ニュース

祖父母を見守る「歩数計」、中2がロボットコンテストで文部科学大臣賞を受賞

ロボット製作やプログラミングの成果を発表する「クリエイティブロボティクスコンテスト2026」の受賞者が決定(出典:ヒューマンホールディングス株式会社、以下同じく)

一般社団法人未来創生STREAM教育総合研究所(RISE)は、「クリエイティブロボティクスコンテスト2026」を2026年9月20日に開催した。当日は、予選を通過した25組がロボット製作やプログラミングの成果を披露している。

同大会は、ロボット製作を通じて子供たちが課題を見つけ、試行錯誤しながら解決策を形にし、その成果を発表するコンテストである。第3回となる今回は「日本の未来を、ロボットでもっとよくしよう。」をテーマに、テーマ探究部門に7人、タイムアタックレース部門に18人が出場した。

大会は文部科学省が後援し、ヒューマンアカデミー株式会社がロボット・プログラミング教育の知見を生かして協力している。

テーマ探究部門で最高賞の文部科学大臣賞を受賞したのは、愛知県の中学2年生、加藤歩夢さんだ。加藤さんは「見守り歩数計」を製作し、テーマ探究部門金賞とデジタルイノベーション賞も受賞。3冠を達成した。

文部科学大臣賞など3冠を受賞した加藤歩夢さん(中央)、ヒューマンアカデミー株式会社 児童教育事業部長の長谷川直之氏(左)、審査委員長を務めた千葉工業大学 未来ロボット技術研究センター(fuRo)所長の古田貴之氏(右)

見守り歩数計は、祖父母に元気でいてほしいという思いから考案した作品だ。高齢者の運動不足による運動機能や認知機能の低下に着目し、散歩を促すことに加え、離れて暮らす家族が安否を確認したり、コミュニケーションを取ったりすることができる仕組みを取り入れた。

高齢者の運動習慣を促し、家族による見守りを支援する「見守り歩数計」

操作は、本体にある「散歩する」「天候不良」「体調不良」の3つのボタンから選択するだけの仕様だ。散歩に出かけることや、散歩を控える理由をLINEで家族に通知するほか、帰宅後には歩数も知らせることができる。

さらに、散歩を開始してから一定時間が経過すると、周囲に助けを求める音声アラームが鳴る機能も搭載した。前年の作品で採用したLINEへの文字通知を発展させ、カメラで撮影した写真を家族に送信する機能も追加している。

本体のパーツは3Dプリンターで製作し、カメラを使いやすくするためのフタの角度や、光沢を生かしたデザインにも工夫を凝らした。審査では、前年から進化した技術やデザインだけでなく、高齢者や家族が実際に使用する場面を考え、必要な機能を組み合わせた点が評価された。

加藤さんは、前回大会で舌下免疫療法を続ける子供を支援するおもちゃ型薬箱を製作し、最高賞のクリエイティブ最優秀賞を受賞している。今回は支援の対象を高齢者とその家族へと広げ、2年連続で大会の最高賞を獲得した。受賞後は家族やロボット教室の講師への感謝を述べ、「ほかの出場者のロボットを見ることで知識を広げられた」と大会を振り返った。

一方、自作ロボットによる自律走行の速さを競うタイムアタックレース部門では、東京都の中学3年生、加藤優真さんが金賞を受賞した。

タイムアタックレース部門で金賞を受賞した加藤優真さん(中央)

同部門は、大会当日に公開されるコースに対して、出場者がロボットの構造やセンサー、プログラムを調整して走行に挑む競技だ。加藤さんはロボットの軽量化を図り、1回目の走行では完走できなかったものの、2回目に9秒43を記録。前年の銀賞から順位を上げ、金賞に輝いている。

自作ロボットでコースの走破に挑む加藤優真さん

銀賞は9秒50を記録した東京都の中学3年生、村岡祐翔さん、銅賞は10秒10を記録した東京都の小学6年生、三谷航輝さんが受賞した。

審査委員長を務めた千葉工業大学 未来ロボット技術研究センター(fuRo)所長の古田貴之氏は、ファイナリストとして出場したこと自体が素晴らしいと出場者をたたえている。タイムアタックレースについては、基本を踏まえて完成度を高めた点を評価するとともに、自分らしい工夫を生み出すさらなる挑戦を呼びかけた。

大会に協力したヒューマンアカデミーは、2009年6月から「ヒューマンアカデミージュニア ロボット教室」を全国で展開。2026年3月末時点で教室数は2,000以上、在籍生徒数は27,000人を超えており、5歳から中学生までを対象に、ロボットの組み立てやセンサーを使ったプログラミングなどを学ぶ機会を提供している。