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Windowsが使えるMacを校務PCに、Jamf JapanがNew Education Expo 2025に出展
2025年6月10日 06:30
2025年6月5日から7日に開催された「New Education Expo 2025」(東京会場)に、Jamf Japan合同会社が出展し、校務用PCとしてWindows環境を搭載したMacを展示した。GIGAスクール構想でiPadを導入している自治体にとっては新たな選択肢が広がったといえる。
MacとWindowsの切り替えはスムーズ!
ブースでは、「Macを校務に」をテーマにiPadと並べてMacBook Airが展示されていた。展示機には、Windowsのデスクトップ画面が表示されており、これにはmacOS上でWindowsを利用できる仮想化ソフトウェア「Parallels Desktop」が用いられている。Windowsも快適に動作し、3本指ジェスチャーでサクッとMacとWindowsの画面を切り替えることも可能だ。
スタート画面では、Microsoftアカウントによるログインが求められる。運用の設定によっては、マイクロソフトの多要素認証を利用することも可能となっており、セキュリティを重視した校務環境を築くこともできる。
「そうか、その手があったか!」と思わされたのは、教員がすでに授業で使用しているiPadを、校務用Macの拡張ディスプレイとして活用できる点だ。これは「Sidecar(サイドカー)」と呼ばれるmacOSの標準機能で、ケーブル接続もアプリ購入も不要。既に手元にあるiPadを、追加費用なしでサブディスプレイとして使えるため、作業領域を広げたい教員にとっては実用的な機能といえる。
また、そもそもiPadとMacの連携は非常に優れており、日々の業務効率化にも役立つ。たとえば、iPadで表示した文章や画像、URLをコピーし、そのままMacにペーストすることも可能だ。Appleの「ユニバーサルクリップボード」機能により、デバイス間でシームレスにデータをやり取りできるため、教員にとっては煩雑な作業を減らすことができる。
Apple Intelligenceで業務効率化も期待
Macを校務で使うとなると、Appleの新たなAI機能「Apple Intelligence」にも注目したい。文章のリライトや通知・メール・メッセージの要約、メモアプリでの録音と同時の文字起こし、高度な会話が可能な新しいSiriの体験など、さまざまな場面でAIを活用できる。
ブースではその一例として、Apple Intelligenceの機能のひとつ「Image Playground」を体験した。これは、テキスト入力や自撮り画像をもとにスタイルを選ぶだけで、アニメ風やスケッチ風などのイラストが自動生成される機能だ。これを使えば、著作権を気にせず画像を作成できるため、学級だよりやプリントの挿絵などに生かせる。
さらに、Apple IntelligenceはChatGPTとの連携にも対応しており、ChatGPTのアカウントがなくても利用できるのが大きな特長だ。個人情報の登録やログイン不要で生成AIの機能を活用できる点は、セキュリティやプライバシーに配慮が求められる教育現場にとって、非常にありがたい仕様といえる。
たとえば、メモアプリでは、組み込まれたChatGPTに「学級通信の構成を考えて」と必要な情報を入力するだけで、自然な文体で草案を提示してくれる。しかも、やり取りは、Appleがプライバシーに配慮し設計したクラウド基盤を経由するため、入力した内容がChatGPT側に学習・保存されることはない。安心して利用できる仕組みとなっている。
教員の2台持ちや、iPad端末の価格高騰といった課題があるなか、Macを校務用端末として活用することで、業務の効率化や運用コストの見直しにつながる可能性がある。教育現場の実例として、今後の導入検討の参考にもなりそうだ。
【訂正】6月10日15時23分、一部、事実とは異なる部分があり本文を訂正しました。