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イーオン、中学生用AI英会話学習サービス「ララランゲージ」の実証実験を開始
2025年9月8日 14:00
英会話教室を運営する株式会社イーオンは、私立中学校と協力し、中学生向けAI英会話学習サービス「ララランゲージ」の実証実験を2025年9月中旬から開始すると発表した。
同サービスは、中学校での英語教育において課題とされてきたスピーキング力の向上を目的として開発された。ALTや外国人と話す機会が少ない生徒に対し、生成AIと会話を重ねることで実用的な英会話力を育てる仕組みだ。
教材は、東京書籍の中学校検定教科書『NEW HORIZON』に準拠しており、授業と連動した学習が可能となっている。生成AIを活用した英会話練習では、中学生の興味に合わせたトピックや、留学前の準備としてホームステイでの会話のシチュエーションなども取り入れ、楽しみながら学べるように設計がなされている。
Webブラウザ上ーで動作するため、アプリのインストールは不要。学校で配布されたタブレット端末を使い、家庭でも学習を継続できる。教員用の管理画面では、生徒ごとの学習時間やスコアの確認ができ、成績評価の負担を軽減できる。
施策の背景には、文部科学省の調査結果がある。令和5年度の「英語教育実施状況調査」によると、中学校で英語の授業時間のうち50%以上、英語を使用して互いの考えや気持ちを伝え合う言語活動を行う学校の割合は71.5%となっている。小学校から高校に上がるにつれ、言語活動(時間)のうち4技能の「話すこと」の割合が段々と下がっている。
限られた授業時間の中で、「話す」時間を十分に確保することも課題となっているほか、人前で英語を話すことが恥ずかしいと感じる子供もいる。これらの背景から、イーオンはAIとの英会話学習で生徒の気持ちや教員のアウトプット練習時間確保をサポート。同アプリの提供を目指して、実証実験を開始する。
「ララランゲージ」では、生徒が自分のペースで学習を進められるよう、「AI Friends」機能を搭載。AIとの会話を通じて、発話に自信がない生徒でも失敗を恐れず練習ができる。また、教員は生徒の進ちょくをリアルタイムで把握することが可能で、指導の効率化も見込まれている。
イーオンは、私立中学校の数校と実証実験を行い、抽出された課題を解決しながら2026年春のサービス商用化を目指してブラッシュアップを進める予定だ。