値観が存在するうえ、ひとつの課題やテーマのバックグラウンドも複雑になっているからだ。

ゆえに、受け持ちの英語クラスでディスカッションを行なう際も、質の高い議論をするためには、教員の念入りな準備が必要になるという。

「たとえば、『東南アジアの森林破壊』をテーマにしたときも、生産的な議論にするために、環境保全と木材需要といった異なる立場や視点を取り上げました。このような議論を進めるためには、生徒にも信頼性の高い情報を与えなければなりませんが、準備に時間もかかります。その点、ブリタニカ・オンライン中高生版で効率よく情報を収集できれば、教員の負担を減らしつつ、質の良いグループディスカッションができると思います」と語ってくれた。

いつでもどこでもネットにアクセスすれば簡単に情報が手に入る時代であるが、10代の多感な時期にいる生徒たちだからこそ、良質な情報やコンテンツに触れてほしいと願う。自分の中の知的好奇心が揺さぶられることは、これからの人生を豊かにし、原動力にもなってくれるはずだ。ブリタニカ・オンライン中高生版で探究心を育み、生徒の興味・関心をどんどん広げていけるような、そんな学びを学校で実現してほしい。